【一橋大学対策】学部ごとの配点、科目別の出題内容、勉強法などを解説!

この記事では、一橋大学を志望している受験生に向けて、配点と出題内容についてお話していきます。一橋大学は入試問題の難易度が高く、配点や出題形式も特殊なため、早くから意識することが大切です。

全く知識がない人も、過去問に取りかかる時期にある人も、ぜひ読んで参考にしていただければと思います。

(※こちらの記事は2021年度までの情報となっているので、最新の出題傾向などはご自身で調べるようにしてください。)

一橋大学の配点

学部間の配点の差

一橋大学では、受験する学部によって科目ごとの配点が大きく異なります。受験する学部が決まっている人は、科目ごとにかける時間や目標を考えていきましょう。

逆に一橋大学にこだわっているため学部はどこでも良いという人は、自分の得意・苦手な科目の配点割合から学部を選ぶのも良いと思います。

 

商学部

経済学部

法学部

社会学部

英語

250

260

280

280

数学

250

260

180

130

国語

125

110

110

180

社会

125

160

160

230

学部ごと

まずは学部ごとに配点を見ていきましょう。受験する学部が決まっている人は参考にしてみてください。

  • 商学部
    英語と数学は高得点必須。国語と社会をある程度取れることが大切。
  • 経済学部
    英語と数学は高得点必須。数学で波がある場合は社会で稼ぎたい。
  • 法学部
    英語は高得点必須だが、あとはバランス良く必要になる。数学と社会での高得点が差をつける。
  • 社会学部
    英語と社会の高得点が必須。数学は高得点を狙いにいかなくて良い。
    社会は大概の人は波があるので、国語で安定して点を取れると良い。

上記のものはおおまかな目安なので、もちろん人によって戦略の立て方は変わってきます。

このとき気をつけるべきなのが、「1科目に頼りすぎない」ということです。

特に気をつけるべきなのは、数学社会です。この2科目のどちらかが自信があるため、他の科目がそこそこでも合格できるだろうという考えは危険です。もちろん実際に数学か社会で高得点をとって合格することもあると思いますが、目標の段階ではそれは狙わないようにしましょう。

学部ごとに言うと、商・経済学部の「社会」社会学部の「国語」はある程度まで取れるようにしておきたいです。

科目ごと

次に科目ごとに配点を見ていきます。受験する学部がまだ決まっていない人は参考にしてみてください。

  • 英語:どの学部でも特に重要。
  • 数学:商・経済では特に重要。社学では配点が特に低い。
  • 国語:社学以外では配点が低い。社学はある程度とっておきたい。
  • 社会:社学では特に重要。経済・法も軽視できない。

得意・不得意科目で決める場合も、1科目だけで決めないようにしましょう。

例えば、「数学が得意だから商だな!」と思っても、商学部の場合数学はみんな出来るので、他の科目で差をつけなくてはなりません。逆に「数学が大の苦手だから社学で!」という場合も、数学を捨てる分他の科目で点を稼ぐ必要があります。

また、得意・不得意のレベルも人によって様々です。得意な科目でも、過去問では全然歯が立たなくて他の受験生においていかれてしまうかもしれません。逆に苦手だと思っていた科目も、基礎を固めて過去問で慣れていけば安定してくるかもしれません。

科目で学部を決めようとする人は、今の状態で決めて1つの科目に集中したり1つの科目を捨てたりしないようにしましょう。

秋や冬になって決めたときに、配点が低い科目も安定して点が取れるというのは必ずアドバンテージになります。

各科目の出題内容

ここからは、各科目の出題内容対策の仕方について見ていきます。どの科目でも重要になってくるのが、次の3点です。

  1. 基礎を完璧にすること
  2. 過去問を研究して、一橋対策を徹底すること
  3. 記述問題は必ず信頼できる人に添削してもらうこと

これらを踏まえた上で、各科目の確認をしていきましょう。

英語

一橋大学の英語は他の科目と比べて点を取りやすいですが、その分高得点を安定してとることが求められます。

内容は長文、文法、英作文、リスニングと幅広い対策が必要となります。基本を押さえた上で、一橋の過去問でそのテーマや出題形式に慣れることが大切です。

時間は決して短くはありませんが、配分を決めてから取り組むようにしましょう。

問題形式

  1. 長文
  2. 長文
  3. 英文法(希になし)
  4. 自由英作文
  5. リスニング

(※問題形式は近年変わってきています。2020年・2021年度は独立の文法問題はありませんでした。2021年度は長文も1題だけの出題でした。)

【長文】
テーマは結構偏っています。読みやすいものが多いですが、慣れるように過去のテーマをチェックしておくと良いでしょう。2題の場合は文章量やテーマが異なるので、時間配分を自分の解きやすいように振り分けると良いです。

