中学受験・理科 物理分野・輪軸とかっ車の問題まとめ その1

いよいよ2月の中学入試まであと少しになりました。これからの数日間は、3年間学習してきたことの復習が何より大切です。難しい問題を解かなくては、とこれまでたくさんの問題を解いてきたと思いますが、これからやることは、新しいことに手を広げることではなく、少しあやふやになっている、自信のないところをもう一度見直すことです。

その内容は、本当に基本的なことでいいのです。どのような難しい問題でも、基本的な事項の組み合わせです。そして、大問の中には基本問題が必ず入っています。1問まるまる落とすより、基本的な知識で解ける問題を少しでも得点できるようにし、苦手な分野についても大きな差がつかないようにすること、それがこれから直前までやるべきことです。

これまで理科については、電気やてこのつり合い(力のつり合い)の問題の基本の確認を記事にしてきました。物理分野ですね。中学入試の理科の問題は、生物、地学、化学、物理の4分野から平均して出題することが多いですが、物理分野は差がつきやすい分野です。

特に力に関する問題は、先日まとめた、てこのつり合いのように、一定の法則が理解できれば正解できる問題が飛躍的に増えます。ですが、どうしても苦手意識を持ったままここまで来てしまった、という方は、もういちど基本をおさらいしておきましょう。力に関する問題は、力のつり合いの問題です。

一目見て、「難しそう」と思える問題も、原理は難しいものではありません。今回は、輪軸とかっ車の問題について、基本的な知識をまとめます。しっかり理解できているかどうか確認してみてください。

輪軸とかっ車、なぜ苦手になるの?

輪軸とかっ車の問題は、力のつり合いの問題の中では、仕組みが複雑に見え、計算も比較的複雑なものが出題されやすく、「難問が出る」と思う受験生が多いところです。ですが、仕組みが複雑に見えるといっても、それは「一見」難しそうに、複雑に見えるので、身構えてしまうために、苦手意識をもってしまいます。

計算も、式を立てるのに時間がかかってしまうことがあるため、ますます苦手意識が強くなってしまう輪軸とかっ車のところですが、実は力のつり合いの基本的な考え方が理解できていれば、「あれ?思ったほど難しくない」と思うことができるところなのです。

ダメな勉強法

てこのつり合いのところとの関連性を無視して、「輪軸とかっ車」という別物の問題だ、と思ってしまうと、覚えなければならないことが多いのではないかと錯覚してしまい、記憶しなければいけないことが多くなってしまうのではないか、と負担感が強くなってしまいます。実はよく出題される「基本パターン」はいくつか決まっています。ですが、塾での学習は、さまざまなパターンに対応できるようにするため、見た目を変えた問題をとにかく大量に解く、というものだったのではないでしょうか。

そうかといって、基本パターンをただ覚えれば解けるようになるというものでもありません。そのような「丸覚え」に終始してしまうと、一見見たことのないような複雑(そうな)、輪軸の組み合わせ、かっ車の組み合わせ、輪軸とかっ車の組み合わせなどの問題が出題された場合、応用がきかず、いくら考えてもどこから解いたらいいのかわからなくなり、芋づる式に失点してしまうことがあります。

どのように取り組むか

このような、難しく感じる輪軸やかっ車の問題には、どのように取り組んだらよいのでしょうか。やはり戻るべきは「基本的な原理の理解」です。

基本的な原理は、てこの原理との関連が大きいです。まずは、てこの仕組みを理解できているかどうか確認しましょう。常識の範囲で理解できる内容ももちろんあります。単なる暗記ではなく、理由を確認しながら学ぶようにしましょう。

特に、物理分野の問題は必ず問題に図が出てきます。その図を活用して、どこに、どの向きに、どのくらいの大きさの力がはたらいているのかを一つずつ確認しながら、図に描き入れながら解いていきましょう

実際に輪軸やかっ車が動いているところを見ておくことも大切です。ですが、てこのつり合いと異なり、輪軸やかっ車の実験はあまり経験することはないでしょう。実際の動き方をイメージすることができるように、アイパッドなどを利用して映像を確認するようにしましょう。

