続・思考する時間を確保する重要性

中学受験に取り組むお子さんにとって、「じっくり考えて問題に取り組む」ことは思考力を鍛えるためには肝要な段階です。しかし、時間をかけているものの、実は考えていない、というお子さんがよくいらっしゃいます。また、考えろと言われても「考える」ということがどういうことかわからない、というお子さんもいらっしゃいます。保護者の方々は、そういうお子さんの状態をどう思われますか?

今回は、続・思考する時間を確保するということの重要性について、より深く考えていきたいと思います。

 考えるときに何をしているのか、よく見守りましょう

 長考(将棋などでよく使われる言葉ですね)に入った子の様子を見てみましょう。腕組みして、あるいは頭をかかえているだけで、動きがないように見えるでしょうか。あるいは、どう考えたら良いのかわかっていないかもしれません。それとも、考えているふりをしているのかもしれません。本人は「ふりをしている」とは思っていませんが、恐らくそのままの姿勢を保ったままでは何の考えも浮かんでこないでしょう。

 一方で動きのある子がいます。算数であれば図形に線や角度を書き込んでいたり、問題文に線を引いてヒントを見落としていないかチェックしたり、国語であれば問題文を細かく読もうと線や囲みを入れていたり、記述問題の下書きをしていたり。そういう子は、答えにたどりつく可能性が大いにあります。

解答にたどり着くためにはまず問題を分析することが大事

 動きのない子には、まず何を考えているのか聞いてみましょう。「何をすればよいかわからない」ということがほとんどだと思います。その場合は、まず「動く」ように促すことが必要です。例えば、問題文をもう一度よく読むことをすすめることです。

どの教科でも、難問は問題文が長文であることが多いですが、それだけにヒントを見逃しているのかもしれません。問題を親御さんと一緒に音読するだけで「あ、そうか」と解き方を思い浮かべることができるお子さんが実は多いのです。つまり、問題文中のヒントに気づいたのです。

 また、文章を読み解くことが苦手という場合であれば、問題文で読み取れることを絵(図)に描かせてみてください。「今考えている問題はどういう問題なのか、絵でわかりやすく教えて」と質問するのです。マンガのような絵で良いので、とにかくビジュアル化させて説明させます。そうすると、何がわかっていないのか、何が求められているのかが見えてきます。特に算数や理科ではビジュアル化して解くと解ける問題が少なくありません。明らかになっている数値やデータは図に書き込ませましょう。算数の図形の問題なら、角度や辺の長さ、国語の読解問題なら登場人物の動きなどです。理科の物理や化学の問題でも同様です

親御さん自身は問題が解けなくても結構です。ぜひ行っていただきたいのは、問題文をお子さんと分析することです。それが難問を解く最大のヒントになります。この段階を経て、自力で考えだしたら、ぜひしばらく様子を見るようにしてください。その段階で大量の問題を解くように急かしたりしたら、お子さんはまた「考える」ことをやめてしまう可能性がありますから、ぜひ気をつけてください。

 方針を確認する

 問題文を分析した後もどうすればよいかわからないようであれば、何をすれば答えにたどり着くと思うか、説明させることをおすすめします。たとえば算数や理科であれば、どの値がわかれば良いと思うか、その値を求めるために習った公式はないか、以前に問いた問題に似たようなものはなかったか、順を追ってきいてみましょう。つまり、方針や作戦を考えさせる、ということです。

 あくまで主体はお子さんです。お子さんとともに分析し、その子なりの分析を聞いてあげてください。最初は合っているかどうか、結果は気にしないで良いのです。具体的なヒントが出せなくても結構です。思考するように促せば良いのです。

 結局解けなかった、で終わったとしても

 これまでのプロセスを経ても、解けない問題も多いかもしれません。その場合は、解答・解説をみて、正解とそれまでのプロセスを確認することが大事です。答えそのものの確認だけで済ませるのではなく、何ができなくて解けなかったのか、分析させましょう。公式を覚えていなかったのかもしれません、もしくはある事項を記憶していなかったのかもしれません、問題文の分析が甘くヒントを見落としたのかもしれません、ビジュアル化に間違いがあったのかもしれません。どこが足りなかったかをしっかり確認しましょう

 その過程を経てから、改めて自力で解くようにするのです。自分で「考えた」問題は解法がすぐに頭に入ります。そして今後、同程度の思考を要求する問題は楽に解けるようになるでしょう。

 どれくらい時間をかけるべきか

 まったく動きがない状態で、何をすればよいかわからない、ということであればむやみに時間をかける必要はありません。早い段階で上述したような段階を踏んで思考するように助けてあげてください。

では、どの程度時間をかけたら良いのでしょうか。具体的な時間はお子さん一人ひとりによって違いますから一概には決められませんが、例えば方針が決まっているようであれば答えが出るまで時間をかけても良いでしょう。ですが、上述の段階を経てもどうしてもわからない、ということであれば、早目に切り上げることもやむをえません。その時はしっかり分析して解き直しを忘れずに行いましょう。

まとめ 

まず何よりも必要なのは、お子さんが心から「よく考えた」と思えるように援助することです。どうしても解く問題が多いと、急かしてしまいがちです。ですが、解答に至るまでのプロセスこそ大切にすべきです。たとえ最初は間違えたとしても、しっかり「考えて」自分の解答を出したお子さんは、「見込みがある」と言えるでしょう。時間との兼ね合いもありますが、塾の宿題をする、テストの解き直し、復習をする、そういった時こそ学力がアップする大切な瞬間です。

一定程度の時間で切る必要はありますが、お子さんが自分自身で試行錯誤する時間を確保することはとても大事です。一日のうちに、そういった「自分で考える」時間を確保するよう、ぜひスケジューリングをしてあげてください。

<関連記事>

忘れてはいけない学習習慣 「思考する時間」、確保していますか?

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です