【中学受験】算数の成績が上がらない原因と克服法 その1 整数計算

中学受験でまず力を入れるのは何といっても受験算数ですよね。4教科のうちでも一番時間をかけて学習しているというご家庭も多いのではないでしょうか。

最近は中学入試で算数1科目入試を実施する学校も増えてきていますし、算数の配点をほかの3教科に比べて高くする傾斜配点をおこなう学校もあります。そんなとき、算数で点数がとれないと、入試で大きく差がついてしまい、合格が遠のいてしまいますよね。そういった事態は避けたいものです。

算数は最終的に正解しないと点数がなかなかもらえない、本来的に「差がつく」教科です。だからこそ、塾の授業でも時間を多く割き、問題演習をひたすらおこなうわけですが、なかなか成績が上がらない、点数がとれないというお悩みをかかえていないでしょうか。

算数の成績が上がらない理由はいくつかあります。大きく分けると計算力や空間把握能力などが関わってきますが、そういった部分の基礎でつまずいてしまっているケースが非常に多く見られます。

今回は、算数の成績が上がらない理由その1として、計算力をつける必要性と家庭でもできる克服法についてご紹介していきます。

計算力が最終的に勝敗を分ける

受験勉強が進んでくると、「計算」に対する考え方が変わってくることがあります。計算が重要だという考え方になれば良いのですが、「計算くらい」「計算なんてできて当たり前」というように、ことばは悪いのですが計算をなめてしまう受験生や保護者の方が実に多いのです。

たとえば、毎日算数の勉強をしているとき、また、模試の結果が戻ってきたとき、計算問題で間違えていた時お子さんにどのように声を掛けますか?「計算なんかで間違えるなんて」「なんで計算で落とすの!」といったことを言っていないでしょうか。それは、「これだけ算数を勉強してきたんだから計算で間違えるなんてありえない、許せない」という考え方になっている証拠です。

計算はたしかに算数の基本中の基本です。四則計算は、小学生なら誰でもできるようになっていて当たり前と思われるかもしれません。ですが、計算だけの問題以外にも目を向けてみてください。文章題でも、図形の問題でも、どのような形の算数の問題も最終的には式を立て、計算に持ち込んで答えを出しますよね。つまり、計算が間違っていればその分点数に結びつかないのは当然のことなのです。

たかが計算、と思われるかもしれませんが、速く正確な計算力があってこそ合格をつかめるのが中学入試の現実です。たとえば男子難関校の海城中学校では、解答欄に途中式を書くところがありません。つまり、計算をして求めた答えだけを書くわけです。その答えが間違っていれば下手をしたら全く得点できないということにもなりかねません。これは、中学校側が「正確な計算力」を求めているからです。

もちろん途中式を書く中学校では部分点をもらえることもありますが、最終的に正解していなければ大きく減点されてしまいます。計算力が最終的な合否を分けるポイントになる、ということを今一度確認しておきましょう。

なぜ計算力がつかないのか

算数の勉強に時間をかけているはずなのに、計算でいつも間違える、という場合は、そもそもの計算への取り組みを考え直す必要があります。

数量感覚が足りない

計算力が弱いお子さんの場合、割り算をしているのに、解答が割られる数より大きくなっていても気づかない、ということがあります。分数や小数の割り算なら割られる数より大きくなることもありますが、整数の計算問題でもそういったことが起こります。その原因は、「数量感覚」が十分に備わっていないことにあると考えられます。

計算で間違える、計算するスピードが遅い、というは、ひるがえせば「数量感覚が足りない」ということです。お子さんが計算問題に取り組んでいる様子を見て、そういったことがないかチェックしてみましょう。

数量感覚が足りずに計算がなかなか合わないというお子さんは少なくありません。計算力が弱いため、計算が合わなかったり、計算のスピードが遅いことによって、他の問題を解く時間が無くなってしまい、点数が伸びないということもあります。模試や小テストを受けているときに計算に時間をとられていないかどうか、お子さんと話し合ってみましょう。

四則計算の基本があやふや

足し算、引き算、掛け算、割り算といった四則計算の基本があやふやなお子さんは意外と多いです。小学校1年生から、1ケタの足し算から始めて、学年が上がるごとに四則計算の練習をしているはずですが、たとえば「割る」ということの意味が良くわかっていない受験生も少なくありません。何かを「分ける」という数量感覚が身についていないことが原因です。

割り算が苦手な受験生は、分数の計算で必ずと言っていいほどつまずきます。分数は分子を分母で割る計算だからです。5年生で分数を本格的に習うときに一度つまずいてしまうと、数量感覚がくるってしまい、その後計算で点数を落とすということが起こるのです。

また、掛け算は九九の計算を低学年で習いますが、思い込みによる九九の間違いは意外と多いのです。もし九九を忘れてしまったとしても、同じ数を足していけば答えは出るはずなのですが、そういった切り替えもできなくなります。

計算で点数を落とさないためにできること

まずは計算の基礎を固めるために、九九の暗算は完ぺきにして、できる計算の種類を増やしていくことが大切です。九九が完璧になったら、2ケタ×1ケタの計算問題が瞬時にできるかを確認していきましょう。「そんなことから?」と思われるかもしれませんが、計算の基礎ができていない場合は、そこまで戻ってトレーニングを積まない限りまた同じところでつまずきます。

それができたら2ケタ×2ケタの計算、特に平方数の計算がすぐにできるように、とレベルアップしていきましょう。まずは、掛け算をマスターすると、その逆の割り算の感覚もつかめるようになっていきます。頭の中だけで処理できる計算が増えると、スピードも上がって計算ミスが減っていきます。

分数や小数の計算が多いので気になると思いますが、整数の計算がしっかりできていないと必ずつまずきます。計算問題でつまずいている場合は、まず整数の計算で間違えないように意識するようにしていきましょう。

次回は、分数の計算について解説していきたいと思います。

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一橋大学卒。 中学受験では、女子御三家の一角フェリス女学院に合格した実績を持ち、早稲田アカデミーにて長く教育業界に携わる。 得意科目の国語・社会はもちろん、自身の経験を活かした受験生を持つ保護者の心構えについても人気記事を連発。 現在は、高度な分析を必要とする学校別の対策記事を鋭意執筆中。