これまで、塾選びで中学受験の50%は決まる!と、大規模塾や個別指導塾、家庭教師について書いてきましたが、今回は、中規模・小規模塾を2つ紹介したいと思います。実際に通っているお子さんのいらっしゃる方の話を聞くと、個人的には、本当は中規模塾、小規模塾こそきめ細かく子ども一人ひとりの特性を見極めて指導をしてくれているのではないか、と感じています。
今回は、中規模・小規模塾の中でも、市進学院と啓進塾について書いていきたいと思います。
市進学院
- 教育方針(6年生私国立受験コース):「志望校合格に向けた得点力を身につける」
- 6年生時の授業回数・特別講習など:週4回、夏期講習、冬期講習、各種特訓など
- 6年生時の費用(現在は変わっているかもしれません):最難関コース37,600円/月、6年4教科コース35,000円/月
転塾活動の際に体験した中規模塾です。市進は千葉県からスタートしているので、千葉や東京以北に強いイメージがありますよね。実績を見ても、千葉が圧倒的に多いようです。以前も少し書きましたが、家からわりと近く、自習室があるという理由で話を聞きに行ってみました。
正直なところ、あまり期待をしていなかったのですが、それは見事に裏切られ、校長先生の丁寧で親身な対応に感銘を受けました。「1回だけじゃわからないから、3~4回くらい体験してみたら」と提案していただき、先生方と生徒の距離感の近さもよい雰囲気だったので、体験授業を受けてみることにしました。
結局、ここで体験授業を受けた後、息子はサピックスに戻る決断をしたのですが、その話を校長先生にした時も、息子や母親である私へのねぎらいの言葉もくださるなど、とてもあたたかく、雰囲気の良い塾だったと思います。周りに通っている知人はおらず、インターネットの口コミサイトでは全く想像できなかった良さがありました。校舎によって違いはあると思いますが、体験に行った校舎についての感想です。
啓進塾
- 教育方針:「勉強は楽しいからやる」「子どもを賢くさせる」
- 6年生時の授業回数・特別講習など:平日週4回、土曜日、特別講習(御三家対策、難関校対策)
- 6年生時の費用:61,560円/月(2月~7月)、78,300円/月(8月~) ※日曜特訓、テスト代含む
啓進塾は4校舎しかないのですが、知人のお子さんが複数名、大手塾から転塾し、こちらに通ってかなり成績が伸びたので、とても印象に残っています。そして、最初から通っていた知人のお子さんも含めると、全員が御三家を含む第一志望に合格しています(もちろん、偶然かもしれませんが)。
教育方針にある通り、通っているお子さんにとっては本当に楽しいらしく、6年生になるとほぼ毎日塾に行くにもかかわらず喜んで通っていた印象があります。男女別のクラスで、そのためか大学付属校狙いの人は少数派のようでした。拘束時間が長いのですが、その分、「全部塾に任せてください」スタイルで、過去問も塾で指導、自習も塾でわからないことをすぐに先生に聞けるシステムでした。そのため、知人のご家庭では、帰宅後は家で勉強せずゆっくり休むことができ、親子で勉強についてもめることもなかったそうです。
息子の転塾活動の際にこちらにも問い合わせたのですが、スポーツチームとの両立のことを話したところで、「うちは拘束時間が長いから、合わないかもしれません」と親身に話を聞いてくれました。お子さんが習い事と両立したりせず、受験のみで頑張る場合、ワーキングマザーにとってはぴったりの塾だな、と思いました。
今回のまとめ
今回は中規模塾を2つ取り上げましたが、一番私が言いたいことは、中規模塾、小規模塾についての情報収集はなかなか難しいのですが、良い塾もたくさんあるのでは、ということです。そして、通わせる親の立場からすると、費用感も大手塾より抑えられるというメリットもあったと思います。
情報を集めようと思ったら、やはりインターネットの口コミサイトなどを参照するよりも、実際に通っている方に直接聞いたり、塾に直接行ってみたりしないとなかなかわからないものだなと思います。自宅から通える範囲の塾を洗い出してみて、できる限り足を運んでわが子にベストな塾を選ぶのも親の役割かな、と思っています。
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一橋大学卒。
中学受験では、女子御三家の一角フェリス女学院に合格した実績を持ち、早稲田アカデミーにて長く教育業界に携わる。
得意科目の国語・社会はもちろん、自身の経験を活かした受験生を持つ保護者の心構えについても人気記事を連発。
現在は、高度な分析を必要とする学校別の対策記事を鋭意執筆中。