見直しはあてになるのか?ケアレスミスと見直しの関係

テストを受けるとき、お子さんに「しっかり見直ししてきなさいね」と声をかけて送り出す親御さんは多いと思います。「見直し」をすれば急いで解いてしまって自信がなかった問題も正解できる、1点でも上乗せできる・・・受験生や親御さんがそのような思いを持つのは古今東西、未来永劫、常識のように思われています。

ですが、テストを受けている最中のお子さんの様子を見ることはできませんよね?また、どういう時間配分でやっていて、どのような問題につまずいてしまっていたのかは、テスト結果が返ってからでないとわかりません。今回は、テストでは切っても切れない「見直し」について考えていきたいと思います。

テストの時に実際に見直ししているのか

テストが終わって、出来が悪い答案が返ってくると、「何があったの」と聞きたくなりますよね。テスト終了直後にも、「今日のテストはどうだった?」とお聞きになるでしょう。実際に感想を聞いてみると、「難しくて時間がかかってしまったので、最後に見直しができなかった」とお子さんはおっしゃっていませんか?難しい問題が多くて時間切れ、見直しができなくて最初の計算問題でケアレスミスをしていた・・・それはたしかに残念です。

ですが、難しいテストほどミスによる失点は最小限に防ぎたいですし、解ける問題は確実に得点しなければなりません。ですから、本来は、見直しを実行してミスをつぶしたいところです。

見直しで間違いは発見できるのか

意外に自分のミスというものは発見しにくいものです。思い込み、というのは誰にでもあることです。大人であれば自分の作ったレポートや原稿を他の人に見てもらって評価を求め、指摘を受けたところをもう一度練り直しますよね。大人ですらそうなのですから、お子さんが時間の余裕のないテスト時間中に、自分で見直してミスをくまなく潰していく、というのは至難の技といえるかもしれません。

では、どうすればいいのでしょうか。

最初からミスしなければいい

こういってしまうと身もふたもないかもしれませんが・・・見直しがあてにならないなら、最初から正しい解答ができるようになれば良い、ということになります。もちろん人間ですから、完璧を求めるのは無理だと思います。ですが、普段から「最初から間違えない」という水準を目指す訓練をすることはできます。小テストの時はもちろんのこと、宿題に取り掛かるとき、簡単な計算問題に取り組むとき、漢字テストのとき、まず身近な学習のときに、「最初から正しい解答をする」ように心がけるのです。

頭のどこかに「後で見直しするからとりあえずいいや」という考えがあると、それが甘えになり、解答に真剣さや集中力が欠けてきて、ミスにつながります。いつでも正確に解くという執念を示す、それを習慣にすることが大事なのです。

そんなやり方だと時間がかかってしまう、と思われるかもしれません。たしかに時間はかかります。だからこそ普段から訓練し、スピードアップしながら最初から正確に解く、ということを意識して問題を解くのです。最初はゆっくりかもしれませんが、だんだんスピードはアップしていきます・

難問に時間をかけたい

たとえば、中学入試の算数では、計算はどんなに複雑でも、スピードと正確さが要求されます。これは合格の絶対条件です。これができないと、文章題や図形の難問に時間をかけることができなくなりますし、計算の不安が集中力をそぐことになり、その結果ミスを誘発してしまいます。

簡単だと思える問題はスピーディーに正確に、普段から高い水準を求めましょう。これは、算数だけでなく全教科に言えることです。易しい問題の答えを引き出すのに時間がかかりすぎていないか?かかりすぎているのなら、知識は正確に入っているのか?そういったことを意識できるようになってこそ、時間配分もうまくなっていくのです。

見直しはもちろん必要

テストとは、慎重さとスピードと正確さを同時に成り立たせる矛盾への挑戦、と言えます。見直しは必要です。完璧な人間などいませんから、それは否定できません。しかし、実際はそれを実行できないことも多いものです(最初の、時間切れのケースもそうです)。また、実行できたとしても慌てているので案外あてにならないこともあります。時間に余裕があったから最初の計算問題をもう一度解き直したら正解だったのに間違えてしまった、などということはテストの緊張感の中では意外に多いものです。そのあたりをしっかり意識して、普段から学習し、テストでも「最初から間違えない」ようにしていきましょう。

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一橋大学卒。 中学受験では、女子御三家の一角フェリス女学院に合格した実績を持ち、早稲田アカデミーにて長く教育業界に携わる。 得意科目の国語・社会はもちろん、自身の経験を活かした受験生を持つ保護者の心構えについても人気記事を連発。 現在は、高度な分析を必要とする学校別の対策記事を鋭意執筆中。