中学受験・学校説明会で注意して聞きたい「アクティブ・ラーニング」とは?

中学受験生の保護者の方は、学校説明会に足を運ばれているところだと思います。最近の学校説明会では、「アクティブ・ラーニング」という言葉を聞かないことはないくらい、耳にする機会が多いのではないでしょうか。アクティブ・ラーニングへの具体的な取り組みは学校によって様々ですが、そもそもアクティブ・ラーニングについてどういうことかわからずに聞いても、「ふーん」という感想で終わってしまいます。その学校の良さ、アピールポイントを理解するためにもアクティブ・ラーニングの概要を知ったうえで説明会などに出かけていただきたいと思います。今回は、アクティブ・ラーニングの概要と、役割について簡単にまとめていきます。

アクティブ・ラーニングの概要

2014年の学習指導要領に「アクティブ・ラーニング」という言葉が登場してから、この言葉が非常に注目を集めるようになりました。ですが、2014年になってはじめて各学校が一斉に取り組み始めた、というものではありません。以前から、アクティブ・ラーニングという言葉はなくとも、同様の学習を意識して授業を行っていた学校や教員はたくさんいました。ですから、全く新しい教育の概念というわけではありません。

なぜ、「アクティブ・ラーニング」という言葉が盛り込まれたかというと、2020年の大学入試改革により、大学入試のシステムが大きく変更されようとしているからです。現在の大学入試センター試験は廃止され、新たな試験が導入されますし、高校2年生から「基礎学力テスト」が設けられたり、と様々な変更が予定されています(一部議論が進んできているものもありますが、まだすべてがはっきりと決まっているわけではありません)。

この大学入試改革は、これまでの知識詰め込み型の学習ではなく、「知識・技能」を前提とした「思考力・判断力・表現力」を評価しようという試み、と今のところは言われています。その「思考力・判断力・表現力」を問うのが「大学入学希望者評価テスト」です。インプットした知識を応用し、どのようなアウトプットができるのかを問う試験、という位置づけとされています。

さらに、各大学ごとに行われる個別選抜試験では、「主体性・多様性・協働性」を問うこととしています。互いに意見を出し合い、問題を解決していく力を要求するもの、と位置付けられています。まだ内容やどのような形で評価するのかは明らかではありませんが、これまでとは違う能力を問いたいという意図があるようです。

このように、大学入試のシステムが大幅に変更される予定となったため、小中学校、高等学校の教育システムにもこぞって「アクティブ・ラーニング」の文字がもりこまれるようになったのです。

アクティブ・ラーニングによって何ができるの?

アクティブ・ラーニングは、そのことばから、「活動的な勉強方法」というイメージだと思われていることが多いようです。たしかに、グループでの討論や実地調査などの派手なイメージが先行していますが、本来の意味は「能動的な学習」ということです。勉強する内容に興味を持ち、自ら頭をフル回転させて、議論にも積極的に参加し、問題提起し、問題解決していく、そのような学びを行うのがアクティブ・ラーニングの本来の意図です。

すでに、そのような生徒が能動的・主体的に学習に取り組む授業にこだわり、実践されていた教員も存在しましたが、国の教育方針として「これをしなさい」と決まっていたわけではありませんでした。また、双方向授業にこだわり、発問を重ねることで、生徒自らが考えていく授業も大学中心行われていました。ですが、やはり高校までは知識中心の受動的な学習が主流でした。

しかし、知識は豊富でもその使い方がわからなければ意味がありませんし、最近特に叫ばれている「グローバル化」の波に乗るような、国際的に活躍できるような人材の育成も難しいです。将来、社会に出たときに通用する人材を育成しよう、それがアクティブ・ラーニングの目標とするところです。

アクティブ・ラーニングを取り入れるワケ

生活も経済もグローバル化が進んでいる現代において、今までと同じ手法の授業を行っていては、アジア諸国の中でも日本の魅力が低下してしまう、世界に出て活躍する人材が生まれないという危機感もあってアクティブ・ラーニングという言葉が盛り込まれてきました。これからの日本には、新しい価値を生み出し、創り上げていく人材を確保しなければならない、そういった危機感も要因の一つです。知識があるだけでは足りないのです。これからの社会では、知識を身につけたうえで、それを使って新しい問題を発見し、試行錯誤しながら解決に持ち込む力が求められているのです。だからこそ、社会に出る時期の早い大学生対象にまずアクティブ・ラーニング的学習が取り入れられてきました。そして、大学入試改革も相まって、中高生、さらには小学生の時期からアクティブ・ラーニングを取り入れ、人材を育てるという方針がとられるようになったわけです。アクティブ・ラーニングは目先の大学入試合格だけが目的の学習ではありません。問題を発見し、解決するためにどうするか思考し、仲間と協働していく力を身につけるために取り入れられているのです。

学校説明会でもぜひ質問を

学校説明会などで、アクティブ・ラーニングの話が出たら、ぜひ、その学校の考えるアクティブ・ラーニングとは何なのか、どのような形で実現しているのか、今後どのようにしていこうとしているのか、目的は何か、そのような点を個別相談などで質問してみてください。お子さんに合った学校をいくつ見つけられるかが親の腕の見せ所です。ぜひ、機会を逃さず、情報収集していきましょう。

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