この記事では「消去算」の解き方を解説していきます。問題を一緒に考えながら、基本の解き方を学んでいきましょう。
Contents
消去算とは
消去算とはいくつかの分からない数を、式を操作することで、その数を求める問題です。
これでは分かりにくいと思うので例題を出してみます。
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りんごを3個、みかんを5個買うと490円になります。また、りんごを4個、みかんを3個買うと470円になります。りんごとみかんはそれぞれ何円でしょう。
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りんごを6個、みかんを5個買うと720円になりました。りんごはみかんよりも10円高いとすると、りんごとみかんはそれぞれ1個何円でしょう。
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りんごを4個、みかんを1個、レモンを2個買うと560円になりました。りんごを1個、みかんを4個、レモンを3個買うと440円になりました。りんご3個とレモン1個を買うと何円になるでしょう。
なんとなくどんな問題かイメージできましたか?これが消去算の基本形です。それではさっそく問題を解いてみましょう。
消去算の解き方
基本的な問題(問題☆、問題①)
先ほど例であげた問題①を解く前に、次の問題を考えてみましょう。
(問題☆)レモンを3個、アボカドを4個買うと640円になります。レモンを3個、アボカドを3個買うと540円になります。レモンとアボカドはそれぞれ何円でしょう。
これを図にまとめると以下のようになります。
上と下を比べることで、アボカド1個の値段は\(640-540=100\)円だとすぐ分かりますね。
アボカドの値段が分かれば、後はレモンとアボカドの合計金額からアボカドの値段を引いて、レモンの個数で割ればレモンの値段は分かります。(図を見るとわかりやすいです)
これを解くと、レモンは\((640-100\times4)\div3=80\)(円)となります。
問題☆がわかった上で、問題①を考えていきましょう。
(問題①)りんごを3個、みかんを5個買うと490円になります。また、りんごを4個、みかんを3個買うと470円になります。りんごとみかんはそれぞれ何円でしょう。
まずは図でまとめてみます。
問題☆はレモンの数が同じだったため、単純に2つの金額の差をとることでアボカドの値段が求められました。
しかし、今回は図の上と下でりんごの数とみかんの数が両方異なるため、問題☆のように単純に差を取って求めることはできません。では、どうすれば求められるでしょうか?
「どちらかの個数が揃っていれば求められる」ということは「どちらかの個数を揃える」ということをすれば、両方個数が異なっていても求められるということです。
実際に問題①を解いて見てみましょう。「どちらかの個数を揃える」ためには、何をすれば良いでしょうか?
正解は、上と下(2つの組み合わせ)をそれぞれ何倍かして、どちらかの個数を合わせる、です。最小公倍数の考え方ですね。
今回はりんごの方が少ないので、りんごの個数を合わせていきます。
りんごは\(3\)個と\(4\)個なので、\(3\)と\(4\)の最小公倍数である\(12\)個にします。\(3\)個の方(上)には\(\times4\)、\(4\)個の方(下)には\(\times3\)します。合計金額も忘れずに変えましょう。
すると、りんごの数は両方とも\(12\)個、みかんの個数は上の方が\(5\times4=20\)(個)で、下の方が\(3\times3=9\)(個)になります。
みかんの個数の差は\(11\)個で、金額の差は\(1960-1410=550\)(円)です。ということは、みかん\(\times11=550\)(円)なので、みかん1個の値段は\(550\div11=50\)(円)と求まります。
みかんの値段がわかったら問題文のままの式に当てはめましょう。(かけ算した後の式でももちろん大丈夫ですが、数が大きくなってしまうので前の方がおすすめです)
ここでは、りんご\(\times3+\)みかん\(\times5=490\)(円)の式に当てはめて、りんご1個の値段は\((490-50\times5)\div3=80\)(円)だとわかります。
この問題はみかんの個数を合わせることでも解けるので、是非自分でやってみましょう。個数を合わせるときは\(3\)と\(5\)の最小公倍数で合わせます。
少し変わった問題(問題②)
次に、少し変わった消去算の問題を解いてみましょう。
(問題②)りんごを6個、みかんを5個買うと720円になりました。りんごはみかんよりも10円高いとすると、りんごとみかんはそれぞれ1個何円でしょう。
まずは図にまとめてみましょう。
ここまで見てきたように、消去算で大切なことは、2種類のもののうち片方の数を揃えて、もう片方だけにすることです。
先ほどの問題では最小公倍数で揃えましたが、今回の問題ではどうすれば良いでしょうか?
