今回は2020年度の明治大学附属中野中学校の社会の過去問を一部修正して社会の問題の解き方、公民の解き方、特に日本国憲法、三権分立について説明していきたいと思います。
問題
次の文を読み、問いに答えなさい。
日本国憲法は、①国会・②内閣・裁判所がたがいに均衡をはかり抑制し合う「三権分立」の原則を定めています。主権者である国民から③選挙によって選ばれた議員で構成される国会は、憲法第41条において、「国権の【 】であって、国の唯一の立法機関である。」とされています。
④国会には、通常国会・臨時国会・特別国会・緊急国会の4種類があり、審議を効率的に行うために、委員会制度を採用しています。税金や社会保障など、国民の関心が高い重要な案件については、委員会が⑤利害関係者や有識者の意見をはば広く取り入れることもあります。
問1
【 】にあてはまる語句を、漢字で答えなさい。
- 【解答】最高機関
権力の集中を避けるため、日本には「三権分立」の原則を定めており、立法を担う国会は「国権の最高機関であって、国の唯一の立法機関である。」と憲法第41条に定められています。
行政を担う内閣は憲法第65条に「行政権は、内閣に属する。」と定められており、司法を担う裁判所は憲法第76条に「すべて司法権は、最高裁判所及び法律の定めるところにより設置する下級裁判所に属する。」と定められています。
問2
下線部①について、国会のはたらきとして正しいものを、次のア〜オの中からすべて選び、記号で答えなさい。
- ア、条約の締結を承認すること
- イ、政令を制定すること
- ウ、憲法の改正を発議すること
- エ、内閣総理大臣を任命すること
- オ、最高裁判所の長官を指名すること
- 【解答】ア、ウ
それぞれの選択肢が何のはたらきについて述べたものか説明していきます。
- 国会⇨ア、条約の締結を承認すること/ウ、憲法の改正を発議すること
- 内閣⇨イ、政令を制定すること/エ、内閣総理大臣を任命すること/オ、最高裁判所の長官を指名すること
問3
下線部②について、安倍晋三首相は、2019年、通算在任期間が最も長い内閣総理大臣となりました。安倍晋三首相に次いで、2番目に在任期間が長い内閣総理大臣を、漢字で答えなさい。
- 【解答】桂太郎
(国立国会図書館)
桂太郎は第11、13、15代内閣総理大臣を務め、通算在職日数は2886日です。安倍晋三は第90、96、97、98代内閣総理大臣を務め、通算在職日数は3188日です。
問4
下線部③について、現在の衆議院議員選挙は、小選挙区制ともう1つ何という制度を組み合わせているか、漢字で答えなさい。
- 【解答】比例代表
比例代表制は、得票率に応じて政党に議席が配分される選挙制度であり、衆議院では小選挙区と比例代表制の2つの制度で選挙を行なっています。1区につき定数が1人である小選挙区制は、死票が多くなるデメリットがありますが、比例代表制は死票が減りやすくなり、民意を反映しやすいという特徴があります。
問5
下線部④について、4種類の国会に関して正しく述べたものを、次のア〜エの中から1つ選び、記号で答えなさい。
- ア、通常国会は、その年度の予算案や関連法案を議題としてあつかい、会期は120日間である。
- イ、臨時国会は、内閣が必要と認めたとき、または衆議院・参議院のいずれかの議院の総議員の4分の1以上の要求があった場合、天皇により召集される。
- ウ、特別国会は、衆議院解散による総選挙から20日以内に召集され、国務大臣の指名を行う。
- エ、緊急集会は、衆議院の解散中に緊急の必要がある場合、天皇により召集される。
- 【解答】イ
それぞれの選択肢の違っている点について解説していきます。
- ア、通常国会は、その年度の予算案や関連法案を議題としてあつかい、会期は120日間である。⇨通常国会(常会)は1月に招集され、その年の予算案や法案を審議します。会期は120日間ではなく、150日間です。
- ウ、特別国会は、衆議院解散による総選挙から20日以内に召集され、国務大臣の指名を行う。 ⇨特別国会は衆議院の解散による衆議院議員の総選挙後に召集される国会であり、国務大臣の指名を行いますが、総選挙から20日以内ではなく、30日以内です。
- エ、緊急集会は、衆議院の解散中に緊急の必要がある場合、天皇により召集される。 ⇨参議院は衆議院の解散と同時に閉会となりますが、この閉会中に国会の議決を要する緊急の問題が発生したときに、参議院が国会の権能を暫定的に代行する制度が参議院の緊急集会です。内閣は、衆議院の解散中に国に緊急の必要があるときは、参議院に対して緊急集会を求めることができます。(憲法第54条第2項)天皇により招集されるのではなく、内閣により招集されます。
問6
下線部⑤について、このために開かれる会を何というか、漢字で答えなさい。
- 【解答】公聴会
国会だけでなく、地方自治体においても、制度等を決める際や、住民の要望に応じて公聴会が開かれることがあります。
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