沖縄・九州地方の地理をおさえよう!
福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県の8県からなる沖縄・九州地方の地形・気候・産業などをおさえていきたいと思います。政令指定都市は福岡県福岡市、北九州市、熊本県熊本市の3市です。
地形
- 筑紫山地…福岡県、佐賀県、長崎3県にまたがって北東から南西方向に走る山地。筑豊盆地、福岡平野、筑紫平野などにより地塊に分断されています。
- 筑紫平野…福岡県、佐賀県の南部、筑後川の中・下流沿岸に広がる九州最大の平野。
- 筑後川…二毛作の発達した水田地帯が広がり、有明海岸は干拓地が多く穀倉地帯になっています。
- 国東半島…大分県北東部、両子山(720m)を中心とする大きな円錐形火山からなる半島。
- 五島列島…長崎県西端の島嶼群。西は東シナ海、東は五島灘に面し、中通島、若松島、奈留島、久賀島、福江島および諸属島を総称して五島列島と呼びます。北東から南西に約80kmにわたり、大小140あまりの島々からなります。
- 雲仙岳…長崎県南東部、島原半島中部にある火山群の総称。「温泉岳」として国の特別名勝に指定されています。
- 阿蘇山…熊本県、大分県にまたがり、おもに玄武岩からなる活火山。中央に安山岩からなる中央火口丘の高岳(1592m。最高点)、中岳、根子岳、烏帽子岳、杵島岳があり、阿蘇五岳と言われます。中岳は大噴火口があり現在も活動を続けています。
- 九州山地…九州の中部を北東から南西方向に長さ150kmにわたり横切る山地。
- 熊本平野…熊本県中部、有明海に面する平野。筑紫平野に次ぐ九州第2の平野です。台地では畑作、低地では水田が広がる穀倉地帯。
- シラス台地…南九州の鹿児島県を中心に、熊本県南部、宮崎県南部に分布するシラスからなる台地。
【補足】シラスとは?
南九州に広く分布し、主として火山源の物質からなる白色砂質堆積物の総称。
- 球磨川…熊本県南部を流れる川。全長115km。最上川(山形県)、富士川(長野県・山梨県)とともに日本三急流の1つ。2020年7月初めの九州豪雨では球磨川流域が氾濫し甚大な被害になりました。
- 桜島…鹿児島湾の奥部に位置する、周囲約48.2km,面積約73km2の火山島。中心市街地の対岸に面し、昭和溶岩原、大正溶岩原などがあり、ほとんど全域が霧島錦江湾国立公園に属しています。
- 宮崎平野…宮崎県中部、日向灘に面する平野。
気候
まずは九州地方の気候からみていきましょう。九州北部地方は、九州山地が九州のほぼ中央を南北に連なっています。その西側と東側では季節により天候に差があり、特に冬は大きくなります。
(福岡管区気象台)
図を見ながら九州地方の気候の特徴をみていきましょう。九州山地を挟んだ東側と西側で特に差が大きくなる冬は、西高東低の気圧配置になり、日本海から流れてくる北西の季節風の影響を受けやすい東側の福岡や下関では日照時間が少なくなっています。 反対に、山地に遮られそのような影響を受けにくい西側の大分では日照時間が多いことがわかります。
また、降水量を見ると梅雨期間(6〜7月)は、梅雨前線や低気圧の影響を受けやすい九州山地の西側(特に熊本)で降水量が多くなっています。更に台風の影響を受けやすい9月ごろは九州山地の東側に位置する大分などで降水量が多くなっています。
次に沖縄県の気候です。沖縄県は亜熱帯に属し、年間を通じて温暖な気候です。
各地の月平均気温平年値(統計期間:1991~2020年)
那覇の月降水量平年値(統計期間:1991~2020年)
(沖縄気象台)
年平均気温は那覇で23℃前後と他の都市と比べて年間の気温が高いことがわかります。更に、年間を通じて湿度も高く、冬場でも70%弱、梅雨の時期には80%以上に達します。降水量は梅雨の時期の5~6月と、台風の影響を受けやすい8~9月に多くなっています。
工業、観光
福岡県北九州市を中心に、福岡市、久留米市、大牟田市、また山口県にかけて北九州工業地帯が広がっています。明治20年代に筑豊炭田の開発が行われ、1901年には官営八幡製鉄所がつくられました。以降も重化学工業を中心に発展してきましたが、石油危機後の産業構造の変化などもあり近年は衰退気味ですが、 IC(集積回路)や自動車工場を誘致して、機械工業へと転換しています。
戦後の高度経済成長期、工業の発展の弊害として公害が広まりました。四大公害の一つ、水俣病は熊本県水俣市の工場で排水とともにメチル水銀を海に流し、その海の魚を食べた人間に病気が発生しました。水俣市は過去の経験を繰り返さないよう環境保全につとめ、2008年(平成20年)には国から環境モデル都市に指定されました。
沖縄県は観光産業が盛んです。リゾートなどの開発が進む中で、サンゴ礁を守る環境保全に力を入れています。また沖縄独自の文化である琉球文化の継承にも力を入れています。
農業
九州地方では九州山地を挟んで南北で農業の特徴が異なります。北部地域は筑紫平野を中心として稲作地帯となっています。山の近くでは棚田での稲作も見られます。福岡県では稲作のほか、あまおういちごなども有名です。佐賀県では畜産も行われ、佐賀牛が有名です。大分県の山間部では寒暖差利用し、しいたけやカボスをはじめとした果樹栽培も行われています。
南部ではシラス台地など火山活動により土地が稲作などには向かないため、畑作や畜産や温暖な気候を利用した果樹栽培が盛んです。鹿児島県ではさつまいもやそら豆の生産量が全国上位であり、荒茶の栽培量も多いのが特徴です。宮崎県では温暖な気候を活用した果樹栽培が盛んで有名な名産品に太陽のタマゴ(マンゴー)があります。他にもみやざきの地鶏や牛など畜産も盛んです。熊本県は阿蘇山をはじめとしたカルデラがあり、豊かな自然に恵まれ畜産や施設野菜の生産のほか、古くから畳の原料であるい草の生産が盛んです。
沖縄県では、中国から伝わったカンショ(イモ)やサトウキビのほか、ゴーヤ、パイナップルなど暖かい気候を活かして特色ある農産物や果樹の栽培が盛んです。
まとめ
地方 | 福岡県、佐賀県、長崎県、熊本県、大分県、宮崎県、鹿児島県、沖縄県 |
政令指定都市 | 福岡市(福岡県)、北九州市(福岡県)、熊本市(熊本県) |
気候 | 北九州山地の東側⇨日本海から流れてくる北西の季節風の影響を受ける。冬は日照時間が短い。台風の影響を受けやすい9月ごろ降水量が多い。 北九州山地の西側⇨山地に遮られ季節風の影響を受けにくい。冬は日照時間が長い。梅雨前線や低気圧の影響を受け梅雨期間(6~7月)に降水量が多い。 |
工業 | 北九州工業地域⇨古くは筑豊炭田の開発、1901年の官営八幡製鉄所設立により重化学工業が栄えた。 |
農業 | 北部の平野部は稲作地帯、南部はシラス台地やカルデラなどにより、畜産や畑作が盛ん。沖縄は温暖な気候を生かしサトウキビやパイナップルなどの生産が盛ん。 |
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