【中学受験】学校説明会~3つのチェックポイント

中学受験生にとっては、いよいよ新年度の始まりですね。学年が進むにしたがって学習内容も深くなり、量も増えるためご家庭での学習管理も工夫が必要になってきます。保護者の皆様の協力が欠かせないところですが、迷ったらぜひご相談ください。

さて、学習管理と並行して保護者がやらなければならないことは、志望校、受験校を考えていくことです。中学受験においては、最終的に決定する秋~初冬までに、通わせたい学校、通わせてもいい学校をいくつ見つけることができるかが勝負を分けるといっても過言ではありません。

偏差値や大学進学実績は確かに重要な客観的データですが、多感な時期のお子さんを6年間預けるわけですから、学校選びにはご家庭の教育方針とマッチするかどうか、そして何よりも受験生本人の憧れ、入りたい気持ちがとても重要になってきます。お子さんに働きかけるきっかけを作る一例として保護者ができることは、「学校に足を運ぶこと」です。

今回は、学校の「本当の顔」を知る機会である「学校説明会」に足を運ぶ際にチェックすべきポイントを解説します。主に私立中高一貫校を想定していますが、公立中高一貫校選びにも共通する点があるので参考にしてください。

校長先生をチェック!

中高一貫校には、教育理念あるいは建学の精神と言われるものがあります。学校のパンフレットやホームページを見ても、何やら難しい、抽象的な表現で書かれていることが多いですね。ですが、それらにはきちんと意味があるのです。教育理念や建学の精神をブレさせることなく教育を行ってきた学校こそが、時代の荒波にも負けずに生き残ってきているのです。

教育理念や建学の精神はいわば「正論」です。保護者がチェックするべきポイントは、どれだけ立派なことが掲げられていても、それらが学校生活の中で本当に実践されているのかということでしょう。それを見極めるには、「校長先生をチェックすること」が一番です。教育理念や建学の精神を生徒が実践できるようになるためには実際に教える立場にある教職員が実践していなければならないですし、そのトップである校長先生が自ら教育理念や建学の精神を体現していなければ説得力がないからです。

学校説明会では、ぜひ校長先生の立ち居振る舞いをチェック!してみてください。話の中で「これからは人間力の時代です」と強調しているにもかかわらず、顔も上げずに手元の原稿を棒読みしている校長先生だったらどう感じますか?どんな人間力を我が子に身につけさせてくれるのだろうかと不安になるのではないでしょうか。

また、大学入試改革でも盛んに言及されている「論理的思考力」を育てます、と言いながら話の中身は精神論で終わり、というのもとってつけた感じで、学校自体がよくわかっていないのでは?と疑問が残りますよね。

校長先生の立ち居振る舞いに共感できるなら、その学校はご家庭の教育方針やお子さんの性格に合っている可能性が高いと考えられます。

個別相談・校内見学での対応をチェック!

学校説明会では、校長先生の立ち居振る舞いのほかに、説明会の進め方、雰囲気、どのような生徒に来てほしいかなどの話から、学校の日常生活の雰囲気を想像してみてください。学校によっては、在校生の昼食時間に合わせて学食を公開したり、在学生に校内を案内してもらえるなど、保護者が在校生に質問しやすい雰囲気を作ってくれるところもあります。

説明会の後には、個別相談や校内見学が用意されている学校が増えています。時間の許す限りぜひ参加してみると良いでしょう。なぜなら、ご自分のお子さんが習うことになるかもしれない先生方が、どれだけ自らの学校のことを深く知り、伝えたいと思っているのかがはっきり表れる場だからです。

例えば来年度入試方法や形式が変わります、と説明会で話があったとします。では、具体的にはどう変わるのか?それに対してどのような対策をすればよいのか?説明会では時間に限りがあるため、あまり深く触れられないことも多いのが現状です。そこで個別相談の場を利用するのです。もし、教員がこのような疑問に即座に答えられないようなら、どう感じますか?

「それほど大きく変わるわけではありませんから…」「そんなに気にしなくても大丈夫ですよ」などという教員が個別相談の場にいる学校は、教員が理解していないということになりますから、極端に言えば学校内が分裂していたり、全教職員が同じ方向を向いていない可能性があります。それでは入ってから話が違う、ということにもなりかねません。注意が必要なチェックポイントです。

学校パンフレットをチェック!

学校説明会の時には、パンフレットを含む配布資料があります。説明会中に「○○を参照して下さい」と言われたものに関してはその場で見るべきですが、あとは説明会や個別相談などのライブ感に集中してください。

配布資料、特に学校パンフレットは帰宅してからしっかり読んでみてください。では、ここではどんな点をチェックしながら読むべきでしょうか?

まずは、「校長先生をチェック!」でも書きましたが、教育理念や建学の精神、学校の沿革について、わかりやすく書かれているかどうかをチェックしましょう。

教育理念や建学の精神は、ブレない学校の姿勢を表すものですが、時代の流れによって微妙に解釈の幅がでるものです。多くの学校のパンフレットでは、校長先生による挨拶のところで紹介されていますが、校長先生=学校が「いま」を教育理念や建学の精神と照らし合わせてどのように考え、どのような使命感を持ってお子さんをお預かりするのかという姿勢を見ることができる重要な部分です。

また、パンフレットに使われている言葉から、学校の方針がブレていないか見分けることができます。教育理念や建学の精神、学校の沿革などの学校の根幹にかかわる部分は少しだけで、「グローバル社会においては…」「情報リテラシーを重視し…」など、昨今はやりの言葉がちりばめられ、しかも具体的な説明がないような場合にはその危険性をはらんでいます。

なかには、大学入試改革に欠かせないといわれる「アクティブ・ラーニング」について、定義をそのままもってきて、実際に何をやるのか、自校の言葉で説明できていないパンフレットもあります。写真やグラフィックだけに惑わされず、注意深く読んでください。

終わりに~学校説明会参加のススメ

学校側も、学校説明会に来てもらうために様々な工夫をしています。ミニ説明会、クラブ見学会、ナイト説明会、入試問題解説会など、毎年様々な行事を企画しています。うまく利用して、今後の志望校、受験校選びに役立てましょう。

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一橋大学卒。 中学受験では、女子御三家の一角フェリス女学院に合格した実績を持ち、早稲田アカデミーにて長く教育業界に携わる。 得意科目の国語・社会はもちろん、自身の経験を活かした受験生を持つ保護者の心構えについても人気記事を連発。 現在は、高度な分析を必要とする学校別の対策記事を鋭意執筆中。