日本史を楽しく復習しよう!人類の誕生と進化について[猿人・原人・旧人/更新世・完新世]

はじめに

みなさん、こんにちは。

今回から日本史を学んでいくわけですがやはり最初が一番肝心です。

最初に「日本史がおもしろい」とか「もっと学んでみたい」と思わなければ、そこから日本史を学んでいくのはきっとおっくうですからね。

人類の歴史もきっとそう、歴史のどこかで人類が「もう生きるのがめんどうくさい」とか「もうやってらんない」とか考えて人類が滅亡していたら今の私たちはいないわけですし、そもそも人類が誕生していなければ私たちの存在は絶対にありえなかったわけですからね。

そんなわけで、まずは人類がいつどこで誕生して、そしてどうやって日本へ人類がやってきたのかということを考えてみたいと思います。

人の進化

人類はいつ・どこで生まれたの??

人類が誕生したのは今から500万年ぐらい前と言われています。数字が大きすぎてあまり実感わきませんよね。

ちなみに地球が誕生したのは、だいたい4億年前と言われています。そう考えると人類の歴史というのはかなり浅いのだなということがわかります。

人類が誕生したころは諸説ありますが地質学でいうと、新生代の更新世(洪積世)の初めころと言われています。新生代だとか鮮新世(洪積世)だとか、わかりづらいですよね。

ちょっと下の図1を見てください。

図1. 地質・生物対照年代表『いっきに学び直す日本史』(東洋経済新報)より引用。

地質年代とは、地球の46億年間を地層の重なりを基に分類した年代で、始生代→原生代→古生代→中生代→新生代と区分されます。

さらに新生代は、今から約1万年余りを境に大きく更新世(洪積世)と完新世(沖積世)に分かれます。その中で人類は新生代の更新世(洪積世)に誕生したということですね。

人類が誕生したころの地球はどのような状態だったかといいますと、更新世は別名「氷河時代」ともいわれており、その名のごとく、世の中はとても寒く広範囲にわたって氷河が広がっている状況でした。

そのような中で現在の東アフリカの地に、初めての人類が誕生しました。それがアウストラロピテクスに代表される猿人と呼ばれる人類です。

彼らは直立二足歩行をして、石器などの道具を使って狩猟や漁労生活を送っていたそうです。

そもそもみなさん、人間が他の動物と違ってすごいところがどんなところか知っていますか。それは、大きな脳を持っていることです。

大きな脳を持つことで言葉を覚えることができたり、複雑な思考をすることができたり、哲学することができたりと、脳の発達が高度なコミュニケーションの実現や高度な文化や文明を築くことを可能にしました。

そして人間が大きな脳を獲得することができるようになったのは、ひとえに人類が直立二足歩行をできるようになったからだといわれています。

直立二足歩行をすることによって四足歩行ではバランスが悪く支えることが困難であった頭を、安定して支えることが可能になるのです。

そして直立二足歩行ができて脳が発達したことが、手先の器用さももたらし道具を作ってその道具を使って狩猟をしたり調理をしたりすることができるようになりました。

私たちは直立二足歩行が当たり前にできることに感謝しなければいけませんね。猿人さんありがとう。

人類の進化

さて猿人はその後、少しずつ進化していきながら今の私たちのような人間(現生人類)になっていきました。下の図2を見てください。

図2. 人類の進化と地質年代『詳説 日本史』(山川出版社)より引用。

猿人のあと、50万年ほど前にジャワで発見されたジャワ原人や、中国北京郊外の周口店で発見された北京原人があらわれました。

かれらは石製の握斧(ハンドアックス)をつくったり、狩猟を行ったり、また北京原人は火を使うことも行ったりしていたことが知られています。

また、北京原人は言語も多少話すことができたのではないかとも考えられています。だんだん今の人類に近づいている感じがありますね。

さらに、原人のあとに、ヨーロッパや北アフリカでネアンデルタール人が現れました。かれらは旧人ともいわれていて、かれらは原人までの人類と違って機能に応じた形の石器をつくれるようになり、死んだ人を埋葬する文化があったことも知られています。

より脳が高度で複雑な思考をできるようになり、さらにだんだんと宗教的な観念を持ち始めていたことがわかります。もうここまできたらほぼ今の人類と変わりませんね。

ちなみにここまでにあげた、猿人・原人・旧人はもうすでに絶滅してしまっていて、「原生人類」とも呼ばれています。

そしていよいよ最後にクロマニョン人などに代表される新人が誕生するのです。かれらは現在の私たちとほとんど変わったところはありません。

かれらは、猿人・原人・旧人が「原生人類」と呼ばれるのに対して、「現生人類」と呼ばれています。読み方は一緒ですけどね。

ちなみにクロマニョン人は集団的に狩猟生活を営んでいて、共同生活を行うために集落が形成されていたことが知られています。

人類はいつ・どうやって日本にやってきたの??