この問題では2つ目の式が特徴的ですね。りんごはみかんで、みかんはりんごで表せるので、置き換えるのが良さそうです。
みかん\(1\)個をりんごに置き換えると、合計金額は\(10\)円増えます(みかん\(=\)りんご\(-10\)円)。なので、みかんを\(5\)個ともりんごに置き換えると、合計金額は\(720+10\times5=770\)(円)になります。
よって、りんご\(\times11=770\)(円)なので、りんご\(1\)個は\(770\div11=70\)(円)だと求まります。みかん=りんご\(-10\)円なので、みかん\(1\)個は\(70-10=60\)(円)です。
今回はみかんをりんごに置き換えましたが、りんごをみかんに置き換えても解けるので是非やってみましょう。
消去算の解き方 まとめ
ここまで見てきた消去算の解き方をまとめておきます。簡単な問題でも、難しい問題でも、この3ステップが大切です。
- 図を書いて状況を把握する
→書くときは自分がわかればOK! - 2種類のもののうち片方を消去して片方だけにする
→最小公倍数で揃えたり、どちらかで置き換えたりしましたね! - 個々の値を計算する
→問題文をもう一度見て、何を問われているのか確認しましょう!
消去算の応用
最後に、応用問題をご紹介します。気になる方はぜひ解いてみてください。
(応用問題)りんごを4個、みかんを1個、レモンを買うと560円になりました。りんごを1個、みかんを4個、レモンを3個買うと440円になりました。りんご3個とレモン1個を買うと何円になるでしょうか。
応用でも解き方はこれまでと同じです。1つずつ確認していきましょう。
①図を書いて状況を把握する
とりあえず図を書いてみましょう。
②2種類のもののうち片方を消去して片方だけにする
今回は3種類ですが、やることは2種類の時と大して変わりません。聞かれているのはりんごとレモンなので、みかんを消去することでりんごとレモンだけにしましょう。
みかんは上が\(1\)個、下が\(4\)個なので、問題①のように最小公倍数で合わせれば良さそうです。上の方を\(4\)倍しましょう。
すると、上の方は「りんご\(16\)個、みかん\(4\)個、レモン\(8\)個」になるので、下との差はりんごが\(15\)個、レモンが\(5\)個だとわかります。
金額の差は\(2240-440=1800\)(円)なので、りんご\(\times15+\)レモン\(\times5=1800\)(円)です。みかんを消すことができましたね。
③個々の値を計算する
この問題では\(1\)つずつの値段ではなく、「りんご\(3\)個とレモン\(1\)個の値段」を求めたいのでした。これは先ほどの「りんご\(\times15+\)レモン\(\times5=1800\)(円)」の式の全体を\(5\)で割れば求められます。計算すると、\(1800\div5=360\)(円)です。
問われているのが1つずつの値段ではないとき、問われている式が出るかもと考えるのも良いかもしれません。(今回の場合は「りんご\(\times3+\)レモン\(\times1=\)?」が出るのかな?と考えます)
別解
全体の個数を見た面白い別解もあります。
上下を足すと、りんご、みかん、レモンのすべての個数が\(5\)個になります。つまり、りんご\(5\)個、みかん\(5\)個、レモン\(5\)個の値段が\(560+440=1000\)(円)だと求まります。(りんご\(\times5+\)みかん\(\times5+\)レモン\(\times5=1000\))
これを\(5\)で割ることで(りんご\(1\)個\(+\)みかん\(1\)個\(+\)レモン\(1\)個)の値段は\(200\)円だと求まります。
あとは、上の方の式(りんご\(\times4+\)みかん\(\times1+\)レモン\(\times2=560\))を使って求めます。つまり、(りんご\(1\)個\(+\)みかん\(1\)個\(+\)レモン\(1\)個)を引いてあげれば、りんご\(3\)個とレモン\(1\)個の値段がわかるというわけです。これを解くと、\(560-200=360\)(円)です。
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まとめ
消去算で大切なのは、ものの種類を減らしたいという考え方です。
慣れてきたら「これに揃えれば計算が少なくてすむな」「この問題工夫して解けそう!」などと考えられるといいですが、まずは面倒くさい解き方でも答えを出してみましょう。
解答と違ったら解き方を真似してみればいいですし、同じだったら違う解き方でも解いてみると勉強になります。
消去算は色々な問題に使える考え方なので、ぜひマスターしましょう。この記事が少しでも参考になったら嬉しいです。