平面図形をマスター!三角形の面積比~応用編その1~

中学受験を目指していく中で、算数が苦手になってしまう人の中には「特に図形問題に弱い」というタイプが多いと思います。「平面図形が苦手」「図形のひらめきなんて出てこない」という人は、頻出パターンの問題をしっかりできていない可能性があります。

平面図形の問題は、基礎・基本となる形から派生して考えられるものを確実に得点していけるように訓練することが必要です。「あ!この問題見たことあるからわかる!」という感覚が「図形のひらめき」に繋がります。

まず三角形の面積比についての基礎から確認したい人はこちらの記事からどうぞ↓

今回の記事では、上の2つの記事で書いた内容は理解できている前提で進めていきます。

基礎問題からの繋がりを見つける

平面図形が苦手なタイプの人は、少し向きが変わっただけのものや、線の引き方が違うだけでも「見たことのない問題」と判断してしまうことがあります。これは地図が読めない人にも共通しますが、図形が頭の中で回転できないということが原因のひとつにあります。

そういうタイプの人は、「この問題はこっちの問題が基礎となっているのだ」ということを、見せてあげないと最初はわからないかもしれません。共通点を見つけて、「ほら、似ている問題だから同じように考えてみようね」という流れで理解させてあげることが必要です。

「似たような形なら同じように考えれば解ける(かもしれない)」という体験を積ませることで、だんだんと図形のパターンを認識していきます。今回の記事では、基礎編や基本編で説明した図をもとにしながら、その少し応用になっている問題を2問ご紹介しています。どちらも、中学受験算数においては頻出パターンの問題ですので、偏差値55以上を目指すのであれば確実に理解しておいてほしい問題です。

 

三角形の3つの辺を伸ばした問題

三角形の面積比は「底辺の比×高さの比」で求まるということを理解していれば、例えば次のような問題が解けるようになります。

【問題】三角形ABCの各辺について、辺ABをAの方向に辺ABと同じ長さ分だけ伸ばした点をD、辺BCをBの方向に辺BCの2倍の長さに伸ばした点をE、辺ACをCの方向に辺ACと同じ長さ分だけ伸ばした点をEとします。三角形DEFの面積は、三角形ABCの面積の何倍でしょうか?

 

文章で見ると難しいように思うかもしれませんが、図で見ると下の右の図です。文章だけで出題されることはほとんどないと思いますので安心してください。

上の左の図のように、2つを並べて底辺と高さを比較して考えることができるようなら、同じように考えて右の図の問題も解けます。

ただし、あくまでも「同じように」であり、まったく同じではありません。三角形ABCの周りには3つの三角形ができていますので、その1つ1つと三角形ABCを比較して考えていきます。つまり、「3回(同じように)考える」ということになります。

いっぺんに比を考えて解こうとすると混乱する人もいるかもしれませんが、真ん中の三角形(赤)と周りの三角形(黄色)を1つずつ比較していくと、最初の基本問題と同じことを、向きを変えて3回考えるだけになります。

  • ABCの左側の三角形は、底辺も高さもABCの2倍→2×2=4
  • ABCの下側の三角形は、底辺が3倍、高さは同じ→3×1=3
  • ABCの右側の三角形は、底辺が同じで高さは2倍→1×2=2

 

ただし、周りの3つの三角形が三角形ABCの何倍になるかを求めただけで安心しないようにしましょう。

「三角形DEFの面積の中には、三角形ABCも含まれる」という点に気づかず、三角形ABCの分をたし忘れたせいで間違えるということが非常に多い問題です。

一番よくあるパターンでは、真ん中の三角形ABCの辺を整数倍しただけのものが多いので、真ん中の三角形の面積を1として考えられます。「底辺の比×高さの比」で面積比を求め、周りの三角形3つと真ん中の三角形ABCの面積をすべてたせば、三角形DEFの面積を求めることができます。三角形ABCの面積を1で考えているので、三角形DEFの面積の大きさを求めるとそのまま答えになります。

 

三角形全体から切り取って考えていく問題

先ほどの問題は、真ん中から辺を伸ばした三角形の面積を考えるとき、底辺も高さも整数倍で考えることができました。

今度の問題は、三角形全体から切り取っていく形を考えることになります。

【問題】三角形ABCの辺BCを1:2に分ける点をD、辺CAを2:3に分ける点をE、辺ABの中点をFとします。三角形DEFの面積は三角形ABCの面積の何倍でしょうか?

面積比として計算するのであれば、わざわざ分数を使う必要はないのですが、この問題では最終的に分数にしたほうがわかりやすいでしょう。なぜなら、全体から切り取るとき、全体の大きさが同じ比の大きさに統一されないからです。

この問題も、先ほどの問題同様に、3回に分けて周りの三角形から考えていきます。

これをもし比で考えていくのであれば、次のようになります。

  • △ABC:△EDC=(1+2)×(3+2):2×2=15:4
  • △ABC:△FBD=(1+2)×(1+1):1×1=6:1
  • △ABC:△AFE=(1+1)×(3+2):1×3=10:3

ここから三角形ABCを、15と6と10の最小公倍数である30に揃えるので、分数でいうところの通分をするのと同じことです。

三角形DEFが三角形ABCの何倍になるか、ということを考えたとき、いずれにしても分数の形になるということに注意しましょう。

全体から周りの三角形3つを引けば、三角形DEFの面積を求めることができます。1回1回やっていることは、基礎の内容です。それを3回繰り返し、全体から引くということをしているだけで、決して難しいことをしているわけではありません。

ただ、慣れていない子はパッと見た感じの印象だけで「解けない」と思って手を出さずにいてしまうこともあります。「この問題と似ているよ」と見せてあげることで、解けるようになるかもしれないのであれば、とてももったいないですよね。

 

まとめ

今回の記事でご紹介した問題は、応用編といいつつも中学受験内容で言えば非常にポピュラーな問題です。これが当たり前に解ける人と解けない人とでは、大きな差がついてしまうことでしょう。少なくとも、受験学年である小6の夏の段階までには解けるようにしておくことが望ましいと思われます。

まだ他にも、面積比の基本を利用した典型題をご紹介していこうと思います。続いてこちらの記事をどうぞ!↓

 

(ライター:桂川)

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2 件のコメント

    • コメントありがとうございます。記事の編集をしております桂川です。
      ご指摘ありがとうございました。おっしゃるとおりでした。
      修正をさせていただきましたので、どうぞ今後ともよろしくお願いいたします。

  • fumio にコメントする コメントをキャンセル

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