英語の文において、「動詞」は重要な役割を果たします。
ですが、1つの動詞に複数の意味や、複数の使い方があり、混乱してしまう人もいるのではないでしょうか。
今回は、そんな動詞の役割に焦点を置き、「自動詞」「他動詞」の分類や「主語によって動詞が変形する」ということ、そして「文型」も一緒に理解していきましょう。
Contents
「動詞」について
同じ意味、違う動詞
動詞を理解する上での最初のキーポイントは、《同じ意味だけど、違う動詞を使う》という点です。
例えば、「話し合う」という日本語を英語に置き換えたいとき、「talk about」「discuss」などのように英語には複数の表現方法があります。
他にも「パリに到着する」という日本語を英語に置き換えると、「get to Paris」「arrive in Paris」「reach Paris」のように複数の表現があるのです。
同じ動詞、違う使い方
2つ目のキーポイントとして《同じ動詞だけど、使い方は複数ある》という点が挙げられます。
例えば、「get」という1つの単語には複数の意味があります。
大抵は「得る」と訳されることが多いのですが、文中に「get」が登場したからといって、なんでもかんでも「得る」と訳すと変な意味の文章になってしまうことがあります。
下記の例文を見てください。全て「get」という動詞を使っていますが、日本語訳を見るとそれぞれ意味が異なっていますね。
- He got a new car. (彼は新しい車を得た)
- He got angry.(彼は起こった)
- He got his son ready.(彼は息子に用意させた)
- He got to Tokyo.(彼は東京に着いた)
似ている意味の動詞、違う使い方
最後に《似ている意味の動詞だけど、使い方は違う》という点を紹介します。
「残っている」という日本語を例に見ていきましょう。
- 2人の生徒が教室に残っている⇨Two students remain in the classroom.
- 君の仕事は残っている⇨You leave you job unfinished.
赤字のremainとleaveはどちらも「残っている」という意味ですが、使い分けが必要になります。
- remainは主語に「残っている人・物」を持ってきます。
- leaveは主語に「何かを残す側」を持ってきます。
日本語では同じ意味でも、英語で同じ言い回しができるとは限らないので注意をしましょう。
「自動詞」と「他動詞」
次に2種類の動詞、「自動詞」と「他動詞」について説明します。
- She moved. (彼女は動いた)
- She moved the chair.(彼女は椅子を動かした)
(a)の例文では、主語(she)が「動いた」という状態を説明しています。主語と動詞の組み合わせだけで意味を成しているので、この場合の動詞を自動詞と呼びます。
一方で(b)では「机を動かした」というように、動詞の後ろに「机」という目的語が続いています。このように動詞の働きを受ける名詞を後に続けることで意味を表す動詞を、他動詞と呼びます。
ここでもう1つ確認したいポイントは、動詞の形です。
この文章では過去の話をしているので、「動く」の動詞の原形「move」を過去形にして「moved」になっています。もしこれが現在ならば「she」は3人称単数なので「moves」となります。このように動詞は時や主語によって形を変えます。
したがって、主語の人称と単数か複数かをよく見ること、そして過去の話なのかどうかを見ることが大切になります。
下の表1を見て分かるように、3人称単数は赤字の「He, She, It」になります。
[表1 人称]
単数 | 複数 | |
1人称 | I | We |
2人称 | You | You |
3人称 | He, She, It | They |
文型
では、次は文型を見ていきましょう。
文型では、
- 主語(S)
- (述語)動詞(V)
- 目的語(O)
- 補語(C)
の4つの要素が重要になってきます。この4つの要素を組み合わせて、第1〜5文型を作ることが可能です。
第1文型; 主語(S)+ 動詞(V)
- (例)She smiled. (彼女は微笑んだ)
第2文型; 主語(S)+ 動詞(V)+ 補語(C)
- (例)This book was interesting. (この本は面白かった)
このinterestingは主語の「This book(この本)」がどうだったのか説明をしています。このように動詞の後ろに続き、主語を説明する語を補語といいます。補語として使えるものは、形容詞か名詞です。
第2文型では、表2が示すように、主に4種類の動詞が使われます。
[表2 第2文型の動詞 ]
「〜である、〜のままである」 | be, keep, lie, remain, stay |
「〜になる」 | become, get, grow |
「〜の感じがする」 | feel, smell, look, sound |
「〜に思われる」 | seem, appear |
第3文型; 主語(S)+ 動詞(V)+ 目的語(O)
- (例)We ate apples.(私たちはりんごを食べた)
上記の例文で、もし「We ate. (私たちは食べた)」だけであったら、「何を?」と疑問に思うでしょう。動詞のあとに「apples」と名詞を持ってくることで、「私たちはりんごを食べた」と文が成り立っています。
このようにSVのあとに名詞、つまりは目的語を持ってくることで第3文型となります。
ここで注意すべき点は、主語と目的語が同一人物で、動詞を表す動作がその人に向けられているときには、目的語に再帰代名詞を持ってくるという点です。
