Contents
細胞接着
- 細胞間結合(細胞間接着)…細胞どうしの結合
- 細胞-基質間接着…細胞と細胞外基質との結合
動物の場合
密着結合、固定結合、ギャップ結合の3種類がある。
密着結合
隣接した細胞の細胞膜が、タンパク質を介してほとんど隙間なく密着しており、小さな分子も通過できない。消化管内壁などの上皮組織で発達している。
固定結合
膜タンパク質が細胞内にある細胞骨格と結合して強度を増す結合。
接着結合、デスモソームによる結合、ヘミデスモソームによる結合の3種類ある。
|
膜タンパク質 |
細胞骨格 |
結合の相手 |
接着結合 |
カドヘリン |
アクチンフィラメント |
細胞どうし |
デスモソームによる結合 |
カドヘリン |
中間径フィラメント |
細胞どうし |
ヘミデスモソームによる結合 |
インテグリン |
中間径フィラメント |
細胞と細胞外基質(基底層) |
ギャップ結合
細胞どうしが中空の膜タンパク質で結合し、低分子物質やイオンが移動するもの。
図1
植物の場合
ペプチンによって細胞壁どうしが結合しており、細胞壁の所々にある原形質連絡という孔によって隣の細胞とつながっている。
細胞選別
細胞同士が認識し合って同種の細胞で接着する現象。同じ種類のカドヘリンどうしが接着する。
※表皮のカドヘリンと神経のカドヘリンは違う!
図2
表皮なので表面の方に集まる
モータータンパク質
ミオシン
エネルギーを使って、細胞骨格であるアクチンフィラメントの上を2本足で歩くように移動するタンパク質。
例.原形質流動
生きている細胞では、細胞小器官が細胞内をゆっくりと流動している。
これは、細胞小器官がミオシンに結合してアクチンフィラメントの上を移動するためである。
図3
例.アメーバ運動
アメーバは細胞を変形させ仮足を伸ばして移動する。このとき、アクチンフィラメントが重合して伸長する。
図4
キネシンとダイニン
エネルギーを使って、細胞骨格である微小管の上を移動するタンパク質。
-端(中心体のある方向)に移動するのがダイニン、+端に移動するのがキネシンである。
図5
例.鞭毛や繊毛の屈曲
真核細胞の鞭毛や繊毛は微小管によって9+2構造をつくっている。
鞭毛や繊毛が曲がるときには、エネルギーを使ってダイニンが微小管の上を移動する。
図6
知識の確認
最後に簡単な問題を出したいと思います。ぜひ知識の確認に役立ててみてください。
【問題】
・問1:エネルギーを使って、細胞骨格であるアクチンフィラメントの上を2本足で歩くように移動するタンパク質を何というか
・問2:エネルギーを使って、細胞骨格である微小管の上を移動するタンパク質のうち、
①一端に移動するもの、②十端に移動するものの名前をそれぞれ答えよ。
【模範解答】
・問1:ミオシン
・問2:①ダイニン、②キネシン
まとめ……の前に
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まとめ
今回は細胞接着とモータータンパク質について学習しました。用語を暗記することはもちろん重要ですが、この単元は図を見て暗記、理解することに重点を置いて学習を進めていってみてください!