「中学受験はしたい、でも習い事も続けたい・・・」
今まで続けてきたことを辞めるのに、なかなか決心がつかないということは十分に考えられます。親の目線から見ても、幼少期から習わせているものであれば尚更、上達もしているのに辞めてしまうのが勿体ないと思う方も多いでしょう。
小学生が受験と両てんびんにかけて悩む習い事には次のようなものがあります。
- 野球、サッカー、バスケなどのチームプレイをするスポーツ
- 水泳、空手などの個人でもできるスポーツ
- ピアノ、バイオリンなどの楽器
- 書道、そろばん、英語(英会話)などの学習に役立つもの
辞めるべきか続けるべきか・・・こちらの記事を読んで参考にしてみてはいかがでしょうか。
集団練習が必要なものは要注意
野球、サッカー、バスケなどのチームプレイのスポーツや、楽器でもオーケストラ形式のものは要注意です。集団練習と受験勉強は、両立は難しいものと思ってください。
これらに参加していて中学受験を目指す場合には、遅くとも小学校6年生に上がる前には「一旦辞める、もしくは参加回数を大幅に減らすことを表明」しておきましょう。
チームのメインメンバーとして数えられてしまっていると、練習を休むことが難しく、受験勉強を優先しにくくなります。完全に辞めるとまではいかなくとも、「気分転換としてたまに参加させてもらう」程度にできないかどうか、早めに相談しておくとよいです。
小5の2月以降は受験学年扱いとなるため、多くの受験塾で通塾日数や課題量が増えます。志望校対策なども始まると、さらに時間と費用がかかることになります。試合と模試の日程が重なることもあるでしょう。
実際、難関校を目指す受験生は、6年生になったら習い事を整理して受験勉強に本腰を入れる人が大多数です。
チームに義理立てをして練習を休まず参加していれば、他の受験生より圧倒的に勉強時間が足りなくなるのは目に見えています。勉強を優先して練習を休めば、チームに迷惑がかかります。
勉強時間を確保するため、チームに迷惑をかけないためにも、早めに相談をしておくべきです。
また、中学生以降も今のチームで続けていくつもりなのかどうかも併せて考えておきましょう。入学した中学校に部活があれば、部活に入って続けることもできるはずです。
個人で習うものは目標を定めて
個人競技のスポーツや、学習関連などの個人で習うものは、ある程度自分のペースで調整が可能と思われます。ただし、1対1で指導を受けているような場合であれば指導する先生の都合もあるため、調整の必要が出た場合には速やかに相談したほうがよいでしょう。
個人で習うものの場合、そもそもどこまで続けたいのかを明確にしておく必要もあります。
- 「〇級に合格するまで続ける」
- 「△△ができるようになるまで続ける」
- 「◇歳になるまでは続ける」
など、決まった目標があれば、どのタイミングで辞めるかを悩むこともないでしょう。受験勉強の間は習い事を一旦お休みして、受験が終わってから再開することも難しくないはずです。
両立を頑張るべき人もいる
習い事が人よりも秀でて評価されているような場合、もしかしたらその道に進むことを視野に入れている人もいるかもしれません。例えばピアノを本格的にやりたい人であれば、何か月もピアノを弾けない環境など苦痛でしかないでしょう。
高校受験ほどメジャーではないにしろ、中学受験でも「スポーツ推薦」に近い制度を取っている私立中学はあります。所属しているクラブチームやコーチを通じて、推薦を受けられることがあります。また、中学受験におけるAO入試も徐々に広がってきているため、勉強だけでなく様々な分野でチャンスを広げられることも可能性としては考えられます。
上記のような状況に当てはまる人は、「習い事は頑張る、けれど勉強も頑張る」という姿勢が必要となります。
それは両方頑張らなければだめなのか?その答えは、子どもの未来を考えれば、「もちろん当然」です。
もし推薦で入学できたとしても、授業についていけなかったり、思わぬ怪我に遭ってしまったらどうなるかを考えてみてください。せっかく入れた学校なのに、居心地の悪い状況になりかねません。
習い事だけに集中するのではなく、勉強との両立をするのは、様々な可能性を残すためです。
小学校卒業から中学生くらいの段階で、一生を決めてしまえることなどありえません。精神的にも肉体的にも、成長の途中段階です。現在が周りより優れていたとしても、これから先の未来で周りに追い抜かれる可能性もあると考えておいたほうがよいでしょう。もちろん、その逆も然りです。
何を軸にするのかは人それぞれ
ここまでで記述したように、人はそれぞれの状況によって選択肢があります。
中学受験と習い事の両立を悩むのであれば、以下の質問に「はい」「いいえ」でお考えください。
- 今している習い事は我が子にとって趣味にとどまらないほどの価値がある。→はい/いいえ
- 我が子の成績状況と志望校設定は、受験勉強に専念しなくても合格する可能性が高い。→はい/いいえ
上記2つの質問に対して、2つとも「はい」と答えるのであれば、両立させても問題ありません。
どちらか1つが「はい」であれば、気分転換程度に習い事を続けるか、志望校の変更を検討するなど相談しましょう。
両方ともが「いいえ」であれば、迷うことなく受験勉強に専念させてあげるべきでしょう。
(ライター:桂川)
<関連記事>