アクティブ・ラーニングとは何か

秋本番、学校説明会などが多く開かれる季節になりました。中学受験をお考えの保護者の皆様には、志望校や併願校を選ぶ上で、学校説明会ではぜひいろいろな情報を得てきていただきたいと思います。

その中で、特にこれから注目を浴びるのは間違いなく各学校の、アクティブ・ラーニングへの取り組みだと思います。2020年の大学入試改革を見据え、各学校は学校なりのアピールポイントとしてアクティブ・ラーニングへの取り組みについて発表をすると思います。個別相談の場でも、ぜひ学校全体がどのようにアクティブ・ラーニングに対する考えを持ち、実践しているのかをぜひしっかり聞いていただきたいと思います。

では、そのアクティブ・ラーニングとはいったいどういうものなのでしょうか。これからの学校説明会で話を聴く際にも活かしていただくために、改めてご紹介していきます。

アクティブ・ラーニングとは?

文部科学省は、幼稚園から高等学校までの間の教育に、「アクティブ・ラーニング」を導入すること、また、この学習方法に伴って大学入試を変革することを表明しています。細かい情報についてはまだはっきりと発表されていないので、教育現場でも手探りの部分も多いようです。

数年前から導入されている学校も少なくありませんが、黎明期であるため学校の先生も手探り状態で、親御さんは一体どんな教育内容なのか、それが大学入試にどう結びつくのか不安、という状況にあるのが現状です。

学校の授業といえば、今までは先生が一方的に先生が授業を行い、話し、生徒はただ聞くだけ、という講義形式のものがほとんどでした。もちろん、発問を通して双方向で授業を行ってきたり、自発的に生徒の側から先生に対して指摘をしたり質問をして理解を深める、という学習をモットーとしてきた伝統校はこれまでにもたくさんありますので、ことばとしては新しいイメージを持つかもしれませんが、以前から全くなかったわけではありません。

ですが、実際のところそれは生徒の能力によるところもありましたので、基本的な学校の授業はやはり一方的な講義形式がほとんどでした、このような授業ではどうしても生徒も受け身の学習で終わってしまいます。つまり、「受動的学習」だったわけです。

それに対して、アクティブ・ラーニングとは、文字通り、「能動的な」学習のスタイルです。受け身ではなく、生徒が主体的に、能動的に、ときには協働的に学んでいく学習方法です。

具体的にはどんなことをしているのか

アクティブ・ラーニングの手法は数多くありますが、いくつか例を挙げてみましょう。

先生の説明は10分から15分程度に短くまとめ、問題演習を中心の授業をします。先生からの働きかけは、説明や要点を簡潔に説明したもので、板書も少なめです。その方が生徒たちが自主的に調べようという気持ちを持つことができるからです。生徒たちが自分から質問をしたり、自分で調査したりするように促し、最終的な問題解決方法に達するように導いていきます。

説明が短くなった分、問題演習の時間が多くなります。演習方法も様々なスタイルがあり、従来の、一人で黙々と問題を解く、というスタイルではありません。たとえば、子どもたちが数人でグループを作って問題に取り組む、グループワークというスタイルがあります。生徒が主体的に、協働して学ぶわけです。このようなグループワークは以前からありましたが、答えが示されていてできる子がリードして、どのグループが速く正解にたどり着いたか、というようなものがほとんどでした。

おさらいの小テストをするときには、生徒同士にお互い採点をさせ、わからなかったり、間違えたりした箇所はお互いに教え合うようにします。人に教える、説明するということは、自分の理解を飛躍的に高め、深めることができるからです。

他にも、立ち歩きや友達と相談することを積極的に勧めたり、質問を多用したり、答えは生徒たち自身で見つけるように先生の側は促します。従来であれば、授業中立ち歩くなどというと、授業が成り立たないからとんでもないとと思われてきたでしょうが、あくまで授業を能動的なものとするために、そのような手法も取り入れるようになってきています。

アクティブ・ラーニングの手法にはほかにもいろいろあります。形式や道具にこだわらないのがアクティブ・ラーニングともいえるのです。いずれにしても、生徒たちを「能動的に」「主体的に」学習に参加させること、これがアクティブ・ラーニングの目指すところといえるでしょう。

アクティブ・ラーニングに期待できる効果とは?

先生はできる限り一方的な説明をおさえて、生徒たちが自分自身の頭で悩み、試行錯誤して考えていくように仕向けていきます。その結果、「主体的な」学習姿勢が身につきます。自分で考え、わからないところは自分で調べ、積極的に先生に質問し、友達に相談するようになっていきます。

このようにお互い協力する、つまり協働して学ぶので、学習を通して人間関係の構築が上手になり、リーダーシップも鍛えられます。これもアクティブ・ラーニングに期待できる効果といえます。

ただし、このようにいいことずくめのように思われるアクティブ・ラーニングですが、これは先生側の力量にも大きく関わってきます生徒をうまく導くことができるかどうか、そういう先生を学校側がどれくらい確保できるのか、それがこれからの学校の人気を分けていく一つの要因だと考えられます。

アクティブ・ラーニングから生まれる、将来の人間像

情報化の進んだ現代社会では、知識はインターネットなどを駆使すればすぐに得られます。今は知識量の豊富さよりも、主体性や協調性を持って、問題に取り組む力、解決する力が求められています。アクティブ・ラーニングは、そのような力を持つ人間を育てる、真のキャリア教育とも言われています。

これまで、キャリア教育というと、将来の仕事について調べる、卒業生の話を聴く、などの取り組みが多くの学校でなされてきましたが、それに加えて自分から能動的に問題を解決する力が加われば、キャリアを自分で切り開いていく力が身についていく、それが真のキャリア教育といわれるゆえんだといえます。

アクティブ・ラーニングとこれからの大学入試との関連

特に中学生以下の生徒たちは、アクティブ・ラーニングに真剣に取り組むべきです。それというのも、大学入試改革が近づいているからです。

大学入試改革は2020年度に行われるとされており、今までの大学入試センター試験は廃止されます。それに代わって、「大学入学希望者学力評価テスト」というテストが導入される予定です。これは、これまでの知識量を争うものではありません。

思考力」「判断力」「表現力」を問うもので、生徒の主体性や意欲などが評価される仕組みとなっているのです。このテストについての詳細はまだ全容が明らかになっていませんが、このテストに対応するために、アクティブ・ラーニングが大きく影響してくることは間違いないようです。

まとめ

アクティブ・ラーニングの概要について、改めてまとめてみました。特に目前に迫っている大学入試改革への影響力も含め、親御さんからするとどの学校がどのような取り組みをしているのか気になるところだと思います。

学校説明会では、学校全体の取り組みについての説明がされているか、ぜひチェックしてください。そして、個別相談も利用して、具体的にどのような取り組み、授業が行われているのかしっかり聞いてほしいと思います。学校によっては、個別に訪問して学校見学をさせてくれ、より詳しく学校の取り組みについて話を聴くこともできます。具体的にどのような授業が行われていて、どのような先生が担当しているのか、そこまで突っ込んで聴いてもマイナスになることはありません。積極的に情報収集していきましょう。

お子さんが中学受験をするならば、できるだけお子さんの能力を伸ばしてくれる、そのような環境を備えている学校を選びたいですよね。この判断はやはり親御さんの役割です。ぜひ、興味を持った学校がありましたら、積極的に足を運んで、実際の教育内容について話を聴いてきていただきたいと思います。

2020年度の大学入試改革では何が求められているのかについても気になるところだと思いますので、別の記事で詳しく説明したいと思います。

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