「テレスタディも当たり前」コロナ禍で見つけた新しい勉強スタイルとは

 予想以上に長引いているコロナ禍ですが、学生の皆さんはどうやって勉強のペースを保っていらっしゃいますか? 

異例の短い夏休みや、1学期のほとんどが休校のせいでオンライン対応だったこともあり、とにかくコロコロ変わる方針に合わせてついていくのが精いっぱいで、自分がどう勉強していたのかよく覚えていません!と言っている子も教え子に中には何人かいます。 

無理もないと思います。本当に、誰にも予測出来なかった事態ですし、先生たちにとっても初めてのことですから、学校側も正直もう本当にどうしたら良いのかよくわからない、というのが正直なところだと思います。 

仕事をされているご家族の方々の仕事のスタイルも、今年に入ってからずいぶんと様変わりしたのではないでしょうか。 

仕事のスタイルはご存じのように、出来る職種に関してはオンラインにかなりシフトしているとのことで、せっかくのその状況を活かして自然に囲まれた地方の古民家に移住して脱シティライフを実現する人が後を絶たないようです。 

また、移住はかなわないけれど、やはり仕事が終わったらすぐにオフに切り替えて家族と自然の中でのんびりと過ごしたい、という人たちも多くいます。

数か月単位でキャンプ場を予約して、キャンピンクカーの中で仕事をし、終わったら家族でバーベキューや、釣った魚を焼いて食べる、といった生活を短中期的に楽しみながら仕事と両立している、という人も特集されていました。 

そこで思ったのは、学校も塾も「やむなくオンライン対応」というスタイルから、「せっかくだからオンライン対応」というスタイルに思い切ってシフトしたらどうだろうか、という事です。 

せっかく両親の仕事の仕方がフレキシブルになり、通勤も月に何度かしかせずに空気の良い自然に囲まれた場所で日々の仕事が出来るようになってきているのです。

子供たちもそれに合わせて、学校>部活>塾>宿題、と時間に追われた生活から脱して、自然の中でゆったり勉強し、終わったら家族で楽しい遊びや食事を楽しむ、毎日が週末のような生活を叶えてみてはどうでしょうか。 

勉強はもちろん大事ですが、そうやって自然の中で過ごす時間や家族とともに気分をリフレッシュする時間が増えれば、短い時間で勉強に集中することも出来るようになります。

それに、思考がまわって、将来進みたい方向が具体的にイメージ出来て、それを目標に設定することで勉強を頑張るモチベーションが出来るなど、有意義な気がするのです。 

そうして、やがて移住した先で就職したりとか、友人を招いたりしてその場所が徐々にレジャーの地になって行けば、地方の過疎化や老人の孤独死問題なんかも解決の方向に向かうと思いませんか。 

これは何も日本国内だけの話にとどまらず、今後海外に何か月か旅行で滞在している時でも、ホテルからオンライン授業が受けられるようになりますし、 

「長期で旅行に行ってしまったからその間に宿題がはかどらなかった。」 

なんていう悩みもそのうちなくなるのではないか、という気までしてきました。 

「テレワークが当たり前」の時代に伴って、「テレスタディも当たり前」となってきているのだと思います。 

こんなことをふと思ったのには、先日の教え子の言葉があります。 

この教え子はコロナが始まってからオンライン指導に切り替えていたのですが、 

「先生、お盆休みはお父さんが休みだから、3密を避けて今年はキャンプ場に家族でこもって、釣りをしたりバーベキューをしたりしてのんびりすることにしたんだよ。」  

と言うので、 

「あ、そう。じゃあお盆の期間中は授業お休みするんでしょう。」 

と返したら、 

「えー、そんなこと言ってない!いつもの曜日のいつもの時間に、普通にやるよ。」 

と言うのです。 

確かに…。 

旅行に行くからその間は塾や家庭教師はお休み、という時代はもう、一昔前なんですね。 

そして、実際に旅先から気分を変えて、オンライン発信してきた生徒の顔はいつもとまたちょっとちがって生き生きしていました。 

思いもかけず、すごく良い勉強のスタイル。 

コロナが世界中の子供たちに置いて行ってくれたお土産だと思って、ありがたく有効活用していくのが良い、とつくづく思いました。 

ワークスタイルにもノマドがあるように、勉強にもノマドがあって不思議じゃない。 

そんな簡単なことに気付いた、コロナ禍の夏休みのある一日でした。 

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一橋大学卒。 中学受験では、女子御三家の一角フェリス女学院に合格した実績を持ち、早稲田アカデミーにて長く教育業界に携わる。 得意科目の国語・社会はもちろん、自身の経験を活かした受験生を持つ保護者の心構えについても人気記事を連発。 現在は、高度な分析を必要とする学校別の対策記事を鋭意執筆中。