中学受験の算数で扱う単元のひとつに「仕事算」というものがあります。
仕事算も細かく分ければ色々な問題のパターンがあり、解き方がわからなくなってしまうことがあります。まずは基礎の問題パターンでつまづいていないかどうかを確認してみましょう。
なお、仕事算を解けるようにするためには、「約数・倍数」「分数」「割合と比」を学習していることが前提となります。
最初につまづきやすいポイント
何の仕事をしているの?
仕事算の問題を見たことはありますでしょうか?例えば次のような問題があります。
- (問題)Aさんなら20日で終えられる仕事を、Bさんがすると30日かかります。この仕事をAさんとBさんの2人ですると何日かかかりますか。
- (解答)全体を60とすると、Aさんは1日に60÷20=3、Bさんは60÷30=2の仕事をします。AさんとBさんが2人で一緒に仕事をするので、60÷(3+2)=12(日)かかります。
ここで、仕事算の問題に慣れていないお子さんの中には、「仕事」というものに対して具体的なイメージがつかず、問題文を理解できない子がいます。そういう子の場合、問題に慣れるまでは具体的な仕事のイメージをつけさせてあげたほうがよいです。
例えば、「1枚の大きなチョコレートをAさんとBさんが食べる仕事」とかでよいのです。1枚の大きな壁をペンキで塗る仕事とかでもよいのですが、より身近なもので例えてあげるとイメージがしやすいため、理解するのが早くなります。
全体を何にする?
仕事算の基本の問題は、「全体を1とおく」または「全体を最小公倍数におく」のどちらかでほとんど解けます。そのどちらがよいかは、どちらで解いても同じなのでどちらでもよいです。お子さんが自分のわかりやすい方で解けばよいと思います。
「どちらでも同じ」ということの根拠は、全体を1とおいて計算した場合にも、通分をする際に最小公倍数を計算することになるので、結果として使う数字は同じ数字を使うことになります。例えば上で出てきた問題でも、全体を1としてAさんが20分の1、Bさんが30分の1として計算してもよいのです。AさんとBさんの1日あたりの仕事量を求めるとき、いずれにしても分母を最小公倍数の60にして通分するからです。
無料プリントとその他の仕事算
無料プリント
仕事算の最初に解くべき基本の問題です。自作プリントですので、ご自由にどうぞ。
最初に「仕事」をイメージしやすいように、「チョコレートを食べる仕事」として問題を作ってみました。
その他の仕事算
上記のプリントが「これくらいはさすがにできる、簡単だ」というようであれば、次につまづいてしまう可能性があるのは、「誰かが途中で休む」という問題だと思います。
例えば、次のような問題があります。
(問題)Aさん1人なら25日、Bさん1人なら20日かかる仕事があります。この仕事を、AさんとBさんの2人で一緒に始めました。Aさんが途中で何日か仕事を休んだため、仕事を終えるのに12日かかりました。Aさんが休んだのは何日間ですか。
上記のように、つるかめ算を利用して考えることができます。この場合の考え方は次の通りです。
- 全体を最小公倍数にして考えている
- Aさんが休まずに仕事をしたと仮定する(つるかめ算を利用)
- Aさんが休んだ分の仕事量を求める
- Aさんが休んだ日数を計算する
他にも、「Bさんが働いた分を全体から引けば、残りがAさんが働いた分」など、考え方はいくつかあります。
また、「仕事算」と呼ばれる問題の中には、「1人が1日に行う仕事量を1として考える問題」などもあります。ニュートン算と呼ばれる問題も仕事算のひとつです。他のパターンの仕事算の問題については、また別の記事でご紹介したいと思います。
(ライター:桂川)
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