高3生はもちろん高1生・高2生も必見!オープンキャンパスのススメ2021

大学に進学しようと考えている方にとって,最初に悩むことが「どこを志願しようか」という志望校選びだと思われます。学校の少ない中学受験・ある程度場所が絞られていた高校受験と比べて,日本全国の学校から志望校を絞るというのは簡単なことではありません。そこで役立つのがオープンキャンパスへの参加です。本記事ではオープンキャンパスとは何か?ということから,詳しい内容やチェックポイントまでご紹介していきます。

オープンキャンパスとは

そもそもオープンキャンパスとは何かと思われている方も多いでしょう。そのためまずは,オープンキャンパスとはどんなものでどんな意味があるのか,ということについてお話ししていきます。

オープンキャンパスとは,簡潔に言うと大学見学のことを意味します。大学以外にも専門学校や一部の高校でも行われることがありますが,今回は大学受験を志す人向けの内容ですので,大学見学と把握してもらって構いません。ただ専門学校・高校のオープンキャンパスに興味がある場合でも,行われていることはほとんど同じですので,通ずるところはあるかと思います。

行われているのはどの大学でも基本的に7~8月,つまりは夏休みですね。ただ夏休みといっても7月中旬に開催している学校もあれば,8月末に開催している学校もあり,逆に同じ日にいくつものオーキャンが行われる,なんてことも茶飯事です。気になっている大学があれば,ぜひリストアップして開催時期を調べてみましょう

またオープンキャンパスの特徴として,どんな人でも参加できることが挙げられます。そのため受験を志す高校3年生や浪人生はもちろんのこと,入学したての1年生・少しずつ進路を考え始める2年生も参加できますし,保護者の皆様や一般の方でも参加することができます。下でオープンキャンパスに参加する意味をまたご紹介していきますが,ぜひ受験生以外にも参加して欲しいイベントです。

開催内容

ここからは実際に行われているオープンキャンパスの中身についてご紹介していきたいと思います。学校により内容に組み込まれているもの・いないものはありますが,概ね次のようなプログラムが行われています。

学校説明会

まずは定番の学校説明会です。オープンキャンパスの参加者は,多かれ少なかれその学校について興味を持っています。そのため大学の側もより関心を深めてもらうために説明会を開くことがほとんどです。

といっても中身は多種多様で,教育方針・就職先など公式ホームページに載っているようなお堅い情報はもちろんのこと,リアルな学生の生活だったり大学がある町・地域の話だったり,受験に向けたアドバイスなどを提供してくれる学校もあります。オープンキャンパスのメインはこの学校説明会であり,広い会場で複数回開催されることがほとんどですので,物は試しと思って参加してみるのもいいかもしれません。

個別相談

その次に多いのが個別相談でしょう。こちらは学校説明会とは違い,学校に興味がある参加者というよりは,本格的に受験・入学を考えている学生向けのイベントになっています。そのため相談内容は主に勉強面における悩みだったり,受験を迎えるにあたっての不安だったりになるでしょう。ただ別にこれに限らず,大学に関わることならどんなことでも聞いてくれるでしょう。

また運営の主体が大学の教授や職員ではなく,学生がメインで相談を受け付けていることも多いです。そのためその学校に通っている学生の生の声を聞くチャンスでもあります。初対面,それも大学生や職員と直接話すというのは気がひけると思いますが,滅多にないチャンスですのでぜひ参加してみてください。

体験授業

次に体験授業についてご紹介していきます。これは実際に大学で普段行われている授業を体験してみる,という趣旨の企画になっています。大学によっては実施していないところもありますが,私立の大学はそのほとんどが実施している印象です。私が訪れた際に受けた体験授業だと,神学についてのものやジェンダーについてのものがありました。

ただ大学で行われている授業と聞くと,「難しいのかな?」「厳しいのかな?」と感じてしまう人も多いと思いますが,実際はそんなことありません。受けられる体験授業は,高校生が聞いても分かるように難しい用語を使わないで進められます。また時間についても,大学の授業は通常1時間半〜2時間あるのですが,体験授業は長くても1時間ほどのところが多いです。

しかし,だからといって身にならないわけではありません。プロの講師による授業ですので,高校生のレベルに合わせながらも新しい発見があるような授業になっています。また基本的にはそれぞれの学部や学科で扱っている学問の導入を解説していくことが多いため,進路や志望校を選ぶ参考にもなります。

学食体験­

ここからは上で紹介した説明会・授業などに比べるとカジュアルなイベントが多いです。まずは学食体験です。これは,オープンキャンパスの開催に合わせて夏季休業中の学食を開くというものです。もちろんお金はかかりますが,学食というのは大学生活を思い描くのに意外と有効に働いたりします。

またいろいろな大学の中には,学食に力を入れているところもあり,そのためだけにキャンパスを覗いてみるというのも面白いでしょう。筆者は一度東京大学の学食に訪れたことがあるのですが,何十種類もメニューがあって大変心が惹かれた覚えがあります。

一日を通して開催されるオープンキャンパスではお昼を挟むことになるでしょうし,夏の炎天下の中歩き続けるというのも体に良くないです。是非休憩がてら学食やカフェテリアを訪れてみるのはいかがでしょうか。

サークル紹介

最後にご紹介したいのがサークル紹介です。日頃の活動の成果をアピールする目的で,オープンキャンパスのイベントの一つとして行われています。筆者の実感では文化系の部活やサークルの発表が多い印象です。私が学生時代に見学したのは軽音楽部や津軽三味線サークルの発表などでしたが,クオリティの高いものばかりでした。

