地理が苦手な人が口をそろえていうことは、「地図を覚えるのが嫌い」ということです。確かに、地図に出ている川や山もただ覚えるだけでは大変です。大量な知識を正確に覚えなければいけません。地理に出てくる知識を覚えるためには、まずその土地に関心を持たなければなりません。その土地にどのような特徴があるのか関心を持ちながら勉強しましょう。
今回は、地理が苦手な人へ、ダメな勉強法と成績を上げるために守るべきルールについてお伝えしていきます。
Contents
ダメな勉強法
単語だけ覚える
地理の単語は丸覚えするだけではダメです。それではすぐに忘れてしまいます。まず地名や山、平地であればそれがどの県にあるのか、川なら水源はどこか、名前を変えながら最終的にはどこに出るのか、など、きちんと理屈立てて理解しておく必要があります。
さらに、「二毛作」のような重要な知識であれば、二毛作そのものの意味まで理解していなければ意味がありませんし、なぜ二毛作をするのか、その理由を説明できなければなりません。また、二期作との違いも説明できる必要もあります。
特産物の順位を丸覚えする
特産物の順位は必ず塾のテキストや参考書にに載っています(場合によっては、その県の特産品がイラストで描いてある地図帳もあります)。たとえば、「みかん」であれば、今は和歌山、愛媛、静岡の順で載っていることが多いですが、この順位は変わることがあります。順位で丸暗記するのではなく、上位3県を、できればなぜそれが特産品になるのか、その土地の特徴も含めて覚えておく必要があります。
よくグラフを使って、「このグラフは○○の生産高のグラフです。○○とは何でしょう」という問題が出題されますね。作物ごとに覚えるのは大切ですが、年によって順位が入れ替わることはしっかり意識して、関連付けて柔軟に覚えるようにしましょう。
成績を上げるために守るべきルール
白地図を利用する
白地図は、地図を覚えるのにとても有効です。白地図を使っていろいろ書きこんでいくうちに、山や川がどの都道府県にあるのか、正確にその位置を理解することができます。いきなり書き込むのではなく、ノートに書いたりコピーするなどして、何回も使えるようにしましょう。何回も書き込んで位置を理解していけば、知識がしっかり定着します。
山、川、平野、盆地はセットで覚える
地図を見ているとわかると思いますが、山、川、平野、盆地の名前が共通している場合があります。確かに、地名が名前についていることが多いのですから、同じ名前になることも当然ありますよね。
同じであれば、同じだと覚え、違うのならば山、川、平野、盆地のうちどの名前が違うのか、違う部分をしっかり覚えればよいのです。「セットで覚える」これはとても有効な覚え方なので、ぜひ試してみてください。
出来事の原因を理解する
例えば、北九州工業地帯が衰退したということを知っていても、その理由を説明することができますか?ある知識を覚えていても、「なぜそうなったのか」その理由を説明することができなければ覚えた意味がありません。必ず、その出来事の背景を理解しておくようにしましょう。出来事とその原因・理由をセットで覚えていれば、難しそうにみえる記述問題でも正解することができます。
時事問題にも関心を持つ
地理と時事問題は密接に関係しています。たとえば、環境問題は現代特有の問題として考えられるでしょう。日本の公害問題は時事問題と関係してきますし、災害と復興についても同じです。日々のニュースに出てくる時事問題に関心を持ちながら地理の勉強をすると、「ああ、これは日本のどこで起こっているんだ、その地方には何があったかな・・・」と、知識が連鎖して定着しやすくなります。ぜひ、ニュースや新聞で話題になっている時事問題には関心を持ちましょう。難しいなと思われるようなことは、ぜひ親御さんが一緒に話して理解を深めさせてあげてください。
まとめ
地理は苦手という人は本当に多いです。特に、中学受験ではまず最初に扱われる分野ですから、6年生になったら忘れている・・・それも無理はないかもしれません。ですが、忘れてしまう原因は、知識を関連付けて覚えたり、原因や仕組みをよく考えずに丸覚えすることにあります。
覚えなければいけないと思ってただ地図帳を眺めていても面白くないでしょう。ちょっとした空き時間にぜひ地図や地図帳、地球儀を眺めてみてください。面白い地名があるな、など意外な発見がありますよ。そうした経験を積むことで、地理に対する苦手意識は減っていきます。ぜひ、やってみてください。
一橋大学卒。
中学受験では、女子御三家の一角フェリス女学院に合格した実績を持ち、早稲田アカデミーにて長く教育業界に携わる。
得意科目の国語・社会はもちろん、自身の経験を活かした受験生を持つ保護者の心構えについても人気記事を連発。
現在は、高度な分析を必要とする学校別の対策記事を鋭意執筆中。