家での勉強はどこがオススメ?子供に適した学習環境【中学受験】

 中学受験するにあたって、子どもが学習する場所というのはとても重要です。

ここで親が悩むこととは、「子どもに個室を与えて勉強させるべきなのかどうか」ということだと思います。

  • 集中させるためには個室を与えた方がいいのか?
  • 目の届くところで確認できていた方がいいのか?

 

ここでお勧めする「子どもが学習するのに適した場所」とは、ずばり「リビング」です!

リビングで学習するときの利点と注意点についてご説明いたします。

 

 

 自然な環境音が集中力を高める

一般的に学習には静かな環境が適していると思われているのですが、実は全くの無音ではなく、少し雑音が混ざっている方が集中できるということをご存知でしょうか。ここでいう雑音とは、環境音と呼ばれる程度のものを指します。皿洗いや少しの談話などのちょっとした雑音が、人が作業や勉強に集中するのにちょうどよい環境音となるのです。

 もちろん子どもが勉強している横で、例えばTVを大きな音量で見てしまうというようなことは避けてほしいです。「ちょっとした音」はよいのですが、「明らかに妨害するような音」はいけません。

そのため、子どもをリビングで勉強させるとなると、親のリビングでの自由はある程度制限されてしまいます。しかし、これもかわいい我が子の将来のためと思って協力してあげましょう

 

人の視線を感じると作業効率が上がる

さらにリビングで勉強する習慣をつけるもう一つの利点は、子どもがしっかりと勉強しているか確認できるという点です。

個室を与えてしまうと、見に行かない限りは居眠りをしていようがゲームをしていようがわからない、ある種の自由な空間となってしまいます。しかし、リビングで勉強するのが普通という風にしてしまえば、居眠りをしていれば起こしてあげることができますし、こっそりゲームをしようとすることはありません。

また、人は他人からの視線を気にして作業効率が上がることが多いです。「見られている」と意識したときに、あえてサボろうとは思わないでしょう。

以上の点が学習の場所が「リビング」であることをお勧めする理由です。

 

目の前にいても手助けはしない

 もし、リビングで子どもが勉強していて問題に行き詰まった時、一緒にいる親はどうすればいいのでしょうか?

  • 子どもに問題を教えてあげた方がいいのか?
  • 自分で考えさせた方がいいのか?

ここではあえて、子どもの手助けをせずに見守ってください。

かわいい我が子が困っている、するとどうしても手助けしてあげたくなってしまうのが親としては当然の心理だと思います。しかし、そこは心を鬼にして子どもを突き放しましょう。

 

なぜ突き放さなければいけないのでしょうか。それは、子どもに「常に答えが与えられる状況」を作ってほしくないからです。

受験までは、親、学校や塾の先生、周りの友だちなど、たくさんの人と関わりあって子どもが勉強できているのはもちろんのことです。しかし、受験当日、子どもは誰の手も借りず、受験生としてたった1人で問題を解かなければいけないのです。

そこで必要なのは明らかに「1人で問題を解く力」です。

 受験には簡単な問題もあればとても難しい問題もあります。それらを判断するのも、制限時間内に解かなければならないのも、受験生自身です。

 

困ったときに助けてくれる人はその場にはいません。そんな状況で「1人で解く力」を発揮できるようになるためにも、日常から1人で考える習慣をつけなくてはいけないのです。

 

1人で解決できる力を身につけさせる

もちろん、分からないことをうやむやにしていいということではありません。分からない問題は必ず解決しなければいけません。

そのために、「まずは自分で調べる」というのが最も学習効果が高いです。

「この問題はどういう分野でどの問題の類題なのか?」などを自分で考えて、教科書を見て解き方や知識を調べることによって、今までに学んだことの復習にもなります。

さらには今までに見逃していたポイントなどに新たに気づくことすらあるのです。

 

さらに重要なことを付け加えると、この「分かった」という段階で終えるのではなく、「出来る」の段階に持って行くことが正しい学習だと言えます。

「”分かる”と”出来る”は別物」とはよく言ったもので、分かったつもりになっていても出来ないことが実は多々あるのです。”分かった”と思った問題を、次の日にもう1度やらせてみて出来るか確認してみる。ただそれだけのことで成績はかなり飛躍します。

 

「分からない→考える→分からない→調べる→分かる→出来る」 

このサイクルを繰り返すことによって、問題を見た時にどの分野のどういう問題なのか、その問題で自分の間違えやすいところはどこなのか、などがすぐに引き出せるようになります。

さらに、出来る問題が増えることによって勉強意欲も高まり、さらなる相乗効果が生まれることが期待できます。

 

その第一歩として、下記のことを徹底してほしいと思います。

  •  子どもが目の前で困っていても、答えや解き方そのものは教えない。
  • 自分で解決するための方法(教科書を調べるなど)を教える。

 

遊びと勉強のメリハリをつけさせる

一緒の空間にいて勉強させるというのは、決して「受験だから遊んではダメ!」というように監視するということではありません。気分転換や休憩を挟まなければ、勉強の作業効率は下がっていってしまいます。遊ぶときは遊ぶ、学習するときは学習する、その指針として親がサポートするというイメージがいいと思います。

  • 1時間勉強したら10分休憩する
  • 6時から9時までは勉強をして9時以降は自由時間

など、親子で相談しながら、その子に合ったメリハリのつけ方を見つけてあげましょう。もし、そのメリハリがきちんとつけられていないなら厳しく叱るなど、メリハリを習慣化することによってそれが当然になり、遊びと勉強を両立できる時間を子ども自身が確保できるようになります。

 

小学生でもスマホやPCを触れるのは当たり前のこのご時世、ちょっとしたことから大事件に発展することもありえます。インターネットやアプリゲームなどは普段はロックをかけるなどして気をつけましょう。しかし、それらを完全に禁止すると友達の話について行けなくなってしまうことも考えられます。親から見て安全な使い方を確保したうえで、使う時間を決めてその間は自由にさせてあげるというのが、子どもにとっても、子どもを心配している親にとってもベストな方法ではないでしょうか。

 

(ライター:原 編集:桂川)

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