中学受験を目指す子どもたちにとって、「読解力」は大変重要です。読解力は、国語のみならず、算数の文章題、社会では地図やグラフを使った問題に長い説明文がついていますし、理科でも実験結果などの条件の読み取りをするのに読解力がなければ正解することはできません。そして、瞬時に「何を聞かれているのか?」を理解するうえでも必要な力です。
読解力をつけるためには、もちろん本を読むことが一番です。すでに中学受験勉強真っ最中という方は、たくさん読書したくてもその時間がありませんよね。その場合は、国語の読解問題に出てくる文章を速く、正確に読む訓練をしていくなかで「読解力」を身につけていくことになりますが、すぐに身につくものではありません。
読書をするなら低学年のうちがチャンスです。もちろん時間に余裕があれば受験生も読書をしたいところですが、ただ本を読んでいるだけでは、読解力は身につきにくいものなのです。実は、本の読み方には、読解力を育てるポイントがあります。
今回は、低学年のうちに読解力を育てる本の読み方について書いていきます。
読書のポイント① 挿絵がたくさんある本を選ぶ
本を読むといっても、低学年では活字ばかりの本ではすぐに飽きてしまいます。挿絵は当然その物語をイメージしたものですから、文章で表現している情景を想像しやすくなります。
本を読むときには、頭の中で想像することが必要です。まさに「本の中に入り込む」わけです。特に低学年のうちは、書いてある情報を整理することが難しいので、挿絵は頭の中で想像する大きな助けとなってくれるのです。
読書のポイント② 読んだ後、質問をする
いくらたくさん本を読んでも、読みっぱなしでは何も残りません。なんとなく、「ああ、面白かった」で終わってしまうのはもったいないです。読書をするときは、読み終わった後、ぜひいくつか質問をしてみてください。たとえば、「〇〇ちゃんはどうして△△したのかな?」など、文章には書いていないことを質問します。つまり、想像してみないとわからないことです。
この習慣を続けると、たいていのお子さんは答えることができるようになります。ただし、子どもの想像力は大人には計り知れないもので、珍解答もたくさん出てくるのですが・・・。
本を読んだ後に書いていないことについて質問することは、読解力を育てる大きな助けになりますから、ぜひやってみてください。
読書のポイント③ 声に出して読む
低学年の宿題に多いのが「音読」です。音読をすることによって、語彙を覚えることができますし、文章全体のイメージをつかむことができるので、宿題として出されることが多いのですが、実は脳にも効果があるようです。
「目で文章を見て、声に出して読む」ことは、インプットとアウトプットを同時に行っていることになり、脳の活性効果が期待できます。脳が活性化しやすくなると、本を読んだ時の読解力もさらにアップします。
受験生の勉強でも同じです。どうも意味が分からない、そう思ったら「音読」をしてみてください。
まとめ
低学年のうちにぜひたくさん本を読んでください。難しい本を1冊読むよりも、薄い本でもよいのでたくさんの本を読むようにしましょう。そうすることによって、本に対する、そして「読む」ことに対する抵抗が少なくなります。
将来、中学受験を視野に入れているのならなおさら、低学年のうちに読解力を育て始めることをおすすめします。
一橋大学卒。
中学受験では、女子御三家の一角フェリス女学院に合格した実績を持ち、早稲田アカデミーにて長く教育業界に携わる。
得意科目の国語・社会はもちろん、自身の経験を活かした受験生を持つ保護者の心構えについても人気記事を連発。
現在は、高度な分析を必要とする学校別の対策記事を鋭意執筆中。