今回は資源とエネルギーに関するシリーズの第7本目として,環境問題に対する国際的な取り組みをご紹介していきます。前回は日本の公害問題や環境問題に焦点を当てていきましたので,よろしければこちらの記事もご確認ください。今日の環境問題に対する関心の高さから環境という範囲の対策は欠かせないものだといえます。この記事を読んで知識を定着していただければ幸いです。
Contents
どんなところが取り組んでいるの?
そもそもこの取り組みといっても,一体どのような組織が環境問題に対応しているのでしょうか。日本であれば環境省がその中心を担っていますが,世界的に見ると主に国連が中心となって条約などが結ばれていることが多いです。それ以外だと,サミットなど各国の代表が集まるような場で会議が行われることが多いです。
また政府主導によるものだけでなく,NGO(非営利組織)・NPO(非政府組織)である組織が主導となっている取り組みも存在します。例えば環境保護活動に取り組むNGOにグリーンピースというものがあります。この組織はおそらく最も有名なものなので,覚えておくといいでしょう。
今回は政府が中心となっている会議に焦点を当てていきますが,NPOやNGOの活動にもしっかりと目を通しておきましょう。
主な世界的会議一覧!
それではここからは世界的に行われてきた会議について確認していきましょう。世界中で行われた全ての会議を網羅することは到底できませんので,大きな意義のあるものを6つピックアップして,年代順に解説していきます。この記事で紹介する会議を覚えておけば中学受験を乗り越える上で大きく役に立つでしょう。
国連人間環境会議
まずは国連人間環境会議についてです。この会議は1972年にスウェーデンのストックホルムという場所に113カ国の代表者が集められた,初めて世界規模で環境問題について議論されたものです。
この会議においてはかけがえのない地球を合言葉に,地球を失わないためにはどんなことができるか・どんなことが環境に対する脅威であるかが議論され,環境問題とは国際的に取り組まなければならないものだ,ということを明らかにしました。ちなみにこの国連人間環境会議が行われた6月5日は世界環境デーとされています。
国連環境開発会議
2番目に取り上げるのか,1992年にブラジルのリオデジャネイロで開催された国連環境開発会議です。別名を地球サミットともいうこの会議は,世界172カ国の代表が集まるという国連史上最大規模の会議となり,世界中に大きな影響が及びました。
この会議では 具体的な条約や宣言や行動指針などが議論され,現在まで効力が続く気候変動枠組条約(温暖化防止条約とも言う)や生物多様性条約の署名が始まったほか,地球を守るための大きな指針である環境と開発に関するリオ宣言,およびそのための行動計画であるアジェンダ21などが整備されたりしました。
国連気候変動枠組条約第3回締結国会議
3番目にご紹介するのが国連気候変動枠組条約第3回締結国会議,別名地球温暖化防止京都会議です。これは1997年に日本の京都で行われた国際会議になります。
この会議の中身ですが,会議の名前には温暖化防止という上で見た文字列が含まれていますね。このことからもわかるとおり,この会議は温暖化防止条約を基盤として開催されたものになります。正式名称を気候変動枠組条約締結国会議と言い,英語でCOPと訳されます。京都で行われたのは第3回会議ですので,一般的にCOP3 と呼ばれます。
この会議で重要な点は,世界で初めて環境問題についての約束事が取り交わされたと言う点です。これまで見てきたような会議では,おおまかな指針や宣言しか出されていなかったのですが,COP3では京都議定書と言うものが出され,先進国に対して2012年までの間に温室効果ガスの排出量を約5%減らすと言うことが要求されました。
先進国に限定されている理由は,これまで起きてきた環境への被害というのは工業の発展が著しかった先進国によるものだと言う考えがあったからです。そのため先進国が率先して温室効果ガスを減らさなければという機運が高まり,議定書の採択に至りました。
ただしこの議定書のルールはすべての国でしっかり守られたと言うわけではなく,アメリカがこの議定書の批准を取りやめたり,先進国以外の国が発展したりといった影響で地球全体としての排出量にはそこまで差が生まれませんでした。しかし約束事が制定された,というのは大きな意味があるものです。しっかり覚えておきましょう。
環境開発サミット
4番目にご紹介するのが環境開発サミットです。2002年に南アフリカ共和国のヨハネスバーグで開催されたこのサミットは前述したリオデジャネイロでの国連環境開発会議から10年後に開催されたということで,リオ+10とも呼ばれます。
この会議では10年間で変化した世界の情勢を振り返ったり,アジェンダ21の達成具合を評価したりすることで,環境問題に限らず人類が抱えている様々な問題について議論が行われました。
国連持続可能な開発会議
次は国連持続可能な開発会議について見ていきましょう。会議のタイトルから分かるように,現在世の中で注目されている持続可能性・サスティナビリティというものに初めて焦点が当てられた会議のことを指します。
この会議は2012年にリオデジャネイロで開催されました。環境開発サミットがリオ+10と呼ばれているのと同じように,この国連持続可能な開発会議は初めてのリオでの会議から20年後の開催だったためリオ+20と呼ばれています。
内容としては,温室効果ガスの排出を抑えたグリーンな経済や持続可能な開発という考え方および制度や枠組みなどについて話し合われました。
国連気候変動枠組条約第21回締結国会議
最後にご紹介するのが,先程確認した気候変動枠組条約の,第21回目の締結国会議になります。別名をCOP21と言います。この会議は2015年にフランスのパリで行われ,COP3と同様に将来の地球を守るための約束事が再度制定されました。ここで採択された約束事のことをパリ協定と言います。
パリ協定とは2020年以降の気候問題に対する枠組みのことを指します。この協定は京都議定書を拡大・強化したものなのですが,重要なポイントがあるので覚えておきましょう。それは先進国だけでなく途上国にも二酸化炭素の削減の努力を求めるという点です。
京都議定書があまり有効でなかった理由に,途上国と先進国の間の不公平さというものがありました。この不公平さを解消するために,途上国を含むすべてに参加国と地域に目標が定められています。ただ先進国と全く同じ量の抑制を強いることはせず,経済の発展と兼ね合いを取るために資金提供などが奨励されています。
まとめ……の前に
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まとめ
最後にこれらの会議を一つの図に整理して本記事のまとめとします。今回取り上げた6つの会議の他に,1995年にベルリンで行われたCOP1を加えておきました。何事も初回というものは注目されがちですので,多少なりとも受験に登場する可能性があります。余裕がある方は覚えておきましょう。
最後に
今回の記事では国際社会における環境問題に対する取り組みをご紹介しました。今回取り上げた6つの会議は中学受験で問われてもおかしくありません。会議の名前はどれも長いものばかりで,その上同じような漢字が使われているので区別しづらいかもしれませんが,何度も繰り返し記事を読んだり問題を解いたりすることで知識を定着させていきましょう,本記事が今後の学習のお役に立てば幸いです。