英語学習の基礎として、重要なのは「そもそも英語の文章がどのように成り立つのか」というルールを知ることです。
英語の単語も日本語同様に様々な「品詞」の種類に分類されます。
そして、文として成り立つために、その文を構成する単語の役割があります。これを「文の要素」と呼びます。
今回はこの「品詞」と「文の要素」の2点をマスターしましょう。
品詞
まず「品詞」について見ていきましょう。「品詞」は10種類に分けられます。下の例文を見て下さい。
- The man said to me softly and clearly, ‘’Well, you may be right.’’
(その男性は優しくはっきりと、「そうだね、君が正しいかもしれない」と私に言った。 )
上の例文には、10種類の品詞が全て使われています。
では、どのように区別すればいいのでしょうか。始めに文頭の「The」から、順に見ていきます。
- 「The」=「冠詞」
これは必ず名詞の前に置く決まりがあります。
「冠詞」には「the」「a」「an」の3種類あります。名詞が特定できるときは「the」を使い、不特定のときは「a」「an」を使います。
上の例文の場合、「その男性」というように、男性を特定しているので、「the」を使うことになります - 「man」=「名詞」
人や物事の名を表します。
「名詞」には2種類あります。3個のりんご(three apples)、2冊の本(two books)などのように「数えられる名詞」と、雨(rain)、塩(salt)、水(water)などのように「数えられない名詞」です。
「名詞」は主語や目的語、補語になります。上の例文の場合は、主語の役割を担っています。 - 「said」=「動詞」
人や物事の動作や状態を表します。
主語の人称や、自制などによって形が変化することが特徴です。上の例文の「said」は、「say」の過去形に変化したものです。 - 「to」=「前置詞」
「名詞」や「代名詞」の前に置かれ、前置詞句を作ります。
この「句」については次の段落で詳しく話したいと思います。 - 「me」=「代名詞」
「名詞」の代わりをします。人称代名詞や指示代名詞などが挙げられます。
この「me」は人称代名詞で、他にも「あなたは(you)」「彼の(him)」「彼女を(her)」「私たちを(us)」などがあります。 - 「softly」=「副詞」
動詞や形容詞などを修飾します。
優しく(softly)のような「様態」、あそこ(there)のような「場所」、いつも(always)のような「頻度」、明日(tomorrow)のような「時」、とても(very)のような「程度」を表すときに使います。 - 「and」=「接続詞」
「〜と…」というように、語と語をつなげる役割です。
「and」のような等位接続しと、「because」のような従属接続詞があります。他にも、しかし(but)、それとも(or)などが挙げられます。 - 「well」=「間投詞」
話し手の感情を表します。
他にも「Oh」「Ah」などが挙げられます。 - 「might」=「助動詞」
動詞と組み合わせて、話し手の判断などを表します。
例えば、can, may, must, willなどが挙げられます。 - 「right」=「形容詞」
人や物事などの性質、状態、数量などを表します。
幸せ(happy)、若い(young)、多くの(many)などが挙げられ、名詞を修飾したり、補語になります。
以上が10種類の「品詞」になります。
ここで注意してほしい点は、1つの単語がいくつかの品詞として使われていることがあるという点です。
下の例文の「cold」に注目してください。
- I caught a cold because it was very cold yesterday.
(昨日はとても寒かったので、風邪をひいてしまった)
最初のcoldは「風邪」という「名詞」ですが、次のcoldは「寒い」という「形容詞」の役割を担っています。
このように、文の中でどのような働きをしているのかを注意しながら読むようにしましょう。
句と節
次に、「句と節」についてお話しします。
「句」
「句」とは、2語以上のかたまりが1つの品詞の働きをしていて、そのかたまりの中に〈主語+述語動詞〉の形を含まないものです。
以下が例文です。
- Stars twinkle brightly in the night sky.
(星は夜空で明るくきらめく)
例文の赤字部分が「句」です。動詞のtwinkle(きらめく)を修飾する働きをしています。
「節」
一方で「節」では、文中で1つの品詞として機能するかたまりの中に〈主語+述語動詞〉の形を含みます。
- I saw the Southern Cross when I stayed in Australia.