まず日本に人類がいたことを証明するための手掛かりとなるのが、人骨の化石(化石人骨)の発見です。

基本的に人間の歴史というのは文字や伝承によって伝えられます。

みなさんが学んでいる、日本史とか世界史とかも、なぜそんなに昔のことがわかるのかといえば、それは文字による史料が残っているからです。その史料を読み解くことで昔の歴史を知ることができるのです。

しかし、人類が誕生したころとか人類が日本にやってきたころの文字史料は今のところ見つかっておりません。

それはまだその時代に紙や筆というものがないからです。そういったわけで、この時代を知るてがかりとなるのは、人骨の化石とか遺跡とかになるわけです。

そうして調べてみると、現在までに日本で発見された化石人骨はすべて新人段階のものとなっております。

すなわち、今のところ人類が新人に進化を遂げたあとに、日本に人類がやってきたのだろうということが推測されます。

日本列島の中でいくつか新人段階の人骨化石が見つかっているので、それぞれ見つかった場所とその人骨の名前を憶えておきましょう。

まず静岡県の浜北市で見つかった浜北人。次に沖縄県の八重瀬町の港川でみつかった港川人。同じく沖縄県の那覇市山下町でみつかった山下町洞人。

そして、一時は「原人段階の化石だ」と世を驚かせていたものの後に、「新人段階の化石である」と断定されてしまった悲しげな、兵庫県明石市で発見された明石人などがいます。

さて、かれらはどうして日本にやってきたのでしょうか。もちろん何か目的があるはずです。

みんなだって海外に行くってなったら、有名な観光地に行きたい!とかアメリカンドリームつかみたい!とか、おいしいものを食べたい!とか、自分を探しに行きたい!とか、何かしらの目的をもっていきますよね。

それと同じで、かれらにも目的があったのです。

その目的は何かというと、「食べものを死に物狂いで獲得する」ことです。

今の食べ物が世の中に有り余っていて、町を歩けば世界中のおいしい料理が食べられる私たちにはとても想像できないことだとは思いますが、当時の人たちは生きることに必死。

そして生きるために食べていたものは、動物です。その動物がいなくなってしまったら自分たちは生きていくことができなくなってしまうのです。

そんな中でその当時の人類が食物にしていた大型の動物たちが日本列島に逃げ込んできました。北方からはマンモスやヘラジカが、南方からはナウマンゾウオオツノジカが日本列島の外からにやってきました。

えっ、なんで島国である日本列島に大型動物が逃げてこられるのかって?

それはこの時代の日本列島が、今のロシア・中国・朝鮮半島と陸続きになっていたからです。当時は氷河時代でしたからね。

氷河時代というのは寒冷な氷期と一時的に温暖になる間氷期を繰り返していくのですが、氷期の時にマンモス・ヘラジカ・ナウマンゾウオオツノジカといった大型動物を追いかけてきた人がそのままの流れで日本に入ってきたのですね。

そしてやがて最後の氷期を終えると、海面が上昇し始め、最終的に現在のロシア・中国・朝鮮半島といった大陸から切り離されて、現在のような日本列島が成立したのです。

ちなみに、最後の氷期が終わった今からおよそ1万年ほど前の時代から今にかけての時代を「完新世」というのですよ。だから私たちも完新世に生きているわけですね。

というわけで、大陸から切り離されて四方を海に囲まれてしまって戻ることのできなくなった、日本にやってきちゃった人たちは、ここから仕方なく?日本列島に住み着くようになるのです。

ここから日本の歴史のはじまり、はじまりー。

日本人はどうやって誕生したの??

さて、日本で発見された化石人骨にはそれぞれ共通する特徴がありました。それは、顔の横幅が広く、身長も低いという特徴です。

身長はだいたい男性で150cm前後だそうです。イメージで言ったら爆笑問題の田中さんのような感じですかね。(すみません)

これは中国南部で発見された柳江人などと共通する特徴であるらしく、この特徴は縄文人にも受け継がれているそうです。

そこで日本人の祖先はアジア大陸の南部からやってきた南方モンゴロイド系(古モンゴロイド系)の人たちなのではないかと考えられています。これを南方起源説といいます。

そして南方モンゴロイド系(古モンゴロイド系)の人たちがそのまま住み着いて縄文時代を生き抜き、その後弥生時代に、今度は北のほうからやってきた北方モンゴロイド(新モンゴロイド)の人たちがたくさん渡来してきて、それまでの古モンゴロイドと新しくやってきた新モンゴロイドとの混血が繰り返され、現在の日本人が形成されました。

もしこの混血がなかったら私たちはどんな身体的な特徴をもって生まれていたのでしょうね。現在の「日本人」の顔や身体の特徴が生まれ、「日本人」が誕生したのはまさに縄文・弥生時代を経てだったのですね。

ちなみに今でも、北海道に住むアイヌの人たちや沖縄などの南西諸島に住む人たちは、より強く古モンゴロイドの影響を受け継いでいるといわれています。

そう考えると、原初以来の「日本人」といったら、アイヌ人や沖縄の人と考えることもできるのかもしれませんね。

まとめ

そんなわけで、「日本」が誕生し、そして「日本人」が誕生し、ここから日本の歴史が動いていくわけでございます。

次回は、日本人がまだ農業を知らない時代、旧石器時代と縄文時代についてみていきます。

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