問題
A君とBさんが1回じゃんけんをして、次のルールにしたがって、階段を上がるゲームをします。
- ルール
- グーで勝ったら1段上がる
- チョキで勝ったら2段上がる
- パーで勝ったら3段上がる
- あいこのときは2人とも動かない
- 負けた人は動かない
2人が最初は同じ位置から始めて8回続けてゲームをするとき、次の問いに答えなさい。
- (1)2人の8回のじゃんけんの手の出し方が表1のようになりました。A君とBさんは最初の位置から何段上がりましたか。
A君とBさんが再び最初の位置に戻ってゲームをします。
8回のじゃんけんのうち、5回目までのじゃんけんでA君の手の出し方は表2のようになりました。5回目のゲームが終わった時点で、A君は最初の位置から5段上がっていました。また、5回目までのじゃんけんであいこはありませんでした。
- (2)
- ①5回目までのじゃんけんでBさんの手の出し方は全部で何通りありますか。
- ②①の手の出し方のなかで、Bさんは最初の位置から一番多く階段を上がれる手の出し方をしていました。5回目のゲームが終わった時点で、Bさんは最初の位置から何段上がりましたか。
- (3)(2)②のときから残り3回じゃんけんをして、そのうちあいこが1回ありました。8回目のゲームが終わった時点で2人の位置が同じだったとき、この残り3回のA君の手の出し方は全部で何通りありますか。
解説
(1)単純な計算問題
ルールに従ってA君、Bさんの上がる段数を数えましょう。
✊、✌️、✋で上る段数に違いがあることに注意すると、
A君は、
\(1+2+3=6\)
Bさんは、
\(3+3+2=8\)
上がったとわかります。
答え:
- A君 6段
- Bさん 8段
(2)①場合の数
あいこがない状態でA君が5回のじゃんけんで5段階段を上るには、大きく分けて次の3つがあります。
- A君が✊で2回、✋で1回勝つ
- A君が✊で1回、✌️で2回勝つ
- A君が✋で1回、✌️で1回勝つ
あとはそれぞれの場合においてどのような状況が考えられるかを数え出していきましょう。
今、5回のじゃんけんであいこがなかったことを踏まえると、A君の手が決まれば、必然的にBさんの手も決まることがわかります。
A君が✊で2回、✋で1回勝つ場合は、
1・2・5回目で勝利
A君が✊で1回、✌️で2回勝つ場合は、
1・3・4回目で勝利/3・4・5回目で勝利
A君が✋で1回、✌️で1回勝つ場合は、
2・3回目で勝利/2・4回目で勝利
となるので、全てを数えると5通りとわかります。
答え:5通り
(2)②場合の数
①できちんと数え出しができれば、比較的易しい問題です。
各場合において、Bさんが上がった段数を計算すると、A君が✋で1回、✌️で1回勝つ場合、即ち、Bさんが✋で2回、✊で1回勝つ場合が最多となるので、
\(3+3+1=7\)
より7段とわかります。
答え:7段
(3)かなり複雑な場合の数
この問題はかなり難しく、時間がかかります。一応解説しますが、本番で解くのは現実的ではないでしょう。(所謂、捨て問として飛ばしてしまっても構いません)
先ほどの結果から、A君とBさんには2段の差があります。これを残り3回のうち1回をあいこにしつつ、同じ段数にする必要があるので、実質的には2回の勝負を考えれば良いとわかります。
そこで、上記の条件に注意して状況を整理すると、
- A君が✊で2回勝ち、あいこが1回
A君; +2/Bさん; 0なのでともに7段目にいる状態 - A君が✋で1回、Bさんが✊で1回勝ち、あいこ1回
A君; +3/Bさん; +1なのでともに8段目にいる状態
の2つのパターンがあるとわかります。
それぞれの場合の数について具体的に✊・✌️・✋を当てはめてみると、
A君が✊で2回勝ち、あいこが1回なら、A君の手の出し方は、
✋・✊・✊/✊・✋・✊/✊・✊・✋
✌️・✊・✊/✊・✌️・✊/✊・✊・✌️
✊・✊・✊
A君が✋で1回、Bさんが✊で1回勝ち(Bさんが✊で勝つと言うことはその時のA君の手は✌️となる)、あいこ1回なら、A君の手の出し方は、
✌️・✋・✋/✋・✌️・✋/✋・✋・✌️
✋・✌️・✌️/✌️・✋・✌️/✌️・✌️・✋
✊・✌️・✋/✊・✋・✌️/✌️・✊・✋/✌️・✋・✊/✋・✊・✌️/✋・✌️・✊
となるので、全てを数えると、19通りとわかります。
答え:19通り
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