【場合の数】”並べる”と”選ぶ”の計算方法の違い

中学受験の算数で扱う単元の中で、「場合の数が苦手」という人は他の単元よりも割合として多いのではないでしょうか。

この単元は、”条件からありとあらゆる可能性を考え、実現性のあるものだけを数えていく”という内容のものになります。そのため、考えていく中で「数え漏れ」や「重複」などが生じた場合に、正解にたどり着きにくいという性質があります。答えが合いにくいからこそ、苦手だと思ってしまう人も多いのです。

計算では求められないような問題については書き出していくしかありませんが、いくつかの決まったパターンの問題に関しては、計算で考えられる方法があります。その代表例が、カードや人を「並べる」または「選ぶ」という問題です。

まずは、この「並べる」と「選ぶ」について計算方法の違いをしっかりと理解し、確実に得点できるようにしておきましょう。

”並べる”ときの計算の仕方

カードや人を並べるときの考え方は、例えば次のようになります。

上の問題のように、4人がかけっこをして1位と2位の並び方を考える場合は、4×3=12(通り)です。この式は、1位は4人から選び、2位は残りの3人から選ぶという意味です。もしこれが3位、4位まで考える場合には、残りが2人、残りが1人とだんだん減っていきます。

例えば、4人がかけっこをして1位から3位までの並び方を考える場合には、4×3×2=24(通り)となります。また、1位から4位までの並び方の場合も、4×3×2×1=24(通り)です。

5人がかけっこをして1位と2位の並び方を考える場合には、5×4=20(通り)になります。1位から3位までの並び方であれば、5×4×3=60(通り)、1位から4位までの並び方であれば、5×4×3×2=120(通り)です。

”選ぶ”ときの計算の仕方

”並べる”と”選ぶ”がどう違うかというと、”並べる”の場合は同じ組み合わせでも順番が違うものは別の物として考え、”選ぶ”の場合は同じ組み合わせは順番を変えても同じと考えます。

具体的な例を挙げると、次のようになります。

上の問題のように4人の中から2人を選ぶとき、「A、B」の順番で選んだものと「B、A」の順番で選んだものは「同じ組み合わせ」になります。”並べる”のときには、「A、B」も「B、A」も別の物として数えましたが、”選ぶ”のときにはそれは同じ1つの選び方になるのです。

同じようにして、「A、C」と「C、A」、「A、D」と「D、A」なども同じ選び方です。このように2人を選んだ場合の並び順が、2×1=2(通り)ずつ重複します。

4人から2人を選ぶ場合には、4×3÷(2×1)=6(通り)、5人から2人を選ぶ場合であれば、5×4÷(2×1)=10(通り)です。

この「並び替えできる分だけ重複する」という考え方がしっかりできていないと、「2人の時が÷2だから3人だと÷3になるのかな」という間違った認識をしやすいので注意しましょう。3人の時には、次のようになります。

上のように、3人の並び順を考えると、3×2×1=6(通り)あり、この6通りは全て「同じ組み合わせ」として考えます。並び順を考え、その中でこのように重複している分を1つとして考えるので、5人から3人を選ぶ場合には、5×4×3÷(3×2×1)=10(通り)となります。

もしこれが、6人から3人を選ぶ場合には、6×5×4÷(3×2×1)=20(通り)、7人から3人を選ぶ場合には、7×6×5÷(3×2×1)=35(通り)です。

同様にして、8人から4人を選ぶ問題であれば、8×7×6×5÷(4×3×2×1)=70(通り)です。実際に計算するときは、上の画像の中の式のように、分数の形にして約分してから計算するようにしましょう。

(番外編)たすの?かけるの?

場合の数を計算で考えていくとき、状況によって計算方法が変わってくるので混乱してしまうことがあります。子どもがよく混乱するのが、「たして考えるとき」と「かけて考えるとき」の違いです。

例えば次のような問題があったとします。

4人の男の子と3人の女の子がいるとして、もしこの中から学級委員を1人だけ選ぶのであれば、4+3=7(通り)です。これが、もし男女1人ずつ選ぶのであれば、男女の組み合わせは、4×3=12(通り)です。

男子4人と女子3人のどちらかしか選べない場合はたして考え、両方を同時に選ぶ場合にはかけて考えるという違いです。問題によってはこの違いが明確にわかりにくいために、どちらで計算すべきか悩んでしまうことがあるようです。

計算の意味をしっかり考えれば次第に違いがわかるようになります。ただ公式を暗記するだけでなく、式の持つ意味を考えながら計算するように心がけていくとよいですね。

 

(ライター:桂川)

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