設問の内容としては、和訳問題が大問1つにつき1〜2問、内容説明も1〜2問、記号選択問題が3〜4問ほど。文章も設問も難易度はそれほど高くないです。

内容説明問題は、最初は難しく感じるかもしれませんが、過去問を解いていくうちに自分で適当箇所を探し出す和訳問題だとわかると思います。

【英文法】
基本的に文法問題は5問出題されます(2020年は出題されなかったため、今後出題されるかは不明)。並び替え問題や、文中の間違っている箇所を指摘する問題が多いです。

得意な人は簡単に感じますが、苦手な人は1問しか正解できなかった…ということもあります。苦手で対策をするならその分野の参考書を使っても良いですが、あまり時間をかけすぎないようにしたい部分です。

自由英作文】
様々なテーマに沿って100~130語程度の英作文を書きます。

テーマは

  • 写真や絵を見て自由に書く
  • メールの文章を考える
  • 自分の経験を書く
  • 賛成か反対かなど自分の意見を書く

など、かなり幅広いです。

色々なテーマに慣れられるよう、過去問をさかのぼったり他大学の自由英作文を書いたりすると良いです。添削は信頼できる先生にお願いしましょう。

それ以外では、とにかく英作文を毎日書くことが大切です。日記でもテーマを決めてでもいいので、自分が続けられる方法で書き続けましょう。

リスニング】

音声が2種類流れ、それぞれ3問ずつの設問が用意されます。問題は記号選択問題か英語で答える方式です。音声はそれぞれ3回流され、全体の長さは約20分です。難易度はそこまで高くなく、内容はほぼ聞き取れると思います。

難しいのは英語で答える方式の設問です。過去問を見ればわかると思いますが、これはほぼディクテーションです。

二次試験のリスニングに時間をかける余裕がある人は少ないと思いますが、過去問を解いてみてディクテーションが苦手だと感じた人は早めに慣れておくべきです。

難易度にもよりますが、リスニングは高得点を安定して取りにいけるようにしたいです。

数学

一橋数学は難易度がとても高いことで有名ですが、大体の出題される問題の分野は決まっています。

頻出の分野としては「整数問題」「確率」「微分積分」「ベクトル」「図形問題」など。特に「整数問題」と「確率」はほぼ毎年出ており対策必須の分野です。この中で、「微分積分」の問題は簡単なことが多いです。

基礎が固まってきた段階で過去問を解いていくと、意外と解けそうだと思うかもしれません。最後までは自力で解けないとしても、「問1だけは全部解けた」「方向性は合っていた」「模範解答を読んで、自分でも解けそうだと思った」などという人も多いと思います。

解答は記述式なので、途中の考え方も大切です。数学が苦手な人は特に、一橋数学の問題形式に慣れて、部分点を稼ぎにいく気で過去問を解いていきましょう。

過去問を解いていく中で少しでも曖昧な部分があったら、どんなに入試直前だろうと基礎に戻りましょう。

また、これはどの教科にも当てはまりますが、記述の練習と添削は必須です。数学は意外と解答欄が小さいので、必要な情報だけを書けるようにしておきたいです。         

国語

国語は一橋の他の科目と比べて、軽視されることが多いです。

確かに国語で高得点を取ることを期待するのは難しいですが、他の受験生が対策していない分、ここで少し差をつけることはできます。時間をかけすぎずに、ある程度まで対策することが求められます。

問題形式

  1. 評論文
  2. 現古融合文
  3. 200字要約

【評論文】
ほとんどが評論文を読んで、いくつかの設問に答える形式です。文章のテーマや年代は様々なので、過去問以外でも色々なものに慣れておくと良いと思います。

文量はそこまで多くなく、文章の内容も難しすぎて入ってこないことはほぼないでしょう。逆に過去問を解いてみて難しいと感じた場合は、現代文単語を覚えたり易しい問題集で読む練習をしたりすることから始めるべきです。

設問では、漢字の書きと語句の意味が問われます。これらは確実に取れるように、苦手な人は普段から意識して覚えるようにしましょう。

そして、苦手とする人が多いのが傍線部の内容説明の問題です。「筆者の主張を踏まえながら」や「文章の全体の流れを踏まえて」など、文章を理解した上で、自分の言葉でまとめる力が求められます。

さらに大変なのが、その指定文字数の少なさです。最初は「模試より全然文字数少ないじゃん!ラッキー!」と思うかもしれませんが、実際に解いてみると全然足りない…と感じると思います。

短い文字数の中で、求められていることを簡潔にまとめるのは難しいです。解き終わった後に、添削してもらったり解説を読んだりして、自分はどこまで出来ているのかを把握しながら練習していきましょう。

【現古融合文/近代言語文】
大問2は一橋大特有の問題です。ほとんどの年が近代文語文(和漢融合文)の出題で、年により近世の古文や、現古融合の評論が出題されています。

問題の形式は、語句の意味を答える問題、現代語訳、内容理解が中心です。文章量はそこまで多くなく、内容も古文・漢文の基本的な知識がわかれば理解できます。

ういった文章には慣れていない人が多いと思いますが、特別な対策は特に必要ないです。数年分の過去問で慣れて、古文・漢文の知識が怪しければそれを補強しましょう。慣れていないからと、その時代の本などをわざわざ読まなくて大丈夫です。

