英単語の勉強は、その単語の意味やスペルを覚えるだけでは完璧とは言えません。
その単語の使い方、読み方、活用の仕方を知り、実際に使えるようにならなければいけないのです。
実際に文章を書いてみたり、読んでみたり、話したりする際に躓いてしまっては、その単語を学習したことにはなりません。
しかし、全ての単語の全てをしっかりと頭に入れて、それを使えるようにするのはとても難しいことです。
特に、受験勉強をしている方のように、他の科目の勉強もしなければいけない上に、期間が決められていては、単語の勉強もいつかは限界が来てしまいます。
そこで、ある程度基礎レベルの単語を覚えたら、自分の知らない単語を予測して文章を理解する技を身につけることをおすすめします。
日常会話においても、試験においても、内容は予想することができません。自分の知らない単語が出てくる場合も少なくはありません。
そのような状況になったとき、自分の覚えた英単語だけに頼らず、自分の英語力を駆使して様々な場所からヒントを見つけ出し、文章全体を理解することが大切なのです。
そこで、今回は「速読英単語 上級編」を紹介していこうと思います。
Contents
特徴
まずは、この本の特徴から紹介していこうと思います。
本のレイアウト
最初のページでは、
- 本の使い方や活用方法
- リスニング対策
- 推測原則について
が書いてあります。
この推測原則についてでは、自分の知らない単語が出てきた時の対処法が紹介されています。その方法は主に、
- 単語の前後を読み取る
- 似たような表現を探す
- 構造的な対比や対立関係を探す
- 原因と結果のような構造となっている箇所を見つける
- 接頭辞や接尾辞による工夫
が記載されています。
ここでは方法がただ紹介されているだけではなく、一つ一つの方法に沿っての練習問題も一緒に記載されています。
また、接頭辞や接尾辞についての基本の考え方やルールもわかりやすくまとめられて紹介されています。
この推測原則についてのページが終わると、いよいよ英文が始まります。
英文は見開きになっており、左側に英文、そして右側に日本語訳が書かれています。英文中では、重要な単語が赤字で記載されており、隣にある日本語訳中の単語も赤字で書かれています。
さらに、英文ページの下には、Check欄というものがあり、重要な熟語や構文が紹介されています。また、それぞれの英文に、推測原則を練習する用の単語が組み込まれており、その方法もページの下部で説明されています。
この英文の次のページには、それぞれの英文中に出てくる重要単語が単語帳形式で記載されています。
そして、その単語にはそれぞれ覚えておきたい重要な熟語や構文も一緒に紹介されています。それに加えて、覚えておくべき類義語や関連語も一緒に書かれています。
単語のページでは、一つの単語につき、重要な意味が一つまたは複数、赤字で載っています。
まとめてみると、英文→日本語訳→単語と例文 の順で紹介されています。
英文は、全部で48文記載されています。
また、文と英単語帳だけでなく、コラムのようなものも用意されています。
そこでは、テーマごとに単語がまとめられていたり、品詞の基本的なルールや推測原則のヒントになるようなことが紹介されていたりします。
英文が終わると、多義語やテーマごとに分かれた英単語の紹介が載っています。
そして、その後には英文の解説も載っているので、英文を読んでいる時にわからなくなったら、チェックすることができます。
最後には、索引があります。さらに、この教材には別冊が付いていて、一つ一つの単語に合わせた例文も紹介されています。
どんな人に向いているの?
次に、こちらの教材がどのような人におすすめなのかを紹介していこうと思います。
難関大学を目指している方
まず、この教材で紹介されている単語は、基本的なものよりも難しいものが多くなっています。
例えば、最近の難関大学入試では長文読解問題の傾向が変わり、日常的に学習する英単語には絶対に当てはまらないような難しい単語を出題しているところが多くあります。
それに伴い、紹介する単語のレベルを上げることはもちろんですが、この教材では、事前の勉強ではカバーしきれなかった単語に対する対処法の一つである、推測原則の方法を丁寧に記載しています。
最初のページでの紹介だけでなく、その後に続く英文においても、推測原則を練習するために単語が用意されており、それに対する説明や考え方も一つ一つ詳しくわかりやすく載っています。
なので、もちろん単語力を鍛えるためにも適切ですが、文章全体を読み取り、理解する力も一緒に向上させることができるので、難関大学の受験勉強を考えている方にぴったりな教材です。
英語の実践のための専門的な勉強をしたい方
次に、より専門的な英語の勉強をしたい方にお勧めです。
この本で紹介されている推測原則は、英語の実践においてとても重要なポイントになってきます。
まず、英語を第二外国語として勉強をすると、ネイティブの人と同レベルの英語力を付けるのは簡単ではありません。そこで、実際に英語を使っている最中に、わからない単語が出てきた時の対処法がポイントになります。
会話をしている時も、ニュースを見ている時も、難しい本を読んでいる時も、途中で中断していちいちわからない単語を確認していてはキリがありません。
そのような場面に出会った時、文中からヒントを抜き出し、理解していく力はとても大切となります。
また、この教材で紹介されている単語や文章は、レベルはもちろん、内容も科学や医療、教育といったより専門的で興味深いものが多いです。そのため、よりアカデミックな文章の読み方も自然と身につけることができます。
オススメポイント
最後に、この教材のオススメポイントをいくつか紹介していこうと思います。
レベル順
この教材では、短くて比較的わかりやすい文章から順番に記載されています。
ページを進めていくにつれて、いつの間にか文章の内容も難しいものになってきているのです。
最初から教材を進めていくことにより、文章を読む基礎的な力を付けながら、同時に少しずつレベルアップしていく文章に挑戦していくことができるのです。
そうすることにより、自分にあったレベルを把握するだけでなく、いきなり難しい文章からチャレンジするよりも、文章力を鍛えながら学習することができるので自然と読むスピードも上がってきます。
少しずつレベルが上がっていくので、自分の成長を実感することもできます。
さらに、その成長を自信に繋げて、次のレベルの文章を読むモチベーションを高めることもできるのです。
コンパクト
この教材は、手に収まるくらいの大きさなので、とても持ち運びやすいです。
赤シートも一緒に付いているので、隙間時間に少し読み始めてみて、わからないところがあるかの確認をし、後でしっかりと勉強することもできます。
また、赤シートを使わなくても、ただ読んでいるだけで自分の苦手な部分等を把握することができるので、ちょっとした時間に少し読むだけでも英語力の向上することができます。
毎日少しずつでも良いので英語に触れる、というのはコンパクトだからこそできる勉強方法です。
最後に
このように、英語を勉強していく上では単語力はもちろん、わからないものに出会った時の対応力も大切です。
基礎的な単語は、どれを覚えても様々な場面で使う機会があるので身につけやすいですが、専門的な難しい単語となると、なかなか使う機会も少なく、身につけることも難しくなってきます。
文章中で難しい単語に出会ったときは思い出すことも大事ですが、時間との戦いの場合は文章全体を理解する方に重点を置くべきです。
ある程度、英単語力を鍛えることができたと思った方は、知らない単語に出会った時にどうしたら良いかを考えていくことも、今後の英語力向上においてとても大切なワンステップになると思います。
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参考
早稲田大学法学部在学。
中学からの留学経験を活かした英語力を元に、初学者が躓くポイントをわかりやすく解説します!