英文法を基本から!準否定語から二重否定まで様々な否定の表現について【詳しい例文付き】

今回は、否定について学んでいきます。

まずはよく使われる否定語の「not/never/no」を見ていきましょう。

続けて「ほとんど〜ない」「めったに〜ない」という準否定語や、「完全に〜というわけではない」という部分否定についても学びます。

その他にも否定を表す語を2つ重ねると肯定の意味になる二重否定というのもあります。  

not/never/no

「not」

  • ①We do not come to school by train.
    私たちは電車で学校に通っていない)
  • ②My teacher told me not to wear earrings.
    先生は私にイヤリングをしないようにと言った) 

まずは「not」で述語動詞を否定する①の例文を見てみましょう。

come」という述語動詞を否定したいので、〈donot〉になります。もし主語が3人称単数であれば〈doesnot〉に、過去の話であれば〈didnot〉になります。

以下、ルールをまとめておいたので覚えておきましょう。 

  • be動詞+not
  • do/does/did not+動詞の原形
  • 助動詞+not+動詞の原形

続いて②の例文を見ると、「not」が「to wear earrings」という句を否定しているのが分かります。

ここでは「イヤリングをすること」を否定したいのであって、「先生が私に言った」ことは否定されていません。

特定の語・句・節を否定したい時は、否定したいその語・句・節の直前にnotを置きます。以下、例文です。 

▶語を否定したい場合 

David is American, not British.
デービッドはアメリカ人で、イギリス人ではない) 

▶︎句を否定したい場合 

She comes from Canada, not from Germany.
彼女はカナダ出身で、ドイツ出身ではない) 

▶︎節を否定したい場合 

She loves him not because he is handsome, but because he is warm-hearted.
彼女は彼がハンサムだからではなく、心が温かいから愛しているのです) 

 「never」

  • ③I will never ride a roller coaster again.
    もう二度とジェットコースターには乗らない) 

「一度も〜ない」という意味を表したい時は「never」を用います。

③の例文を見てわかるように、助動詞が含まれる場合は〈助動詞+never+動詞〉の語順になります。 

▶︎be動詞の場合は〈be動詞+never 

He is never at home.彼はいつも家にいない) 

▶︎be動詞以外の一般動詞の場合は〈never+動詞〉 

Inever snows on island.その島では決して雪が降らない) 

また「never」は完了形で使われると、「1度も〜ない」という経験の意味を表します。 

  • I have never seen such a rude man.
    そんな失礼な男に今まで1度も会ったことがない) 

「no」

  • ④There were no children in the park.
    公園には子どもが人もいなかった)
  • ⑤Building a house is no simple task.
    家を建てるということは、決して簡単なことではない) 

「まったく〜ない」「1人も〜ない」という強い否定を表したい時は「no」を用います。

④の場合は、「children(子ども)」が1人もいないことを否定したいので、「children(子ども)」という名詞の前に「no」を置きます。数えられない名詞にも数えられる名詞にも使うことができます。

また主語にnoがつくと、主語が否定されるばかりでなく、結果的に文全体の内容が否定されることになります。これを全否定といいます。 

  • No students are allowed to enter this room.
    いかなる学生もこの部屋に入ることは許されていない) 

上の例文のように〈no+名詞〉と同じような働きをする語句があります。「nobody」「nothing」などです。

したがって、Nobody is allowed to enter this room.(だれもこの部屋に入ることは許されていない)という文が出来上がります。この場合は単数扱いなので、気をつけましょう。 

さらに⑤の例文を見て分かるように、〈形容詞+名詞〉(⑤の例文だとsimple task)やbe動詞の補語となる名詞の前に置かれると、「決して〜ない」という意味の強い否定になります。 

否定後の位置

  • ①I don’t think that he is so talented.
    私は彼にそれほどの能力があるとは思えない)
  • ②I hope that it won’t rain tomorrow.
    明日雨が降らないといいんだけど) 

