中学受験における算数や大学受験の数学では、いくつかの大問をセットとして実際に時間を計って解くという実践的な事も必要になってくるかと思います。そんな時に、「あれ?いつもできているはずの事が出来ない」なんてことはありませんか?いつもより時間がかかってしまう、計算ミスが増えてしまう、突飛な解法を取ってしまう、などなど普段ノンプレッシャーで解いているときとは違ったトラブルが発生してしまいがちなのが演習です。しかし、演習で解けないような問題は本番解けるはずがありません。そこで今回は本番でしっかり問題が解けるようになるための演習の正しい取り組み方、心得について紹介していきたいと思います。
Contents
常に筆記用具を握ること!
演習問題を解くとき、方針を練る時間と答案を作る時間があります。この、方針を練る時間に、筆記用具を置き腕組みをして考えている人がいたりしますが、あまりよろしくないです。
方針を練る段階でも、実際に計算をちょこちょこやってみたり、実験してみたりすることで見えてくるものはたくさんあります。(特に簡単な例で状況を把握することはかなり重要です)計算用紙にメモ書き程度でも書けば自分の思考回路を整理する事が出来ます。頭の中で考えられる量はたかが知れているのですから、実際に紙に書き出しながらやるべきです。
これは当たり前のことではありますが、出来ていない人も多いのではないでしょうか。試験中に1秒たりとも筆記用具から手を離すなんてことはあり得ません。もっと闘志を持って演習に挑みましょう。
問題文の読み間違い・勘違いは絶対NG!
問題文を読み間違えて、ほとんど点数が残らないというのはよくある「言い訳」です。(斯く云う私自身も結構やらかしてましたが…)実力が反映されていないのはそうかも知れませんが、点を取れなければ試験ではどうしようもありません。それなりの時間を費やして、そこで生産した得点がゼロというのは、他の問題に与える影響も甚大です。
数学の問題文は、他の科目に比べたら圧倒的に短いのですから、
「まず問題文をざっくりと読む」
↓
「最後まで読んだら、もう1回じっくりと読む」
↓
「方針が立ったら答案を書く前にもう1回読む」
↓
「答案を書いたらもう1回読む」
くらいのことはしたいものです。また、答えるものが複数ある場合は特に注意を要します。1つだけ答えて次にいってしまう…という悲劇を防ぐためです。そういう時はあらかじめ、問題文の中で答えるべきところに印をつけておくなどして警戒しておきましょう。
答案作成は焦らず冷静に、見直しをする際は逐一チェック!
全部の問題を解き終わってから見直しをするやり方はあまりお勧めできません。解きながら逐一見直し(一行変形進めたら、一行戻って確認、平方完成したら展開して元に戻るか確認、直線の方程式を立てたら、通るべき点を本当に通るか確認、などなど)を進めていくべきです。(前提として、自身の数学力を過信しないことは重要です、人は計算をすればミスをし、転記しようとすればミスをする、というくらいの意識を持っておきましょう)
なぜならば、答案の序盤で間違いが見つかった場合、その後も全て書き直さなくてはいけないからです。それは時間と労力の大きな無駄です。計算ミスした状態で書いていた答案にかけた時間から生産された得点はゼロということになってしまいます。
上記のような理由から、特に問題の序盤は慎重に見直しをする必要があります。また、うまく解法が思い浮かんだ時こそ油断してしまい、その次の習慣でミスをしてしまうということもよくあるので、自分を客観視できる自分がいる事が必要です。
採点者に読みやすい答案作成を心がける!
皆さんの中には、答案をうまく作成できてない人もいるのではないでしょうか。
主な問題点は、
- 答えがどれなのか明示がない
- 日本語が支離滅裂
- 立式の根拠の把握が難しい
といったところが挙げられます。
1番目は下線を引く癖をつけてもらうとして、2番目は改善にしばらく時間がかかる問題でしょう。ある程度何を言いたいのか自分の頭の中で整理してから答案におこす訓練が必要です。また、謎の体言止めをする人がいますが、答案というのは数式の羅列ではなく「文章」なので、しっかり最初から最後までつながるように日本語を書いてください。3番目は一番本質的な問題です。図やグラフ、必要なら表などを多用して視覚に訴える答案を作れるようにしましょう。また、立式の過程は日本語で説明するのが原則です。(もしくは式変形の中でわざとらしく明示する。)
制限時間を考慮した上で「戦略」を考えよう!
当たり前ですが、試験時間は有限です。その中で自分のパフォーマンスを最大に発揮すること、すなわち「実力に見合った点数をとる」ということも「実力をつける」ことと同じくらい試験においては重要です。もちろん、志望校の作問難易度や受験者の平均点、他科目との配分などもあるので、戦略と言っても、その内容は人それぞれでしょう。
例えば、一般的に言われている、「はじめに全ての問題を見て、解けそうな問題から解いていく」という戦略ですが、これは危険です。「解けそう」の部分が主観的すぎるからです。「解けそう」とはじめに思ったものの、実はものすごく計算が大変であるとか、「解けなさそう」と思った問題が思いの外あっさり解けてしまうということは多分にあります。(特に算数や数学が苦手な人なら、尚更第一感の難易度判断に頼るのは危険です)
その一方で、はじめから順に解いていく戦略は感覚的に時間を把握しやすく、ひとつの問題に集中しやすいという点で優れており、かなりお勧めできます。とはいうものの、自分にあった戦略というのは人それぞれで、その戦略を見つけることが演習を行うひとつの目的でもあります。また、演習の際は、次に生かすためにも、各問題に取り組んだ順番やかけた時間を必ずメモしましょう。
演習→反省→演習→反省…の繰り返しで自身の癖を把握しよう!
演習を行なっても、解きっぱなしで分析をしなければ演習を行なった意味がありません。解けた問題はなぜ解くことができたのか、逆に解けなかった問題はどこでつまずいたのかということを丁寧に分析してこそ演習に意味が生まれます。そして、解けたかどうかに関わらず、それぞれの問題の指針を確認するという意味で、全問題の解き直しは必ず行いましょう。また、ケアレスミスについては全てノートにまとめておくことをお勧めします。そのノートに書かれた内容を次の演習の直前に見返すことでケアレスミスは圧倒的に少なくなります。
本番で点数を取ってこその「演習」を意識しよう!
いかがだったでしょうか。演習はみなさんの実力に見合った点数を試験で取れるようになるために必要なものです。以上のことを意識して演習に取り組んでいくことができれば、着実に点数を上げていくことができると思うので是非頑張ってください!
おすすめ記事
- ケアレスミスをなくすための2つの視点
- ケアレスミス克服法 算数編
- タイプ別ケアレスミス対策のチェックリスト
- 数学嫌い・苦手意識を克服!つまずきポイント別の勉強法をご紹介します!
- 大学受験必見!東大生が実際にしていたオススメの勉強法をご紹介します(数学編)
- 【東大生が実践】模試の復習方法を科目別に詳しく解説します(国語・数学・地理編)