進路選択というと学問分野・就職先などを思い浮かべるでしょうが,このような部活・サークルの活動の様子から伝わる学生の雰囲気で選ぶというのも一つ良い視点になるでしょう。また大学入学後にはじめてみたいことが出来るかもしれません。お堅い説明会や授業だけ聞いていても疲れるでしょうし(笑),参加してみてはいかがでしょうか。

コロナ禍でのオープンキャンパス

とはいっても,2021年現在もコロナウイルスの脅威が衰えないため,興味のある学校に実際に訪れる機会は少なくなっています。オープンキャンパスも例外ではありません。そのためここからは,コロナ禍でどのようにオープンキャンパスが行われているかについて,いくつか有名な大学を例示しながらお話ししていきます。いくつかの学校を調べてみたところ,来場型オンライン型があることがわかりました。

形態① 来場型

まず1つ目の形態は来場型です。これは通常のように大学構内を訪問する,というものです。調べたところ早稲田大学さん青山学院大学さんが来場型を実施する予定とのことです。

ただしコロナ禍ということもあり,現段階で実施が確定しているわけではなく,中止・延期される可能性があるそうです。加えて実施されるとしても事前予約が必要とのことなので注意が必要です。

形態② オンライン型

2つ目の形態がオンライン型です。これはYouTubeやZoomなどのツールを使って,楽部紹介や体験授業などのプログラムを実施するというものです。おそらく都心部の大学はオンライン型で開催するのではないでしょうか。

オンライン型のいいところは,説明の様子や学校の雰囲気が動画として公開されて残されるので,時間を選ばず何回でも確認できることです。実際に自分の目で大学構内を確認できないのは残念ですが,より気軽に参加しやすいかと思います。

オススメの参加方法

この来場型・オンライン型という形態があるコロナ禍でのオープンキャンパスですが,オススメなのは関心の高い大学には両方の形態で参加してみることです。来場型でしか分からないような要素もあれば,オンライン型でしか分からない要素もあるので第一志望の大学は両方参加してみるのが良いでしょう。

ただ全ての大学について両方参加するのは骨が折れると思いますし,コロナのため都内に出たくない方もいらっしゃると思います。また地方の大学だと,訪問するのにお金と時間が取られてしまいますよね。そのため「ちょっと気になるな」「滑り止めで受けようかな」などそれなりに興味があるくらいの大学については,オンラインで覗いてみるのがオススメです。それぞれの形態のメリットを活かして参加してみましょう。

参加する意味

概要を話すだけだと「オープンキャンパスに参加することになんの意味があるのか」と思われるかもしれません。特に受験生にとっては勉強の正念場である夏休み,一瞬たりとも無駄にはしたくないですよね。しかしこのオープンキャンパスは大変有意義なものです。大きく分けて参加する意味は次の3つです。

その① 受験勉強のモチベーションにつながる!

まずは参加することで勉強のモチベーションが向上するという意味があります。大学に実際に訪れたり,教職員・学生の話を聞いたりすることで,受験を乗り越えた先に待っている楽しい大学生活をイメージすることができます。私も経験しましたが,夏の間ずっと勉強しているというのは身体的にも精神的にも苦痛です。そのためリフレッシュになりつつ残り半年の勉強を乗り越えるパワーをもらえるオープンキャンパスは大きな意味があるでしょう。

またオープンキャンパスに参加することで過去問を手に入れられたり,出題傾向の解説を聞くことができたりもします。そのためモチベーションだけでなく,勉強そのものに役立つ知識を得ることもできます。この点からもオーキャンに参加するメリットはあるでしょう。

その② 進路について考える機会になる!

次は進路について考える機会になるという利点についてご紹介していきます。これは特に高校1年生・2年生の方に読んでもらいたい話になります。

進学先を決めるというのは大変難しいもので,「3年生になってからでもいいだろう」と考えることを後回しにしてしまいがちです。しかし,実際には3年生というのはもう勉強を始めないといけない時期であり,進路を考え直す余裕はありません。そのため早い時期からぼんやりとでもいいので進路について考える必要があります。

ここで役立つのがオープンキャンパスです。いろいろな大学の説明会を聞いていると,「ここの大学は面白そう」だとか,逆に「ここには通いたくないかな」と感じてくるでしょう。また体験授業などに参加すると,「この学問は面白そう」「この分野は苦手かも」という感想を抱くでしょう。

このように参加してみて感じたことが,文理選択・志望校選びなどに役立ってきます。このようなイベントは進路が決まっている人が参加する印象がありますが,今ちょうど悩んでいるという人にも,むしろそういう人こそ参加してみてはいかがでしょうか。

その③シンプルに楽しい!

最後に,オープンキャンパスは単純に楽しいものです。そのため受験生でなくとも進路に悩んでいる人でなくても有意義に過ごすことができます。

これまで「イベント」と呼んでオープンキャンパスを紹介してきました。大学という未知の世界に訪れるというのは勇気がいることですが,このオーキャンについてはゆるくカジュアルに参加できます。「学校紹介」と呼ばず「オープンキャンパス」と呼ぶのが一般的なのも,横文字にすることでお堅い印象を消し去りたい,と考えてのことかもしれません。

またオーキャン自体が楽しいことはもちろんのことですが,その大学に通う生徒が遊ぶ学生街を見て回ることができるというのも魅力の一つです。実際オープンキャンパスには数百人単位の人が訪れるため,大学周辺は賑やかになります。受験・進路と関係なく観光気分で参加してみるのもオススメです。

まとめ

今回の記事ではオープンキャンパスとは何か・どんな意味があるのか,などについてご紹介していきました。オープンキャンパスは進路選択に役立つ重要なイベントですが,それだけでなく,上で述べたようにカジュアルなイベントでもあります。気になっている大学で開催されていたら,是非参加してみてください。本記事が学習や進路選択の手助けとなれば幸いです。

(ライター:大舘)

おすすめ記事

参考