古代(特に、邪馬台国やヤマト政権の誕生する前)を理解する際に有効なのが、日本各地で発見された遺跡です。そこには、当時の人々の生活様式(住居や食生活、土器など)をはじめ、様々な生活の痕跡が残されています。
古代は、歴史で一番最初に勉強するところなので、忘れられやすいところです。ですが、先述した人々の生活様式や、地理と絡めていきなり聞かれることのある時代でもあります。古代の知識、忘れていませんか?今回は、遺跡を中心に、忘れられがちな古代の理解についてまとめていきます。
代表的な遺跡を時代ごとにまとめてみましょう。
Contents
旧石器時代の遺跡
港川遺跡
沖縄県具志頭(ぐしかみ)で発見された、新人(15万年前くらいのヒトの祖先)の人骨が有名です。沖縄は、地層に多くの石灰岩を含むため、人骨がきれいな形で残りやすいという地理的特徴があります。ぜひ覚えておきましょう。
浜北遺跡
静岡県浜北で発見された、新人の人骨(一部)が有名な遺跡です。
岩宿遺跡
1946年、考古学者の相沢忠洋が、群馬県岩宿の関東ローム層から発見した、打製石器が有名です。その後、立川ローム層からも複数の遺跡が発見されました。相沢忠洋、遺跡の場所も含めて重要です。
縄文時代の遺跡
大森貝塚
東京都大田区で、明治時代初期にアメリカの動物学者モースによって発見された貝塚。貝塚は海の近くにできるため、当時の海岸線の位置が把握でき、また、貝の石灰分によって歯や骨など内陸の遺跡にはない情報が得られる貴重な遺跡です。非常い有名な基礎知識ですので、しっかり覚えておきましょう。
三内丸山遺跡
青森県青森市西部で発見された集落遺跡です。1992年から本格的に発掘調査が始まり、高床倉庫や竪穴住居、また物見やぐらとして使われていた巨大な建物などが見つかりました。東北地方は当時から自然が豊かだったため、稲作が伝わる以前でも、大規模な集落の形成が可能だったと考えられています。これも、基礎知識として重要ですから、覚えておきましょう。
弥生時代の遺跡
板付遺跡
福岡県で発見された遺跡です。微高地(丘のようなところ)に位置し、灌漑用水や畔による区画など高度な技術を用いた水田稲作を行っていた痕跡が見つかっています。時代と稲作の関係も重要な知識です。
登呂遺跡
静岡県で発見された遺跡で、水田稲作のための大規模な水路や畔が見つかっており、それらを共同利用し、大規模な集落を形成していたと考えられています。有名な遺跡ですよね。
吉野ケ里遺跡
佐賀県で発見された大集落遺跡で、農業生産をめぐる近隣集落との争いのため、二重の環濠が作られています。その後、小集落を吸収し、政治的なまとまりを形成するようになる、時代の中でも特に重要な遺跡です。
まとめ
古代を理解する手段として、今回は各時代の遺跡を中心に時代の流れを追ってみました。特にポイントとなるのは、「旧石器時代に大陸から移動してきた人々が、縄文時代には狩猟採集を行い、徐々に集落を形成し、弥生時代に稲作の伝来でさらに集落の規模が大きくなり、争いが生まれ、その結果政治的なまとまり(=邪馬台国)が再形成された」という一連の流れです。こう一息に書くと難しく思えるかもしれませんが、時代ごとに何がおこり、どのような集落、国へと発展してきたか、それをしっかり押さえておきましょう。
一橋大学卒。
中学受験では、女子御三家の一角フェリス女学院に合格した実績を持ち、早稲田アカデミーにて長く教育業界に携わる。
得意科目の国語・社会はもちろん、自身の経験を活かした受験生を持つ保護者の心構えについても人気記事を連発。
現在は、高度な分析を必要とする学校別の対策記事を鋭意執筆中。