【函館・横浜に系列校も!】雙葉中学校の理科の特徴とは?最新の出題傾向や入試対策方法ついてもご紹介!

雙葉中学校は、東京都千代田区六番町に所在する、中高一貫の私立女子中学校です。

完全中高一貫校であるため、高校からの募集は行っていません。

また、創立は1875年に遡り、都内女子校のなかでも歴史が長いです。

桜蔭中学校・高等学校、女子学院中学校・高等学校とともに「女子御三家」と称され、都内でもトップクラスの難易度をほこります。

今回は、そのような雙葉中学校の、理科の出題傾向や入試対策方法についてご紹介します!

入試情報

問題構成・解答形式

雙葉中学校の理科は、試験時間30分、満点が50点となっています。また、大問数は4問、総設問数が20〜25程度となっています。ここ数年の入試では、大問数総設問数ともに大きな幅もなく、安定した傾向が見られます。

基本的には物理・化学・生物・地学の4分野からそれぞれ1問ずつ出題されており、同じ分野から複数問出題されるということはほとんどありません。

近年の出題内容

2021年度

2020年度

2019年度

出題傾向

概要

雙葉中学校の理科は、試験時間が30分、満点が50点となっています。試験時間に対して大問が4問、総設問数が20〜25問程度出題されています。

一般的な学校に比べてかなり試験時間が短いわりに、問題数は標準的なので、あまり時間に余裕がありません。

基本的には、各分野からそれぞれ1問ずつ出題されており、融合問題などは出題されていません。

難関男子校で見られるような、難問・奇問は見られません。高度なひらめきや思考力を必要とするというよりは、単元についての本質的な理解を問うような良問が揃っています

また当校の理科は、さまざまな形式の問題が出題されることが特徴のうちの一つだと言えるでしょう。一般的な中学受験理科でよく出題されるような、記号選択・用語記述・並び替え問題・正誤選択問題が大部分を占めています。

そのほかにも、各大問につき、1〜3問程度の記述問題や、計算問題が出題されていることも特徴的です。

出題傾向についての詳細

雙葉中学校の理科では、物理・化学・生物・地学の4分野からまんべんなく出題されることが特徴的です。基本的に、各分野からそれぞれ1問ずつ出題されています。

なかでも物理からは「電気回路」「熱」「光の角度・反射」といったエネルギーに関する問題が、化学からは「ものの溶け方」「化学反応」「水溶液の性質」といった化学物質に関する問題が、生物からは「光合成」「生物のからだの仕組み」が、地学からは「地形」「地層」「天体」に関する問題がよく出題されています。

難問・奇問といった、高度なひらめきや思考力を問うような問題は見られません。あくまで受験生の単元についての本質的な理解を問うような問題がほとんどです。

知識問題の割合が大きいため、受験生の演習量や知識の豊富さがそのまま得点に直結するような内容となっています。難易度がそこまで高くない分受験生同士で点差がつきにくいことも特徴的です。

合格平均点や受験者平均点などは、特に公表されていません。

また当校の理科では、出題形式がある程度一定であることが特徴としてあげられます。一般的な中学受験理科でよく出題されるような記号選択・用語記述・並び替え問題・正誤選択問題が大部分を占めています。

そのほかにも、各大問につき、1〜3問程度の記述問題や計算問題が出題されています。内容は、基本的な知識を問うような問題がほとんどです。

また当校の理科は、時間にあまり余裕がないことが特徴的です。試験時間が30分であるのに対し、総設問数は20〜25問となっており、1問あたりにかけることができる時間は1分あるかないかというくらいしか与えられていません。

一見余裕があるように思えるかもしれませんが、記述問題や計算問題などは時間がかかる問題も多いため、決して時間に余裕があるわけではありません。

完成度の高い解答が求められるので、高得点を取る上では解くスピードも非常に重要です。

入試対策法

分野別対策法〜実際の過去問を解いてみよう〜

雙葉中学校の理科では、物理・化学・生物・地学の4分野からまんべんなく出題されることが特徴的です。

そのなかでも生物の問題について、実際の過去問を抜粋しつつ、対策法をご紹介します。

(2021年度第1回・第1問より抜粋)

〔1〕花子さんは昼休みに校庭で遊んでいたところ、転んだ際にひざをすりむいて、出血してしまいました。手当をしてもらうために保健室に行ったとき、保健室の先生と次のような会話をしました。

先生:あら、少し出血しているようね。まずは水道水できれいに洗いましょう。それからばんそうこうをつけておきますね。時間がたてば、出血は止まりますよ

花子さん:あれ?先生、傷口をオキシドールで消毒しないのですか?以前すりむいたとき、傷口にオキシドールを塗ってもらいました。そのとき、泡が出て痛かったのを覚えています。

先生:そうね。オキシドールで消毒すると殺菌はされるけれど、傷口の組織が傷ついて治りが遅れるらしいの。今は、水道水や石けんできれいに洗うことが推しょうされているのよ。

花子さん:そうなのですね。

先生:ところで、オキシドールを塗ったときになぜ泡が出たかわかりますか?

