小学校6年生になればもう受験まで1年を切り、お子さんは勉強を頑張り、親御さんは受験に向けての準備に余念がないですよね。今回は、「学校と塾の両立」問題についてご紹介します。学校行事や宿題、完璧に両立するのは難しいかもしれません。でも小学校生活の思い出はやはり作らせてやりたい、お悩みの保護者様も多いと思います。
今回は、現在小学校6年生、受験勉強も佳境に入ってきた受験生のお父様が、入試直前までどのように「学校と塾の両立」を考えてみたか、その一例をご紹介します。ご家庭によって考え方は様々です。父親目線の中学受験、参考にしてみてください。
5年生後半から6年生前半まで
5年生の2月から、塾通いも週5日となり、宿題も増えました。そこに加わる学校の宿題・・・子供の寝不足は深刻な問題です。量が多いときは大変ですが、学校の宿題に関しては、塾での学習の効果か、特に算数の宿題は問題もなくすいすいこなせているようです。
塾の宿題の方はスケジュールは立てるものの、計画通りにはなかなか進まないのが現状です。やはり、受験に影響する塾の宿題を優先したいので、学校の方は、休み時間を利用したり、細切れ時間を利用したりという工夫が必要になってきます。
わが子は、自主学習的な課題が好きなのか、また、みんなの前で恥をかきたくないという心理が働いているのか、歴史上の人物の自由研究発表などは入念に時間をかけて準備しています。この類の宿題は時間がかかり、週ごとの塾のテストの勉強に書ける時間をかなり食うのですが、点数には直接表れないかもしれませんが、年表の暗記では見えてこないことを知るという意味で長い目で見ればとても有意義な宿題なので、息子が納得するまで時間をかけさせました。
また、近頃の首都圏の小学校は運動会を6月ごろに実施するところが多く、ゴールデンウィーク明けから練習が始まります。運動会の練習で疲れていても、塾の宿題をやり、塾に通い、という毎日を送っています。もしかするとサラリーマンよりも厳しい日常生活を送っているかもしれません。子どもの様子を見て、疲れがたまっているようであれば学校を休ませるという判断も時には必要かもしれません。ですが、入試の出願の際には、学校の通知書のコピーや、中には調査書、報告書といったものを出願書類として指定している学校もありますから、あまり長期間休ませるのは考え物かもしれません。
父親である私自身が想像していたよりも(まだ受験は終わっていないのですが)中学受験は大変です。中学受験率が高い地域の小学校では、周囲の理解も得られ、学校の先生も事情を分かってくださることもありますが、逆に受験率が低い地域では、中学受験をするがゆえの大変さを周囲に理解していただくこと自体難しいこともあるようです。
夏休みはこうしたい・・・
学校が長期の休みに入りますから、時間をかけて苦手分野を克服できる最後のチャンスだと思っています。ゴールデンウィークもそのチャンスでしたが、やはり日数的にすべての苦手分野を総ざらいするまでの時間は正直とれませんでした。その積み残しを抱えての夏休みになるので、いまから計画を練り始めています。
特に点数の上がりにくい国語の読解などに時間をさけるチャンスだと思っています。秋以降は点数につながりやすい(と思っている)理科、社会の暗記事項に時間を費やすことになるのは目に見えているからです。ただ、塾の講習もあるので、国語の読解問題をたくさん解くことにはなるのでしょうが、点数が上下しやすい現状をどうしたらよいのか、安定して点数をとれるようにはどうしたらよいのか、とても深刻な問題だと思っています。
学校からも夏休みの宿題が出ますよね。絵日記や自由研究など、やはりこれも時間を費やさないと終わらないようなものが多いですが、できれば受験に関連する植物や動物などに関する自由研究を、息子と話し合ってテーマを決めて取り組もうと考えています。自由研究は絵を描いたり写真を貼ったり、調べてまとめたり、という手順が必要になりますから、それも受験に役立つと信じて取り組んでみようと思っています。問題は、その時間をどこから捻出するか、なのですが・・・。
夏休みから12月にかけて
わが家はまだ経験していませんが、この時期は中学受験に向けての最終局面ですよね。できることならすべての時間を受験勉強に使いたいところです。ですが、塾のある土曜日に運動会や学校行事があったりと、どちらを優先すべきか迷うことも多いようです。わが家では、小学校生活最後の運動会は出席させますが、それ以外の土日は塾を優先しようかとも考えています。楽しい小学校の思い出も作らせてやりたい親心と、受験の最後の追い込みをしっかりやらせたい親心、二つの親心のはざまで悩ましい限りです。
この時期になってくると、受験する生徒さんはみな必死です。もしも毎週のように受け、その復習もあり、志望校別特訓授業を受け、そこでも宿題が出て、さらに過去問も解かなければならない。それも、1校とは限りませんし、どこの学校の何年度から解くか、それも考えなければなりません。教科によっては、過去問レベルに達していなかったらどうしよう・・・と思っています。そもそもどの学校を受験するか、そのために親が奔走する時期でもありますから、こちらとしても必死です。
皆さん必死で勉強しているということは受験生全体の学力レベルが上がってくるということなので、簡単には偏差値は上がらないのではないかと内心非常に焦っています。でも、この時期になれば塾のテストも大変ですが、苦手分野をどう克服していくか、受験校を目指して勉強をしていくという意識を忘れないようにしなければと自戒の意味も込めて思っています。
年明け~入試まで
このころから、学校を休む中学受験生が増えるようです。埼玉県の受験は1月10日から始まりますから、埼玉受験をする受験生は1月第2週から学校を休む方がほとんどのようです。ただし、地域や学校によるのかもしれませんが、何日にどこの学校を受けるのか書いて提出し、それ以外の日に学校を休むと電話がかかってくるというケースもあるようです。受験の大変さは学校の先生も理解していただいているようなので、いざこざなく休めるとよいなと思っています。
一方で、学校に行っていないと落ち着かない、受験勉強の息抜き(と言っては学校に失礼ですが)に学校に行きたい、友達と遊びたい、と思うお子さんもたくさんいらっしゃると思うので、ご家庭の中でどちらをとるか受験生本人を交えてきちんと家庭の方向性を決めなければいけないと思います。
埼玉受験が始まったら、東京の受験が終わる2月上旬まで「戦い」は続くのだと思うと、まだ先のことながらやはり焦ります。入試の時期はインフルエンザもはやりますし、実際にインフルエンザにかかって本命校で力を出し切れなかった方の話を聞くこともあります。わが家では、インフルエンザは心配ではあるのですが、埼玉の受験が終わった後でいったん学校に行き、東京都の受験に臨む予定にしています。その時までにアクシデントもあると思いますので、計画通りに行くかはわかりませんが、直前になって慌てるよりは、大体の時期に分けてどうするか大まかに計画を立てておくことも、親として必要なことだと思います。
一橋大学卒。
中学受験では、女子御三家の一角フェリス女学院に合格した実績を持ち、早稲田アカデミーにて長く教育業界に携わる。
得意科目の国語・社会はもちろん、自身の経験を活かした受験生を持つ保護者の心構えについても人気記事を連発。
現在は、高度な分析を必要とする学校別の対策記事を鋭意執筆中。