【200字要約】
大問3は、現代文評論の200字要約問題です。本文は2000字程度が平均で、少し長いと感じる人もいるかもしれません。文章は大問1と比べて読みやすいものが多いです。

要約は得意不得意が大きく分かれると思います。苦手な人は、まず簡単な文章から要約する練習をしてみましょう。

要約は、文章の一部分だけを抜き取って貼り付けて…というだけでは点は貰えません。要約で点を取る!というレベルまではいかなくても、ある程度の時間内でまとめられるようにしておきたいです。

最初が思いつかなかったり、時間がなくて焦ってしまったりして、白紙のまま提出というのは絶対に避けなくてはいけません。最初の国語で大問1つ白紙だったという事実は、その後の教科にも響きます。苦手な人も、そうならないように「自分の解き方」を考えておくと安心です。

世界史

一橋大学の世界史は他の大学と比べてもトップレベルで難しいです。しかし、世界史にそこまで自信がない人でも、過去問を研究して徹底的に対策していくことで十分戦えます。

大問構成は、

  1. ヨーロッパ中世から近代
  2. 欧米の近現代
  3. アジア近現代

というような傾向があります。基本的に400字論述×3で、大問3は細分化されることが多いです。

世界史の論述で一番難しいのが、何を聞かれているのか読み取ることです。

一度過去問に目を通せば分かると思いますが、問題文がとても短く、シンプルです。それ故に、まず何を書けば良いのかわからないと思う人が多いと思います。

ただ文字数を埋めようと、問題文にある単語や時代から思い浮かぶことを羅列してはいけません。書き始める前に、何を聞かれているのかをつかむのが一番重要です。

それをつかむには細かい知識はもちろん、時代や地域をまたいで考えることが出来る力が必要になります。これは直前に焦って身につけられる力ではありません。学校や塾などで世界史を学んでいるときや、自分で通史を予習するときなどに意識して覚えましょう。

通史を早めに終えて、基礎的な知識も覚えられたら過去問で慣れていきましょう。過去問を解いていくうちに感じると思いますが、大問1と大問3は多くの年で同じ時代・地域から出題されています。特に中世ヨーロッパとアジアの近現代は深く理解しておきたいです。

まれにある「奇問」は、みんな出来ないので気にしなくていいです。それよりも一橋世界史で頻出の分野が出たときに自信を持って書けること、少し違う分野から出ても基本的な知識を使って考えられることが大切です。

論述は絶対に添削してもらい、問題を解くときに曖昧な知識があったらまとめて覚え直しましょう。

日本史

一橋の日本史も世界史と同様、とても難しいことで有名だと思います。確かに難しい問題も数多く出題されてきました。

しかし、例年出題される時代やテーマがかなり限定された範囲に集中していて、類題もくり返して出題されているので、しっかりと対策すれば十分戦えます。

日本史は3つの大問で構成されています。大問1は近世以前が多く、大問2と大問3は近現代・戦後史であることが多いです。テーマとしては、経済史について問われることが多いです。各大問に3~4題の小問があり、各小問への文字数は自分で想像して決める形式です。

まずは通史を終え、基礎的な知識を完璧にすることが大切です。

それが出来たら頻出分野である近現代経済史の知識を固めましょう。この2つの分野は、自信を持って説明できるぐらい勉強してください。

これらの分野だけは教科書に載っていないような細かい知識も覚えておくと良いです。過去問や本番でこの分野がきたら、「やった!ここなら自信を持って書ける!」と思えるようにしましょう。

最後に

ここまで一橋大学入試の配点と、出題内容について見てきました。

この内容は、受験生時代に過去問研究に力を入れていた筆者の考えになります。配点や出題傾向などは調べて書いていますが、難易度や「こうした方がいい」などということは一意見として参考にしていただければと思います。

これを読んでいるあなたがどういった状況にあるかはわかりませんが、もし過去問で全然点が取れない、こんな問題解けるようになる気がしない、などと思っていたら、大丈夫だから地道に頑張ろうと伝えたいです。大丈夫かどうかはわかりませんし、諦めることも1つの賢い選択肢だと思いますが、私も受験生時代はそんな気持ちで対策記事や体験談を読んでいたので。

一橋大学の入試は難易度が高く特殊な分、戦略を考えるのも、実際に入試問題を解くのも楽しいです。これも楽しいわけないじゃんという人と、確かに楽しいねという人がいるだろうなと思います。

最後に、受験生は基礎、過去問、添削を大切に、自分を褒めながら続けていってください。きっとここまで読んでいる方は、自分で頑張れる方だと思うので。応援しています。

 

おすすめ記事

参考

 

中学受験生のお母さん向け無料メールマガジン

    本サイトの監修者である、開成番長こと繁田和貴が執筆する無料メルマガは、その内容の濃さから6000人以上の読者に愛読されています!

    登録も解除も簡単にできますので、まずはお気軽にご登録ください。

                                

「開成番長・繁田の両親が語る繁田の中学受験PDF」プレゼント!

無料メルマガ登録