花子さん:え・・・わかりません。

先生:傷口の血液にはカタラーゼという酵素が、オキシドールには過酸化水素が含まれているの。血液中のカタラーゼがオキシドール中の過酸化水素を分解すると泡が発生するのよ。ちなみに栄養分を貯蔵したり、毒性のある物質を分解するはたらきがある(1)という臓器には、カタラーゼが多く含まれているのよ。

花子さん:そうなのですね。処置してくださった上に、いろいろ教えていただき、ありがとうございました。

カタラーゼのはたらきに興味をもった花子さんは、後日学校で理科の先生と一緒に次のような実験をしました。

実験1:ニワトリ(1)3gに蒸留水20mLを加えてよくすりつぶした後、ガーゼでしぼった(A液)1mLを、3%過酸化水素水2mLの入った試験管に加えた。

結果:泡が発生したが、しばらくすると泡は発生しなくなった。

実験2:ニワトリの(1)6gに蒸留水20mLを加えてよくすりつぶした後、ガーゼでしぼった液(B液)1mLを、3%過酸化水素水2mLの入った試験管に加えた。

結果:実験1とほぼ同じ量の泡が発生し、実験1より短い時間で泡の発生は止まった。

実験3:ニワトリの(1)6gに蒸留水40mLを加えてよくすりつぶした後、ガーゼでしぼった液(B液)1mLを、3%過酸化水素水2mLの入った試験官に加えた。

結果:実験1(ア)量の泡が発生し、実験1(イ)時間で泡の発生は止まった。

問1 文中の(1)にあてはまる言葉を答えなさい。

問2 下線部に関して、出血を止める役割をもつ血液中の成分の名前を答えなさい。

問3 これらの実験において、泡が発生している試験管の中に火をつけた線香を入れたところ、激しく燃えました。この結果から発生した泡は何だと考えられますか。

問4 実験1において、A液に含まれる物質によって泡が発生していることを示すためには、もう一つ実験を行う必要があります。どのような実験をする必要がありますか。実験とその結果を答えなさい。

問5 実験3の結果の(ア)、(イ)にあてはまる言葉を、それぞれ下の①〜③から1つずつ選びなさい。

ア:①とほぼ同じ ②より少ない ③より多い イ:①とほぼ同じ ②より少ない ③より多い

問6 実験3で、泡が発生しなくなった試験管を2本用意し、それぞれに以下のような実験4、実験5を行いました。表の結果から、実験3で泡が発生しなくなった理由を答えなさい。

 【答え】

  • 問1 肝臓
  • 問2 血小板
  • 問3 酸素
  • 問4
    • 実験:3%の過酸化水素2mLの入った試験管に水を1mL入れる。
    • 結果:泡が発生しない。
  • 問5 ア① イ①
  • 問6 過酸化水素がすべて使われたから。

〔ポイント〕

  • 雙葉中学校の理科では、毎年各単元からそれぞれ1問ずつ出題されています。
  • 今回の問題のように、用語記述や適語補充といった基本的な知識問題がほとんどです。生物の問題では、たびたび生き物が書かれている図に直接記入させるような問題も出題されています。
  • 難しいことは出題されていないため、受験生の演習量や知識量がそのまま得点に直結するような内容となっています。

高得点を目指す上での「カギ」とは?

知識問題では満点を目指す

雙葉中学校の理科では、難関男子校で出題されるような難問・奇問は出題されていません。

あくまで単元についての本質的な理解を問うような良問が揃っています。受験生の知識量や演習量がそのまま得点に直結するため、苦手分野を残さないようにしっかり対策を行いましょう。

一方で、問題によって難易度に少しばらつきがあることも特徴的です。問題によっては「今まで学習したことを関連づけて、論理を組み立てる」ような、一筋縄ではいかないようなものも見かけられます。

覚えていればすぐに答えることができるような知識問題は、時間をかけずに解き終え、なおかつ満点を目指しましょう。

過去問演習は入念に

雙葉中学校の理科では、さまざまな形式の問題が出題されることが特徴的です。

一般的な中学受験理科でよく見られるような、記号問題、適語補充、用語記述といった問題がほとんどです。

また、各大問につき1〜3問程度は、記述問題や計算問題なども出題されています。

入試本番で独特の形式に戸惑うことがないよう、過去問演習は事前にしっかりと行うと良いでしょう。

時間配分は慎重に

雙葉中学校の理科は、試験時間が30分、満点が50点となっています。また、試験時間に対して大問が4問、総設問数が20〜25問となっています。

1問あたりにかけることができる時間は1分程度しかなく、まったく時間に余裕がないことが特徴的です。

試験時間が始まったらまず全ての問題に目を通し、得意な分野や解きやすそうな問題から手をつけましょう

試験終了前の5〜10分間は必ず見直しの時間とし、計算ミスや解答の抜け落ちがないかどうかしっかりと確認しましょう。

まとめ

今回は、雙葉中学校の入試情報や、理科の出題傾向、入試対策方法についてご紹介しました。

当校の理科は、試験時間が30分、大問が4問、総設問数が20〜25問程度となっており、試験時間に対する問題量が多いことが特徴的です。

高度なひらめきや思考力を問うというよりは、単元についての本質的な理解を問うような問題がほとんどで、受験生の知識の定着度や演習量がそのまま得点に直結するような良問が揃っています。

また「記号選択、用語記述の問題がほとんど」、「様々な分野からまんべんなく出題される」といった点も特徴的です。過去問研究は抜かりなく行い、入試本番で動揺しないようにしましょう。

入試本番まで時間は限られていますが、他教科とのバランスを考えつつ、できる限りの対策を行いましょう。

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参考

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こんにちは!ライターの福久はなです。
都内の中高一貫校出身で、大学受験を経て東京大学に入学しました。
塾講師や家庭教師のアルバイト経験があり、算数・数学・英語を中心に教えていました。
これらの科目に限らず、中学受験の経験を活かして理科・社会といった科目の対策方法や、学校別の受験対策、学校情報についてなど、幅広く記事を執筆しています。
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