工業に関する統計・グラフのデータは、背景情報を理解すると覚えやすくなりますが、農業に関する統計・グラフはどうでしょうか。
農業にも、工業と同様のややこしさがあります。
今回は、農業に関する統計・グラフの問題の克服法について書いていきます。
見分けるには第1位を覚えるだけでは不十分
「このグラフで表されている農産物は何か」「この農産物のグラフのこの部分は何県か」などの問題がよく出題されます。統計を覚えていないと解けない問題ですね。
統計を覚えるときはどうしても第1位にとらわれがちですが、見分けるには第2位、第3位の件も覚えておくことが必要です。農業の盛んな県には生産量の多い産物がいくつもあります。また、順位が入れ替わることもありますから、第1位だけ覚えていてもダメなのです。
特に北海道、山梨県、長野県、茨城県などはあちこちの統計に登場します。主なものを取り上げてみます。皆さんはいくつ正解できますか?
- りんご 青森 長野 山形
- みかん 和歌山 愛媛 静岡
- ぶどう 山梨 長野 山形
- もも 山梨 福島 長野
- さくらんぼ 山形 北海道
- うめ 和歌山 群馬
- いちご 栃木 福岡 熊本
- なし 千葉 茨城 栃木
- レタス 長野 茨城 群馬
- はくさい 茨城 長野 北海道
- じゃがいも 北海道
- さつまいも 鹿児島 茨城 千葉
- キャベツ 愛知 群馬 千葉
- キク 愛知 沖縄 福岡
- きゅうり 宮崎 群馬 福島
- なす 高知 熊本 群馬
- ピーマン 茨城 宮城 高知
この中でも特定の県がダントツで1位という農産物は優先して覚えましょう。リンゴの青森、さくらんぼの山形、うめの和歌山、じゃがいもの北海道、キクの愛知などです。
地図を活用しよう
ある農産物の生産量の上位の県がわかったら、その県を必ず地図で確認してみましょう。どんな気候の県でよくとれるのか分析してみましょう。寒いところなのか温かいところなのか、以外に都会の近くなのか(近郊農業)、などを確かめます。
その農産物がとれるからには、その農産物に合った気候的特徴があるはずです。それがイメージできると覚えやすくなりますよ。
農業の特色と結び付けてみよう
各県の特色となる栽培方法と農産物を結びつけて覚えるようにしましょう。たとえば、愛知県はキクの生産第1位ですが、それと電照菊の抑制栽培をセットにして覚える、などです。ほかにも、高知県・宮崎県のなす・ピーマンと促成栽培、長野県のレタスと抑制栽培(高原野菜)などです。
産地はスーパーでも勉強できる
スーパーに行くと、値札や段ボールにブランドや品種、産地が書いてありますね。お子さんと一緒に読んでみてください、どこでとれたものか確認していくと自然に覚えられます。
たとえば、いちごには、とちおとめ(栃木県)、あまおう(福岡県)、さがほのか(佐賀県)などがありますが、産地と一緒に覚えやすい名前がついていますね。みかんはみかん箱に「有田(和歌山県)」「愛媛」「静岡」などと書いてあります。ぶどうもよく知られた品種がいくつもありますね。
農産物や産地が常識のように頭に入っていくようになれば、改めて統計について勉強したときに楽に覚えられます。まずは身近にある農産物がどこでとれたものなのか確認してみるところから始めてみてはいかがでしょう。
一橋大学卒。
中学受験では、女子御三家の一角フェリス女学院に合格した実績を持ち、早稲田アカデミーにて長く教育業界に携わる。
得意科目の国語・社会はもちろん、自身の経験を活かした受験生を持つ保護者の心構えについても人気記事を連発。
現在は、高度な分析を必要とする学校別の対策記事を鋭意執筆中。