主語の意思や判断を表す動詞(=think, believe, suppose)の後ろにthat節や語句がある場合は、最初の動詞を否定することが多いです。

したがって①では、that節ではなくて、「thinkを否定しています。

一方で、②のようにthat節の中の動詞を否定する場合もあります。例えば「hope」「be afraid」などの場合は、that節を否定形にします。 

準否定語

今まで習った「no/not/never」は、文や語句を完全に否定します。

一方で「ほとんど〜ない」「めったに〜ない」という意味を表す準否定語というものがあります。以下、準否定語の一覧です。 

  • hardly / scarcely : 程度がほとんどない
  • rarely / seldom : 頻度がほとんどない
  • few / little : 数や量がほとんどない
  • ①I could hardly understand what he was saying.
    私は彼が言っていることがほとんど理解できなかった)
  • ②The injured child could scarcely walk.
    怪我をしたその子どもは、ほとんど歩けなかった)
  • ③I rarely listen to classical music.
    私はめったにクラシック音楽を聞きません) 
  • ④England has seldom won the World Cup.
    イングランドがワールドカップで優勝することはめったになかった) 
  • ⑤Few students handed in the homework.
    宿題を提出した生徒はほとんどいなかった) 
  • ⑥I had little time to buy a present for her.
    彼女へのプレゼントを買う時間はほとんどなかった) 

まず①と②で使用されている「hardly」scarcely」は「ほとんど〜しない」という副詞です。

次に③と④では「めったに〜しない」という意味の「rarely」「seldom」という副詞が使用されています。

そして⑤の「few」は数えられる名詞の前に置かれる形容詞で、⑥の「little」は数えられない名詞の前に置かれる形容詞です。

もしa few」「a little」のように「a」をつけると、否定の意味が消え、「少しはある」という意味になります。 

部分否定・全否定

  • ①All of the members attended the meeting.
    会員の全員が会議に出席した) 
  • ②Not all the members attended the meeting.
    会員の全員が会議に出席したというわけではなかった) 
  • ③None of the members attended the meeting.
    会員はだれも会議に出席しなかった) 

部分否定とは、「完全に〜というわけではない」という意味を表します。

②の例文は、①の文頭に「not」が置かれ、①の内容が否定されています。つまり「会員の全員が会議に出席した」を否定して、「全員が出席した+というわけではない」という意味になります。

③は全否定の文になります。①の「All」の代わりに「None」が置かれていますが、この「None」は「だれも(何も)ない」を表すので、「だれも出席しなかった」という意味になります。 

二重否定

  • ①He never visits us without bringing a gift.
    彼は私たちのところに訪ねてくる時には、必ずおみやげを持ってきてくれる) 
  • ②It’s not unusual for couples to quarrel.
    夫婦が口喧嘩をするのは珍しいことではない) 

否定を表す語が2つ重なると、肯定の意味になります。

①では、「never」「without」と2回否定されています。「〜なしで…することはない」→「おみやげなしに、私たちを訪れることはない」という意味です。

つまり結果的に、「訪ねる時は必ずおみやげを持ってくる」という肯定の意味になるのです。

の場合は「unusual(珍しい・ふつうでない)」の前に「not」があることで、二重否定になっています。「珍しいことではない」→つまり「よくあることだ」という意味合いになります。 

 最後に

いかがでしたか?

今回は否定語「no/not/never」の他にも、「hardly/rarely/little/few」などの準否定語や全否定、部分否定、二重否定など、様々な否定の表現を見てきました。

定語の位置に気をつけながら、今後問題を解いていくようにしましょう。 

 

【参考文献】
石黒昭博, 2016, 「総合英語Forest」桐原書店 

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上智大学総合人間科学部社会学科の片倉優花です。 私は中高をドイツで過ごし、高校はインターナショナルスクールに通っていました。ドイツ語も英語も身につけないといけなくて語学習得に苦労したのですが、その経験を生かして、主に「英語」をみなさんに楽しく分かりやすく習得してもらえるような記事を書いていきます。現在は弓道サークルに所属していて、中高はバスケ部でした。他にも水泳やクラシックバレエなども過去に習っていて、体を動かすことが好きです。趣味は、読書、旅行、写真撮ること、食べることです。ドイツに住んでいた時に、ヨーロッパ中を旅行しました。お気に入りの場所は、イタリアのベネチア、フランスのモンサンミッシェル、トルコのイスタンブール、ドバイです。60ヶ国制覇を目指しています!英語だけでなく、モチベーションや勉強法なども書いていけたらなと思っています。 よろしくお願いします!