登場人物の気持ちが読み取れない!小説の長文問題の勉強法

~abstraction~

 国語の勉強方法がわからなくて戸惑っている方は多いと思いますが、なかでも小説の長文読解問題に苦労している方は多いでしょう。

どうしてかというと、論説文や説明文では設問で訊かれたことが基本的には文中にある程度記載されていて、それを抜き出すか加工すれば満点とまでいかなくとも、部分点だけでも取得できる可能性が高いのに、小説にはそれがなく登場人物の心情を通して筆者が読者に伝えたいことを自分で読み取らなくてはならないからです。

小説で点を取れるようになりたいと思っても、小説の読解問題をたくさんこなせば点が取れるようになるわけではありません。

では、どのようにすれば小説の読解で得点できるようになるのでしょうか。

 

問題を解くより本を読む

 基本的には(これは論説文や説明文でも同じことですが)原文をフルで読破し、言いたいことを把握する練習をたくさん積み重ねなければ読解力はあがりません

ですから、国語に関しては過去問をやるというより、本を沢山読むことを優先して頂いた方が結果につながりやすく、中でも小説に手を焼いている場合は、出来るだけたくさんの小説を読破していただきたいと思います。

 

読んだら感想を書く

 その際のやり方ですが、一冊を読み終えたらまず原稿用紙半枚~一枚ぐらいで要約を書いていただきます。

そして、特に主人公の立場にたって物語を読み進めていった中で、自分がどういう感情を持ったかということを箇条書きで良いので書き留めてみて欲しいのです。

例えば、病気で入院してしまったお母さんを心配して、何か月にもわたってバスでお見舞いに行く少年のお話しだとすると、

  • お母さんがそんなに長く入院してしまって、さぞ心配だろうなと思った
  • 自分だったら、ひとりでバスに乗って毎日病院までお見舞いに行くことができないので主人公はえらいな、と思った

など、文章から受け取った単純な感想でかまわないので共感や反感など心に浮かんできたことを書き留めてみてください。

感想と言うのは人によって違ってくるでしょうけれど、それを想定しつつも筆者というのは、その文章を書く時に多くの読者に伝えたいことや、共感して欲しい点などをある程度念頭に置いて物語を作りあげていきますから、いくら読む人によって感想に違いが出るとはいっても、大幅に筆者の意図とかけはなれた感想が出ることは考えにくいものです。

そして、設問を作成する人も、その辺り(筆者が本当にその物語を通して伝えたいと思っていることや、読者と共有したいと思っている気持ち)を読み取った上で、受験生がそのことを作問者自身やその他の読者と同じように、一番大事な部分を読み取れているかどうかを知りたくて問題を作るのですから、いわゆるハイライトになっていること、というのが必ずと言っていいほど訊かれるわけなのです。

ですから、まずは普段から、自分が文章を読んで自分の頭の中に思い浮かんできたことや、その出来事に対して持った感想を言葉にまとめること、そのこと自体が設問に対する解答を作成することとほぼ同じ作業を行うことになるのです。

 

いざ記述問題を

慣れてくると、文章を読むたびにいちいち感想を書き出さなくても、文章を読んでいる最中に自分の中に沸き起こったいろいろな感想や意見を、文章を読み終えても忘れずに頭の中に保っておくことが出来るようになります。そのため、その状態で設問に解答すれば、わざわざ問題文に戻って答えを探しに行ったり、もう一度その部分を読み直してどういうことかを考えなくとも、時間をかけずにさらさらと解答が書けるようになります。

最も強調しておきたいのは、国語の場合は算数のように

「こう思うのが正解」というものはない、ということをよく理解しておく必要がある、ということです。

人は様々な感情をもつ生き物ですし、筆者と作問者でさえ捉え方や考え方が違います。

まして受験生が100人いればなおさら、感想が100通りある可能性もあるわけです。

それでも問題になっていて、満点となる解答が存在するわけですから、やはり多くの人が共通して持つであろう感想や、感動するであろう場面が取り上げられるのだろう、ということがわかりますね。

つまり、人によって意見が割れるであろう出来事や考え方は設問にはなりにくい、ということなのです。

したがって、自然に持った感想でかまわない、という理由はここにあるので、どうか安心して自分の感じたことを率直に言葉にまとめて書き留めてみてください。

頭の中に思い浮かんだことや心で感じたことを言葉にすること。これが国語の記述の神髄です。

 

最後に

 国語の記述の、特に小説では、登場人物の感情が絡んで来ますから、そこを読み取るのは小学生にとってやさしいことではありませんが、練習を積めば必ずできるようになります。

そうやって磨かれた感性を持った受験生を出題者は探し当てたくて作問しているのです。

どうか、そのようにして自分が培った感性を本番で披露し、小説で満点を取るぐらいの勢いで臨んでみてください。

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