(私はオーストラリアに滞在した時に、南十字星を見た)
上記の例文では、赤字の部分が「節」になります。
「節」には、I stayed(私は滞在した)というように、〈主語+述語動詞〉の形が含まれています。
文の要素
最後に「文の要素」について説明します。
「文の要素」には「主語」「述語動詞」「目的語」「補語」「修飾語」の5つがあります。
これらの要素を組み合わせることで、英語の文が成り立ちます。
主語と述語動詞
- My sister cried.
(私の妹は泣いた) - A dog runs.
(犬は走る)
上の2つの例文は、〈主語+述語動詞〉の形になっています。冠詞や代名詞などの限定詞も含めて主語と考えていいので、My sister とA dogが主語になります。
目的語
- ① I bought a new camera.
(私は新しいカメラを買った) - ② He bought me this book.
(彼は私にこの本を買ってくれた)
目的語は、動詞が表す動作の対象となる語です。上の例文では、赤字が目的語になります。目的語になるのは、名詞と代名詞です。
①の例文では、「I bought(私は買った)」とあり、「‘’何を‘’買ったのか」を説明するために、目的語の「a new camera(新しいカメラを)」と続きます。
②の例文では、目的語が2つあります。「He bought(彼は買った)」の後には、「誰に」「何を」という「人」「物」という順番で、目的語が2つ続きます。
ちなみに、このboughtつまりbuy(買う)という動詞は、「他動詞」と呼びます。「他動詞」のあとには「目的語」が続きますが、一方で「自動詞」は「目的語」を必要としないので注意しましょう。
補語
- ① His father is a teacher.
(彼のお父さんは教師です) - ② The news made us happy.
(その知らせは私たちを幸せにした)
補語とは、主語や目的語が「どういうものか」「どういう状態か」を説明する役割を持ちます。例文の赤字部分が補語になります。
①の文では、彼のお父さんが「どういう人なのか」を説明するために、「教師」という補語が必要になります。つまり主語の説明をしています。
その一方で②の文では、私たちが「どういう状態なのか」を説明するために、「幸せ」という補語を用いています。つまり目的語の説明をしているのです。
どちらの文もこの補語がないと文が成立しません。補語になるのは、「名詞」「代名詞」「形容詞」です。
修飾語
- I always study before breakfast.
(私はいつも朝食の前に、勉強をする)
修飾語は、主語、動詞、目的語、補語を修飾して、意味を加える役割をしています。例文の赤字部分が修飾語になりますが、実はこの部分を取り外しても文は成り立ちます。
その結果が以下の文です。
- I study.
(私は勉強する)
しかし、「いつも勉強する」「朝食の前に勉強する」というように、動詞のstudy(勉強する)を修飾することで、より具体的な文が成り立ちます。
演習問題
coming soon…
まとめ
英語の基礎としての「品詞」と「文の要素」は理解できたでしょうか。
「品詞」には10種類あり、文中でどのような働きをしているのかを考えることに注意してみてください。また、「品詞」は2語以上のかたまりで、1つの品詞となる場合もあることも忘れないで下さい。
「文の要素」も、今後英語学習を進めていく上で、文中でこの単語は「主語」なのか「目的語」なのか判断が重要になっていきます。今、ここできちんとそれぞれの役割をマスターしておきましょう。
続きは、こちらから。
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参考
- 石黒昭博, 2016, 「総合英語Forest」桐原書店
- Grammar | Learn English | EnglishClub
上智大学総合人間科学部社会学科の片倉優花です。
私は中高をドイツで過ごし、高校はインターナショナルスクールに通っていました。ドイツ語も英語も身につけないといけなくて語学習得に苦労したのですが、その経験を生かして、主に「英語」をみなさんに楽しく分かりやすく習得してもらえるような記事を書いていきます。現在は弓道サークルに所属していて、中高はバスケ部でした。他にも水泳やクラシックバレエなども過去に習っていて、体を動かすことが好きです。趣味は、読書、旅行、写真撮ること、食べることです。ドイツに住んでいた時に、ヨーロッパ中を旅行しました。お気に入りの場所は、イタリアのベネチア、フランスのモンサンミッシェル、トルコのイスタンブール、ドバイです。60ヶ国制覇を目指しています!英語だけでなく、モチベーションや勉強法なども書いていけたらなと思っています。
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