基礎の確認

輪軸

輪軸のそもそものつくりを理解していますか?軸に半径の大きな輪を取り付けて、一緒に開店するようにしたもののことを輪軸といいます。これには、てこの原理が関係しています。

てこのつり合いのところで確認しましたが、「てこをかたむけるはたらき=おもりの重さ×支点からの距離」でした。同じように考えると、輪軸の場合は、「輪軸を回すはたらき=おもりの重さ×輪の半径」と考えることができます。

また、てこでは、「左にかたむけるはたらき=右にかたむけるはたらき」でした。右の力と左の力が同じであればつり合うということになるわけです。

これに対して、輪軸では、「左に回すはたらき=右に回すはたらき」と考えればいいのです。

定かっ車と動かっ車

かっ車には2つの種類があります。これも正確に性質理解しておかないと、問題を解くときに非常に苦労します。ですから、この2つのかっ車の種類の特徴と違いについて、もう一度おさらいしておきましょう。

軸が固定されていて、ひもを引いてもかっ車が動かないのが定かっ車軸におもりや物体が下がっていて、ひもを引くとかっ車が動くのが動かっ車です。文字だけで覚えるのではなく、イメージできるようにしておくことが大切です。このような、基本中の基本の用語の意味をしっかり理解しておくことこそが、難しいと思われがちな力のつり合いの問題が解けるようになるために必要なことです。しっかり理解しておきましょう。

定かっ車は、物を持ち上げる力を変えることはできません。力の方向を変えることはできます。つるべ式の井戸で活用されていますね。今は少なくなりましたが、どういうものだったかはインターネットを見れば出ていますから、見てみてください。

動かっ車は、物を持ち上げる力を2分の1にすることができます。そのかわり、ひもを引く長さは2倍になります。力の方向を変えることはできません。

例題でイメージをつかもう

この問題は、共立女子中学校の2011年度の入試問題です。基本中の基本の問題です。入試問題にもこのような基本問題はたくさん出ます。苦手意識を持っている方こそ、このような基本問題や、前半に出てくる問題を確実に正解し、点数をとるようにしましょう。

(1)(答え)40g

右に回すはたらきは、50gのおもりがかかっている小さな輪の半径は20cmなので、

50g×20cm=1000

つり合うためには、左に回すはたらきを右に回すはたらきと同じにしなければなりません。力のつり合いは、右のはたらきと、左のはたらきが同じになること、そのように理解しておけば、数字がたくさん出てきても怖がることはありません。

大きい輪の半径は25cmですから、

1000÷25cm=40g

したがって、物体の重さは40gになります。

図の中に、中心からの距離やおもりの重さなど、ヒントがたくさん書かれていますね。このようなヒントを一つひとつしっかり押さえておいて、使い方を理解しておけば、正解するのはそれほど難しくないということがわかるのではないでしょうか。繰り返しになりますが、「右に回すはたらきと、左に回すはたらきを同じにすること」、これが力のつり合いの基本中の基本だということをしっかり理解しておきましょう。

まとめ

今回必ず理解していただきたいのは、「右に回すはたらきと、左に回すはたらきを同じにすると、つり合う」という、力のつり合いの仕組みです。問題を解いていてわからなくなったら、戻るべきとても大切な考え方です。ほかにも理解しておくべき知識もありますが、数はそれほど多くありません。わからなくなったら、「つり合うためにはどうすればいいか」というところに戻りましょう

入試問題では、定かっ車や動かっ車を複雑に組み合わせた問題が出題されますが、戻るべき基本的知識さえしっかり理解できていれば、一見見たことのない問題であっても、分解して解いていくことができます。ぜひ、落ち着いて、問題文や資料にでている、わかっているデータを図に描きこみながら、解き進めていきましょう。

次回の記事では、さらに入試問題を取り上げて、基本的な知識を整理していきます。基本的な知識を理解できていれば解ける問題が必ず増えます。志望校で力のつり合いの問題が良く出題される場合で、見ただけで解けないと思ってしまう、そのような方はぜひ基本的な知識をしっかり理解しておきましょう。最後まであきらめないことが一番大切です。

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