- (例)We enjoyed ourselves at the party. (私たちはパーティーを楽しんだ)
このenjoyという動詞は、私たち自身に向けられているため、ここではourselvesという再帰代名詞(-self/-selvesがつく代名詞のこと)を使っています。
第4文型; 主語(S)+ 動詞(V)+ 目的語(O)+ 目的語(O)
- (例)My mother bought me a present.(私の母は私にプレゼントを買った)
2つの目的語が続くと、何かが誰かのところへ移動することを表しています。上記の例文では、「me」「a present」の2つの目的語が続いていて、プレゼントが私のところに移動することを表しています。最初の目的語は「人」で、2番目の目的語に「物」という順番になります。
しかし、この順序を変えて、似たような意味の英文に書き換えることも可能です。
- (例)My mother bought a present for me. (私の母は私にプレゼントを買った)
上記の例文では、目的語が2つありますが、最初の目的語は「物」で、2番目の目的語は「人」というように、順番が(例1)と異なっています。
(例1)と(例2)の違いを下の表3にまとめました。
[表3 SVOOとSVO+to/for/of〜の違い]
(例1) | SVOO | 母が私にくれたのは何なのか |
(例2) | SVO+to/for/of〜 | 母がプレゼントをあげたのは誰なのか |
何を強調したいかで、(例1)と(例2)の文を使い分けることができます。もし「プレゼントをくれたこと」を強調したいのであれば、「SVOO」の形を用い、「私にくれたこと」を強調したいのであれば「SVO+to/for/of〜」の形を用います。
では、この前置詞のtoとforはどのように使い分けるべきでしょうか。(前置詞ofを用いるのは”ask“のみ!)
下の表4のように、give型の動詞を用いるときは「to」を、buy型の動詞を用いるときは「for」を使います。
[表4 give 型とbuy型]
to | give型 | 「相手の元に何かを届ける」 | lend, show, offer, sell, send, teach |
for | buy型 | 「相手のために何かする」 | find, leave, play, cook, made, get |
第5文型; 主語(S)+ 動詞(V)+ 目的語(O)+ 補語(C)
- (例)This news made me sad. (このニュースは私を悲しませた)
目的語の後に、その目的語を説明する補語が続いています。上記の例文だと、目的語の「me」がどういう状態なのかを、補語の「sad」が詳しく説明しているのです。補語になるのでは形容詞か名詞なので、SVの後は〈名詞(O)+形容詞/名詞(C)〉という形になります。
第5文型で用いられる動詞は、下の表5のように分類されます。
[表5 第5文型の動詞]
make型 | OをCにする | get, keep, leave |
call型 | OをCと呼ぶ | elect, name |
think型 | OをCと考える | believe, find, consider |
There + be動詞の構文
最後に《There + be動詞》の文を紹介します。この文は、何かの存在を伝えたいときに使う表現です。
- (例)There is a dog under the tree.(木の下に犬がいます)
「犬」の存在を伝えたいので、〈There is +名詞〉の名詞部分に「a dog」を当てはめます。 この名詞が単数か複数かでbe動詞が「is」「are」のどちらかに変化します。
演習問題
coming soon…
最後に
動詞が持つ重要な役割は理解できましたか?
1つの日本語に対応する英単語は1つとは限りません。数多く存在し、使い分けが必要になります。
1つの英語の動詞に対しても、様々な違う使い方や意味があるので気をつけて覚えていきましょう。
また、主語(S)・動詞(V)・目的語(O)+補語(C)を組み合わせて作る第1〜5文型も、しっかり語順を覚えることが大切です。
文型をしっかり頭に叩き込んでしまえば、この後の英語学習もすらすら進めることができますよ!
続きは、こちらから。
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参考
- 石黒昭博, 2016, 「総合英語Forest」桐原書店
- Grammar | Learn English | EnglishClub
上智大学総合人間科学部社会学科の片倉優花です。
私は中高をドイツで過ごし、高校はインターナショナルスクールに通っていました。ドイツ語も英語も身につけないといけなくて語学習得に苦労したのですが、その経験を生かして、主に「英語」をみなさんに楽しく分かりやすく習得してもらえるような記事を書いていきます。現在は弓道サークルに所属していて、中高はバスケ部でした。他にも水泳やクラシックバレエなども過去に習っていて、体を動かすことが好きです。趣味は、読書、旅行、写真撮ること、食べることです。ドイツに住んでいた時に、ヨーロッパ中を旅行しました。お気に入りの場所は、イタリアのベネチア、フランスのモンサンミッシェル、トルコのイスタンブール、ドバイです。60ヶ国制覇を目指しています!英語だけでなく、モチベーションや勉強法なども書いていけたらなと思っています。
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